引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─
49話 2級魔法技士2次試験開始
試験開始の準備として、私を含めた3人の試験官により精霊魔動機兵を起動する。
「うわぁ、おっきぃ……。」
「じ、実物見るとさすがに迫力あるわね……。」
全高7m弱の人型の巨体は、見る者に相当な威圧感を与える。
この精霊魔動機兵は、本来は魔物討伐用に研究開発されたものなのだが、稼働に消費する魔血晶が魔物討伐により得られる魔血晶を大きく上回るというとんでもない欠点があった。
特に胸部魔力子収束砲を使用すると、魔物の持つ魔血晶が化学反応により気化してしまうため、魔血晶を得られないという欠点はさらにひどくなる。
簡単に言うと、働いて稼ぐお金よりも食費が大きく上回ってしまう、とんでもない大飯食らいだったのだ。
そのため結局は実戦投入には至らず、こうした時間制限つきで限定的に運用できる試験用途や、後は万一の事態に備え拠点防衛用に街に配備されるという、緊急時や限定用途での使用にとどまる結果になっている。
ちなみに、魔王討伐から100年で街に魔物が攻め込んだ例はなく、毎年そこそこのメンテナンス費用だけがかさばっている模様。
それでも災害というのはいつ起こるかわからない以上、万一の備えというのはあるに越したことはないのだが。
研究者というのは、どうしても採算度外視でハイスペックなロマン兵器を作りたがるものらしい。
もっとも、今は稼働時の省エネ化が研究されており、遠い未来には実用性のある兵器となって生まれ変わる可能性もあるかも知れないが。
「……それでは、2級魔法技士2次試験を開始します。……始め。」
起動が完了し、私は試験開始の合図をするとともに2人の試験官とともに場外へ退散する。
ここからはいよいよ試験官としての仕事が本格的に始まるため、集中しなければいけない。
「おねーさん、作戦通りいくよ!」
「わかった!」
そう言うとアイシアさんはさっそく自身の周囲に力場を展開し始めるのだが──
「闇より深き深淵にて眠りし凍結の氷狼よ、今ここに100万年の封印より解き放ち我が牙となりて彼の者を打ち砕け!絶対零度の氷牙!」
「なんか厨二病全開な詠唱きたこれ!?」
なぜか力場展開中に自作ポエムを詠んで、かっこいいポーズを取っている。
発動時のポーズもやはりかっこいい。
角度とか鏡見ながら練習したんだろうな、という努力の跡が見て取れる。
盛大に努力の方向性を間違っている気はするが。
しかし発動した魔法は完璧なもので、寸分の狂いもなく精霊魔動機兵の左肩に直撃した。
力場展開中は極度に高い集中力が必要なため、余計なことを喋ったり変な……いや、かっこいいポーズを取ったりするのは無意味どころか障害にしかなり得ない。
だが、制御能力が大幅に魔力を上回るアイシアさんにとっては、それは何の問題にもならないと言うことなのだろう。
また、父親のハーデスさんが剣術大会で力場展開中の物理攻撃という離れ技を見せたように、これは血筋なのかも知れない。
そう、つまりアイシアさんはルナさんとは全く対極のタイプなのだ。
魔力の多さに制御能力が全く追いつかないルナさんに対して、アイシアさんは制御能力の高さに魔力が全く足りていない。
でもそれは、お互いがお互いのないものを補い合える関係となれる可能性を秘めているとも言えるはずだ。
だからこそ、真に力を合わせて協力すれば、奇跡的な力を発揮できるのではないかと私は期待してしまう。
「うわぁ、おっきぃ……。」
「じ、実物見るとさすがに迫力あるわね……。」
全高7m弱の人型の巨体は、見る者に相当な威圧感を与える。
この精霊魔動機兵は、本来は魔物討伐用に研究開発されたものなのだが、稼働に消費する魔血晶が魔物討伐により得られる魔血晶を大きく上回るというとんでもない欠点があった。
特に胸部魔力子収束砲を使用すると、魔物の持つ魔血晶が化学反応により気化してしまうため、魔血晶を得られないという欠点はさらにひどくなる。
簡単に言うと、働いて稼ぐお金よりも食費が大きく上回ってしまう、とんでもない大飯食らいだったのだ。
そのため結局は実戦投入には至らず、こうした時間制限つきで限定的に運用できる試験用途や、後は万一の事態に備え拠点防衛用に街に配備されるという、緊急時や限定用途での使用にとどまる結果になっている。
ちなみに、魔王討伐から100年で街に魔物が攻め込んだ例はなく、毎年そこそこのメンテナンス費用だけがかさばっている模様。
それでも災害というのはいつ起こるかわからない以上、万一の備えというのはあるに越したことはないのだが。
研究者というのは、どうしても採算度外視でハイスペックなロマン兵器を作りたがるものらしい。
もっとも、今は稼働時の省エネ化が研究されており、遠い未来には実用性のある兵器となって生まれ変わる可能性もあるかも知れないが。
「……それでは、2級魔法技士2次試験を開始します。……始め。」
起動が完了し、私は試験開始の合図をするとともに2人の試験官とともに場外へ退散する。
ここからはいよいよ試験官としての仕事が本格的に始まるため、集中しなければいけない。
「おねーさん、作戦通りいくよ!」
「わかった!」
そう言うとアイシアさんはさっそく自身の周囲に力場を展開し始めるのだが──
「闇より深き深淵にて眠りし凍結の氷狼よ、今ここに100万年の封印より解き放ち我が牙となりて彼の者を打ち砕け!絶対零度の氷牙!」
「なんか厨二病全開な詠唱きたこれ!?」
なぜか力場展開中に自作ポエムを詠んで、かっこいいポーズを取っている。
発動時のポーズもやはりかっこいい。
角度とか鏡見ながら練習したんだろうな、という努力の跡が見て取れる。
盛大に努力の方向性を間違っている気はするが。
しかし発動した魔法は完璧なもので、寸分の狂いもなく精霊魔動機兵の左肩に直撃した。
力場展開中は極度に高い集中力が必要なため、余計なことを喋ったり変な……いや、かっこいいポーズを取ったりするのは無意味どころか障害にしかなり得ない。
だが、制御能力が大幅に魔力を上回るアイシアさんにとっては、それは何の問題にもならないと言うことなのだろう。
また、父親のハーデスさんが剣術大会で力場展開中の物理攻撃という離れ技を見せたように、これは血筋なのかも知れない。
そう、つまりアイシアさんはルナさんとは全く対極のタイプなのだ。
魔力の多さに制御能力が全く追いつかないルナさんに対して、アイシアさんは制御能力の高さに魔力が全く足りていない。
でもそれは、お互いがお互いのないものを補い合える関係となれる可能性を秘めているとも言えるはずだ。
だからこそ、真に力を合わせて協力すれば、奇跡的な力を発揮できるのではないかと私は期待してしまう。
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コメント
さんじゅーすい
ひねりも何もないその展開で考えてます笑
描写で頑張るしかないか……(´・ω・`)
美浜
アイシアさんがルナの魔法を制御すれば最強かな?
アイシアさんの詠唱カッコいい。