引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─

さんじゅーすい

39話 リヒトさん意外な場面で好きな人をバラされる

その後もザディウスの猛攻は続く。

連続攻撃からの奥義の流れに、俺は手も足も出ない。


「チッ、しぶといなぁ……いい加減倒れちまえよ!」

「そいつは無理な相談だな。俺だけならともかく、ルナをどうこうするってんなら死んでも倒れる訳にはいかねーんだわ。」


「いや、だからあのガキは……おい、オマエ。世界を敵に回してでもあのガキを守る覚悟はあんのか?」

「ルナが世界の敵?どういう意味だ?……剣聖様の言うことは1から10までさっぱり意味がわからねぇな。ルナほど人畜無害な人間はいねーっての。……あんた、俺の件といい別な誰かと勘違いしてるんじゃないのか?」


ここに来て、さらによく分からない話が追加される。
俺からすれば、突然出てきて殺す殺すわめいて暴れてる目の前の人の方が、よっぽど世界の敵に見える訳だが。


「まあ今説明してもわかんねーだろうしなー。かといって野放しにしてれば取り返しのつかない事になる。……となりゃ、恨まれてでも今殺らなきゃいけない。これ、救世主の辛い所ですわ。」


思わせ振りなことを言うだけ言って、肝心なことは説明しない。
まともに会話するだけ無駄だなこりゃ。


「──というかオマエ、そこまで一生懸命あのガキ守る守るって、ひょっとしてあのガキのことが好きなのか?」

「はぁ?何でそうなる。ルナは家族みたいなもんだ。理由なんぞそれで十分だろう?」


「何だそりゃ、わっかんねーなぁ……でも、俺様もああいう女はこれっぽっちも好みじゃねーからな。そこんとこはよく理解できるぞ。あー、でもな──」


よく喋る奴だなおい。
もはや戦闘時間より喋ってる時間の方が長いぐらいだぞ。


「──俺様のうつわのこのリヒトな。どうも昔からあのガキのこと好きだったみたいだぞ。……さすがにこの件知ったときは俺様も心が痛んだよ。惚れた女をこの体の、この手で殺さなきゃいけない宿命背負わせちまったなんてな。」

リヒトがルナを……まあ、驚きはそんなにはないな。
同郷の出身でもあるし、案外お似合いかも知れん。

しかし、自分で殺すとか言っておいて心が痛むと言ったり無茶苦茶な奴だ。


「……いい加減おしゃべりが過ぎるぜザディウスさんよ。あんたは俺がここでぶっ潰す。ルナは殺させねぇ。だからさっきからごちゃごちゃ話してる内容は一切無意味。そんだけだよ。」


「口だけは達者だな、オマエ。俺様との圧倒的な実力差、わからねーほど素人でもないだろーが。」


「ああ、確かに俺一人じゃあんたの足元にも及ばねぇ。……でも勝負がどうなるかはやってみなきゃわかんねーぞ。」


すっかり慢心したザディウスは全く気付いていないようだが、徐々にその動きに変化が生じて来ているのを俺は見逃していなかった。

俺の考えが正しければ、次の一撃……いちかばちかになるが、勝負をつけることができるだろう。


「へらず口を……じゃあこれで終わらせてやるよ。──剣聖奥義……滅竜剣めつりゅうけん・『ごく』!」

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コメント

  • さんじゅーすい

    これがリヒトにとって吉と出るか凶と出るか……(´・ω・`)

    1
  • 美浜

    こんなときにバラさなくてもよかったのに······

    リヒトが可哀想。

    2
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