引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─
27話 嵐を呼ぶエリザ
「ルナちゃん、あんまり食べると晩ご飯入らなくなっちゃうよ?」
「らいひょーふれすよ、わた──げほっ、げほっ。……ふぅ。わたしにとって、お菓子は別腹ですからね!」
左手で口元を隠しながら答えるルナちゃん。
右手でポップコーンをわしづかみにして、豪快に口に放り込んでむっしゃむっしゃ食べる姿に少し心配して声をかけたんだけど、何か大丈夫らしい。
途中、あんまり大丈夫じゃなかった気はするけど。
でも確かにルナちゃん、普段からよく食べる方だった気がする。
……の割に結構痩せてるんだよね。どこで消費してるんだろ一体。
第1試合のガイストとエリザさんの激闘の後、間を空けつつまたいくつかの試合が行われ、今は少し長めの休憩時間になっている。
そのため、試合中は満席に近い観客席の人も、今はとてもまばらだ。
椅子に寝っ転がって、昼寝してる人もいる。
晴れてて適度に風があって、絶好のお昼寝日和なので無理もない。
私もちょっと眠いし。
そんなことを考えていると、意外な人物が私たちに声をかけてきた。
「こんにちは、えっと……お二人は、リーシェさんとルナさんで間違いない?」
振り向いた先には、フリルの沢山ついた白と黒のドレスっぽい(?)服を着た女性がいた。
話したことはないけれど、知らない人じゃない。
服装が全然違うし、試合中と違って髪を下ろしてるから大分雰囲気違うけど、間違いなくエリザさんだ。
「はい、たしかに私はリーシェです。あなたは、第1試合に出場されてたエリザさんですよね?」
「よかったぁ、ちゃんと合ってた……。そうそう、あたしはエリザ。よろしくね。」
「──ガイストから連れが見に来てるって聞いてさ、どんな子なのかなーって会いに来ちゃった。何でも、村の方からはるばる来てるんだってね。話聞く限り結構いいところみたいだし、あたしもいつか行ってみたいなー。」
……あれ?
なんかひょっとしてエリザさんとガイスト結構仲良くなってる?
観客席からは何も聞こえなかったけど、試合中もなんか色々話してたみたいだし、終わった後も肩貸して二人三脚で出て行っちゃうし……。
いやいや、何考えてるんだ私。
あれは剣を交えた者同士の友情であって、……好き……とか、そういうのじゃないはず、多分。きっと。
「あのあの、エリザさん質問いいですか?あの空飛ぶやつ。あれって魔法なんですよね?どうやって飛んでるんですか?めっちゃかっこよかったです、まじで!」
ここで、魔法大好きっ子のルナちゃんがさっそくエリザさんに質問をする。
実は私も気になってた。あれってかなりすごい魔法だと思う。
「あははは、ありがとー。あれってあたしの自慢の技だからさ、興味持ってくれてうれしいな。……あれはね、操風と重力制御(負)の2種類の魔法を使ってるんだ。風だけじゃ、人間の体は重すぎて飛ばないからね。」
「えっと、つまり……自分の体重を軽くして、その上で風を起こして飛んでる、みたいな?……あ、でもそれってあの一瞬で2つの魔法を同時発動させてるってことですよね?……すごい。」
「発動に時間かかってたら、その間にやられちゃうからね。速さは強さ!があたしのモットー。……まあ負けちゃったんだけど。──」
「──でもさ、ガイストったらほんとすごくて。今まで色んな男とやってきたけど、あたしこんなに満足させられちゃったの初めて。……やだなぁ、思い出したらまたしたくなってきちゃった……。」
2人の魔法談義を麦茶を飲みながら聞いてた私だったけど、ぶほぉっ!と盛大に口から麦茶を噴き出してしまった。
公衆の面前で急に何てことを言い出してるの?この人は。
というかあの後控え室で何があったの?つまり、ナニがあったってことなの?
『ガイスト、あたし、もう……。』
『いいぜ、来いよ……。』
いやいや、いやいやいやいや。
大会中にそんなふしだらなことするなんてガイストに限って、まさかそんな──
お姉ちゃん信じてるからね?ね?
というかルナちゃん、また顔赤くしながらエリザさんのことすっごい見てる。
ルナちゃんこの手の話好きすぎ。
初恋もまだなのに、そっち方面にばっかり興味持っちゃってほんとにもう……。
とにかく考えてもしょうがないので、意を決した私は直接聞いてみることにした。
どうか何もありませんように──
「あ、あの。エリザさん、満足ってその……ガイストと何が?」
「……へ?リーシェさんも見てたでしょ?あの試合。ガイストったら試合中にぐんぐん強くなって、最後はあたしのこと完全に圧倒して……あたしもう、完敗したのに大満足だよぉ……。今まで試合した男の中でも、もうダントツで一番の強さなんだよねぇ。」
エリザさんがなんで試合のことをこんなえっちぃ声で語るのかはわかんないけど……とにかくよかった。
いやほら、妬いてるとかじゃなくって……純愛ならともかく、出会ってすぐに勢いでそういうのって、あんまよくないって言うか……えっと、まあそういう感じ?うん。
「らいひょーふれすよ、わた──げほっ、げほっ。……ふぅ。わたしにとって、お菓子は別腹ですからね!」
左手で口元を隠しながら答えるルナちゃん。
右手でポップコーンをわしづかみにして、豪快に口に放り込んでむっしゃむっしゃ食べる姿に少し心配して声をかけたんだけど、何か大丈夫らしい。
途中、あんまり大丈夫じゃなかった気はするけど。
でも確かにルナちゃん、普段からよく食べる方だった気がする。
……の割に結構痩せてるんだよね。どこで消費してるんだろ一体。
第1試合のガイストとエリザさんの激闘の後、間を空けつつまたいくつかの試合が行われ、今は少し長めの休憩時間になっている。
そのため、試合中は満席に近い観客席の人も、今はとてもまばらだ。
椅子に寝っ転がって、昼寝してる人もいる。
晴れてて適度に風があって、絶好のお昼寝日和なので無理もない。
私もちょっと眠いし。
そんなことを考えていると、意外な人物が私たちに声をかけてきた。
「こんにちは、えっと……お二人は、リーシェさんとルナさんで間違いない?」
振り向いた先には、フリルの沢山ついた白と黒のドレスっぽい(?)服を着た女性がいた。
話したことはないけれど、知らない人じゃない。
服装が全然違うし、試合中と違って髪を下ろしてるから大分雰囲気違うけど、間違いなくエリザさんだ。
「はい、たしかに私はリーシェです。あなたは、第1試合に出場されてたエリザさんですよね?」
「よかったぁ、ちゃんと合ってた……。そうそう、あたしはエリザ。よろしくね。」
「──ガイストから連れが見に来てるって聞いてさ、どんな子なのかなーって会いに来ちゃった。何でも、村の方からはるばる来てるんだってね。話聞く限り結構いいところみたいだし、あたしもいつか行ってみたいなー。」
……あれ?
なんかひょっとしてエリザさんとガイスト結構仲良くなってる?
観客席からは何も聞こえなかったけど、試合中もなんか色々話してたみたいだし、終わった後も肩貸して二人三脚で出て行っちゃうし……。
いやいや、何考えてるんだ私。
あれは剣を交えた者同士の友情であって、……好き……とか、そういうのじゃないはず、多分。きっと。
「あのあの、エリザさん質問いいですか?あの空飛ぶやつ。あれって魔法なんですよね?どうやって飛んでるんですか?めっちゃかっこよかったです、まじで!」
ここで、魔法大好きっ子のルナちゃんがさっそくエリザさんに質問をする。
実は私も気になってた。あれってかなりすごい魔法だと思う。
「あははは、ありがとー。あれってあたしの自慢の技だからさ、興味持ってくれてうれしいな。……あれはね、操風と重力制御(負)の2種類の魔法を使ってるんだ。風だけじゃ、人間の体は重すぎて飛ばないからね。」
「えっと、つまり……自分の体重を軽くして、その上で風を起こして飛んでる、みたいな?……あ、でもそれってあの一瞬で2つの魔法を同時発動させてるってことですよね?……すごい。」
「発動に時間かかってたら、その間にやられちゃうからね。速さは強さ!があたしのモットー。……まあ負けちゃったんだけど。──」
「──でもさ、ガイストったらほんとすごくて。今まで色んな男とやってきたけど、あたしこんなに満足させられちゃったの初めて。……やだなぁ、思い出したらまたしたくなってきちゃった……。」
2人の魔法談義を麦茶を飲みながら聞いてた私だったけど、ぶほぉっ!と盛大に口から麦茶を噴き出してしまった。
公衆の面前で急に何てことを言い出してるの?この人は。
というかあの後控え室で何があったの?つまり、ナニがあったってことなの?
『ガイスト、あたし、もう……。』
『いいぜ、来いよ……。』
いやいや、いやいやいやいや。
大会中にそんなふしだらなことするなんてガイストに限って、まさかそんな──
お姉ちゃん信じてるからね?ね?
というかルナちゃん、また顔赤くしながらエリザさんのことすっごい見てる。
ルナちゃんこの手の話好きすぎ。
初恋もまだなのに、そっち方面にばっかり興味持っちゃってほんとにもう……。
とにかく考えてもしょうがないので、意を決した私は直接聞いてみることにした。
どうか何もありませんように──
「あ、あの。エリザさん、満足ってその……ガイストと何が?」
「……へ?リーシェさんも見てたでしょ?あの試合。ガイストったら試合中にぐんぐん強くなって、最後はあたしのこと完全に圧倒して……あたしもう、完敗したのに大満足だよぉ……。今まで試合した男の中でも、もうダントツで一番の強さなんだよねぇ。」
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コメント
さんじゅーすい
本人はいたって真面目なんですけども笑
美浜
エリザの発言っていちいち誤解させてきますねw