引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─

さんじゅーすい

32話 恋の定義ガイスト編

「……そうかも知れんな、あまり深く考えたことはなかったが……。」


あの頃、リーシェの背中はとても大きく見えた。
どうすればいいかわからなかった俺に、いつも道を示してくれた。

そんなリーシェに、きっと俺は憧れていた。
あんな風になりたいと思った。


「あの、じゃあ……誰かを好きになるって、どんな気持ちなんですか?わたし、まだそういうのよくわかんないから興味あって……。」


少し恥ずかしそうな素振りで俺に質問するルナ。
なかなか難しい質問だが──


「そうだな。世間一般にどうかってのは俺にはわからんが……俺の子供の頃の話に限って言えば、『自分にないものを持つ人への憧れ』だろうな。こういうのは人それぞれなんだろうが、少なくとも俺はそうだったと思う。」


それはあくまで憧れであって恋じゃない、と言う人もいるかも知れない。
だから皆がみんなそうだと言うつもりはない。
きっとこれは、聞いた人の数だけ違った答えのある質問だ。

ただ、男が女に惹かれるというのも、結局は自分にないものへの憧れだと言えるはず。

そういう意味では、俺の考えはそこまで原理的なものからかけ離れたものでもないように思う。


「憧れ……ですか、なるほど……。人それぞれなら、わたしにもまた別な恋の形があるのかな?……恋って難しいんですね、いろいろ話聞いても、考えてもぜんぜんわかんない……でもだからこそ、すごく気になります。」


ルナも年頃の女の子で、かなり好奇心旺盛だからな。
やっぱりそういうのは気になってしまうものなんだろう。
それ自体はいいことだと俺も思うんだが──

ただ1つ心配なのは、変な男に引っかからないかってことだ……。
でもまあ、そこは俺がしっかり見守って、何とかしようじゃないか。



話も一段落ついたところで、再びルナに足踏みマッサージを再開してもらう俺。
しばらく経つと、リーシェが風呂から上がって部屋に入ってきた。


「ルナちゃんお風呂お先──ん?……くすくす、なんか2人、そうやってるとお父さんと娘みたいね。」

「おいおいやめてくれよ、俺とルナは2つしか違わないんだぞ。せめてそこは兄妹と言ってくれ、兄妹と。」


「パパ、ここがいーの?それともこっち?くすくす。」

「ルナもネタに乗っかるんじゃない、正しくはお兄ちゃんだ。真摯に訂正を求める。」


こうして、楽しい時間を過ごしつつ、剣術大会初日の夜は更けていった。

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コメント

  • さんじゅーすい

     そりゃあもちろん、ねえ……ニヤニヤ(・∀・)

    1
  • 美浜

    ガイストがパパに!?

    ママは誰だ?

    2
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