#140文字小説

北西時雨

2017/10/25

子が絨毯を撫でて模様を付ける遊びをしている。彼らの手にかかれば、生い茂る森も、荒れる海原も、そよ風の草原も、凪いだ砂漠も喚び出せる。
子に急かされて、私も遊びにまざるように言われる。どうしたものかと悩んで、自らの顔を押し付け魚拓をとる。量産された私を見て、子が泣き出す。

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