俺の耳かきスキルで世界救っちゃいます!

砂浜

第1章4話 俺の主人と幼馴染が修羅場すぎる

なんだか長い夢を見ていたようだ。妙に頭が痛むが気のせいだろう。
そして俺が目を開けるとーー。


俺の主人マスターと幼馴染(涙目)が睨み合っていた。


「……なんだ夢か。おやすみ」

俺の部屋に美少女が2人もいるわけがない。

「夢じゃないわよ、なんなのこの女ぁー!」

ねぎが俺をガクンガクンと揺さぶる。ええ分かってますとも、現実を受け入れますとも。

「おい葱落ち着け、完全に言動が不倫されて病んでるメンヘラヒロインだぞ?」

「アタシはメンヘラでもなければビッチでもないからぁ!」

……息を吐くように自爆していくポンコツ具合。これが我が幼馴染み、藤間 葱ふじま ねぎである。昔からやたらと俺に構ってくる、ツインテ貧乳茶髪陽キャ残念ヒロイン。……正直、俺と真逆のタイプだから、なんで俺に構ってくれるのかわからないけど……。

「はいはい、分かってる分かってる、お前は可愛い可愛い」

こういう時は適当に褒めてあげるのがベスト。まぁ一応本音でもあるけど、それをわざわざ言うのも気恥ずかしいしな。

「えへへ……」

はいチョロイン。……こいつ俺の事好きなんじゃないの??勘違いしちゃうから、そんな風に素直に照れないで。

「……はっ!違う違う!ちゃんと説明しなさいよ!」

攻略失敗。普段のしゃんとした葱に戻ってしまった。

「ここは私が説明しましょう!私とミナギさんは主従の契りを結んだ仲です!というわけで部外者はget out、です!」

なんかいつの間にかリーニャさん荒れてらっしゃるぅー!?語尾の丁寧さが怖さを増してるんだが……。

「げ、げらうと……?と、とにかく!アタシはそんなの認めないんだから!」

あ、この論争むっちゃ長引く上に結論出ない奴だ。そして俺に流れ弾来るわ。早めに止めないと。

「二人とも、私の為に争わないで><(裏声)」

「「…… ……」」

おし、落ち着かせるのに成功したぞ!……何故か涙が浮かんできたけど。

「じ、じゃあ状況整理するぞ。とりあえずお互い名前から紹介していこうな」

「リーニャ、こいつは藤間 葱。俺の幼馴染で、普段から仲良くして貰ってる。まぁちょっとポンコツな面はあるが、基本的に良い奴だぞ」

「ちょっと、ポンコツって何よ!」

今は些細な事に構ってられない。さっさと紹介していこう。

「葱、こいつはイルーー」

いや待て待て、平行世界から来たこと、どう説明する??……間違いなくややこしくなりそうだな……。よし、じゃあ無難に行こう。
 
「イーー居候することになった、従姉妹の無門かどなしリーニャだ。この春休みから一緒に暮らしている。基本的には上品な……いい娘だぞ」

上品と言っていいのか迷ったが、まぁ上品って事にしておこう。

「い、従姉妹!?えっ、居候!?ってことはアンタと二人暮し!?」

食いつくところはそこなの?いやまぁね、男女二人で暮らしてたら心配にはなるだろうけどさ、そんなに俺って信頼ないの……?

「あー……確かにそうなるな」

余談だが、俺の両親は暫く前から海外旅行に出ている。もう3年になるだろうか……。生活費はくれるし、たまに電話もしてくれるし、あまり不便を感じたことはない。

「っ……!う、羨まし……くなんかないんだから……!」

でも、寂しい時がない訳ではない。もうだいぶ大人になったとはいえ、まだ高校生である。そういう意味でも、リーニャとの生活が楽しみではあったりする。……ほんとに暮らすかどうかはともかくとしてな。

「み、海凪!!」

葱に急に大声で叫ばれた。こんな近距離で叫ばなくてもわかるって。……さっきまで聞いてなかったけど。

「ん?なんぞ?」

「ア、アタシも……アンタと一緒に暮らしてあげよっか?」

……んん???え、何このラブコメ。嬉しいけどね??ただ、突然すぎて感情がついてこないというか。

「だ、ダメです!ここは私たち2人の愛の巣なんですよ!?」

リーニャ、だいぶキャラがブレてないか!?な、なんでこんなベタ惚れしてるヒロイン系に……、って、あ、そっか。

(俺らの戦いに巻き込む訳には行かないからか!)

俺らが戦う際に、この家は拠点になるだろうし、作戦もここで練るとしたら、葱をこの家に入れる訳には行かない。彼女には真っ当な生活を送って欲しいしな。

「き、気持ちは嬉しいけどなぁ。お、俺らのあ、あ、愛の巣……だか…ら……」

愛の巣って発言するのが既に恥ずかしいんだけど。辛い。でも耐えねば。

「は、は、はぁあああ!? な、何言ってんの!?」

し、しかし恋人偽装する必要はなかったよなぁ!?くっそー、リーニャめ、愛の巣とか先に言い出しやがって……。

「ネギさん、知ってましたか?……従姉妹って結婚できるんですよ??」

すげー、物腰が丁寧な分だけ、煽り性能もやたらと高い。……リーニャとはあまり喧嘩したくないな……。

「うわあああああああんんん、海凪のバカあああああ!!」

あ、ポンコツ病が発動しちまった。泣きながら窓からジャンプして、家に帰りやがった。……器用な奴だ。

「こ、これで良かったのか……?」

「はい、バッチリです!これで私たちの戦いのお話ができますね!」

俺、この娘の笑みが怖くなってきたよ。絶対腹黒いだろ……。

「てか、なんで葱はこっちの家まで来たんだろ?」

そういや、あいつがなんでこっちまで来たか聞いてなかった。聞く前に帰られたし。

「ああ、それならこれですよ」

そう言って、葱の緑にデコレーションされたスマホを差し出す。……あいつ携帯忘れて行ってるじゃん、後で持っていかないと……。そう思いながら、付きっぱなしになっていた画面を見る。

『耳かき法案、本日より施行開始』

「…………は??」

どうやら、戦いのスタートは、着々と近づいてきているようだ……。

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