引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─
17話 大は小を兼ねるとは限らない
交換を終えたルナと俺は、昼食をとるべく店に入り、料理が来るまでの間話していた。
「アイナさんて、ほんと教師って感じの人でしたね。話聞いてわたし、すっごいがんばろうって気持ちになりました。元の世界じゃ、ああはいかないよなー……。でも何が違うんだろ?うーん……。」
「俺もすっかりその気にさせられて、剣術大会に出場する決心がついちまったよ。また対人戦に向けてマーヤに稽古つけてもらわんとな……。」
魔物相手と人間相手じゃ少々勝手が違う。
不意を突かれたり裏をかいたり、そういうのに対応する訓練が必要になってくるのだ。
「ガイストさん、お互いがんばりましょうね。わたし、ガイストさんのこと応援しますから、ガイストさんも、わたしのこと応援してくださいね。」
両手で頬杖したまま少し顔を近づけて、無邪気に微笑みながらルナはそう言った。
「もちろんだ。お互いがんばろうな。」
しばらくの沈黙のあと、ルナが悪戯っぽく笑いながら口を開く。
「ところでガイストさん。さっき何回もちらちらアイナさんの胸見てましたよね?……くすくす。わたしちゃんと見てましたよ?」
「おいおい、そういうのは気付いても黙っててくれるもんじゃないのか……?いやまあ、あんだけでかいのが揺れてたら自然と目が行っちまうもんなんだよ。不可抗力ってやつだな。」
どうやら思いっきりバレていたようなので、心機一転俺は全力で開き直ることにした。
しかし、ルナは別に俺をからかいたかった訳ではないらしく、話はおかしな方向へと進んでいくことになる。
「つまり、ガイストさんは胸はおっきい方が好きってことですか?アイナさんぐらい?」
「いや、そういう訳じゃ──」
「え、じゃあわたしぐらいちっちゃいのが好きだったり……?わたしAあるかどうか怪しいレベルで全然ないし、それはないですよね?ね?」
「また極端だな……強いて言うならその間ぐらいだよ。……というか何で俺はこんな公共の場で、自分の性癖について赤裸々に語らなきゃいかんのだ。」
この感じ、なんか覚えがあると思ったらちょっとめんどくさくなったときのリーシェだな。
まあ、似たとこが出てくるというのは、それだけ2人が仲良くなった証でもあると思うので、良いことではあるんだが。
「すご、それってどんぴしゃじゃ……あ、ごめんなさい、恥ずかしいついでにもう一つだけ、もう一つだけ教えて欲しいのがあるんです……ダメですか……?」
上目遣いに、まるで子犬が食事をねだるような表情で頼んでくるルナ。
くぅーんという鳴き声が聞こえて来そうな勢いだ。
そんなルナの様子に、俺は当然断れるわけもなく──
「しょうがないな……もう1個だけだぞ?ただし答えられる範囲ならな。」
「ありがとうございます!……えっと、質問はですね、ガイストさんって、今好きな人いたりするのかなー、って。」
異性に対してこういう質問をする場合、質問した方は相手に好意を持っているってのが定番だが……さっきの胸の話からしてそれはあり得ないな。
ルナは自分の胸の大きさが好みでないと言われても、別段残念がる様子はなかったのだから。
だとすると一体──
「ごめんなさい、これって答えられない質問、しちゃいましたか……?」
考え事をして黙り込んでしまった俺の様子に心配したのか、ルナが少し申し訳なさそうに謝ってくる。
「いや、そういう訳じゃないんだ。俺こそ黙り込んで悪かった。……今はいないって答えでいいか?好きな人がいたのは今よりずっと子供の頃だよ。まだそれが恋だって自覚できないぐらい、幼い頃の話な。」
「……その人とは、どうなっちゃったんですか?今はもう離ればなれとか?」
「いや、そんなことはないぞ。ただ、俺の気持ちが変わったんだよ。恋が愛に変わった。親愛の情ってやつにな。それからしばらくして、ようやくあの時の気持ちが恋だったんだって気付いた。」
俺の話を聞いてしばらく考え込んでいたルナだったが、やがて合点がいったという様子でなるほど、と小声で口にした。
まあそりゃ気付くよな、こんだけ話せば。
ルナ経由でリーシェには伝わるかも知れんが、まあ別に問題はないだろう。
子供の頃の話だし、血の繋がった姉弟って訳でもないから、別に引かれるってこともないはずだ。
「逆に聞くが、ルナはどうなんだ?何か恋の1つでも経験はないのか?」
「わたし、初恋まだなんですよぉ……。恋、したいんですけどね……。」
そこまで話したところで、注文した料理が運ばれて来た。
腹の減っていた俺たちは、目の前の料理にすっかり心を奪われ、一瞬にして話題は料理のことへとシフトしたのだった。
「アイナさんて、ほんと教師って感じの人でしたね。話聞いてわたし、すっごいがんばろうって気持ちになりました。元の世界じゃ、ああはいかないよなー……。でも何が違うんだろ?うーん……。」
「俺もすっかりその気にさせられて、剣術大会に出場する決心がついちまったよ。また対人戦に向けてマーヤに稽古つけてもらわんとな……。」
魔物相手と人間相手じゃ少々勝手が違う。
不意を突かれたり裏をかいたり、そういうのに対応する訓練が必要になってくるのだ。
「ガイストさん、お互いがんばりましょうね。わたし、ガイストさんのこと応援しますから、ガイストさんも、わたしのこと応援してくださいね。」
両手で頬杖したまま少し顔を近づけて、無邪気に微笑みながらルナはそう言った。
「もちろんだ。お互いがんばろうな。」
しばらくの沈黙のあと、ルナが悪戯っぽく笑いながら口を開く。
「ところでガイストさん。さっき何回もちらちらアイナさんの胸見てましたよね?……くすくす。わたしちゃんと見てましたよ?」
「おいおい、そういうのは気付いても黙っててくれるもんじゃないのか……?いやまあ、あんだけでかいのが揺れてたら自然と目が行っちまうもんなんだよ。不可抗力ってやつだな。」
どうやら思いっきりバレていたようなので、心機一転俺は全力で開き直ることにした。
しかし、ルナは別に俺をからかいたかった訳ではないらしく、話はおかしな方向へと進んでいくことになる。
「つまり、ガイストさんは胸はおっきい方が好きってことですか?アイナさんぐらい?」
「いや、そういう訳じゃ──」
「え、じゃあわたしぐらいちっちゃいのが好きだったり……?わたしAあるかどうか怪しいレベルで全然ないし、それはないですよね?ね?」
「また極端だな……強いて言うならその間ぐらいだよ。……というか何で俺はこんな公共の場で、自分の性癖について赤裸々に語らなきゃいかんのだ。」
この感じ、なんか覚えがあると思ったらちょっとめんどくさくなったときのリーシェだな。
まあ、似たとこが出てくるというのは、それだけ2人が仲良くなった証でもあると思うので、良いことではあるんだが。
「すご、それってどんぴしゃじゃ……あ、ごめんなさい、恥ずかしいついでにもう一つだけ、もう一つだけ教えて欲しいのがあるんです……ダメですか……?」
上目遣いに、まるで子犬が食事をねだるような表情で頼んでくるルナ。
くぅーんという鳴き声が聞こえて来そうな勢いだ。
そんなルナの様子に、俺は当然断れるわけもなく──
「しょうがないな……もう1個だけだぞ?ただし答えられる範囲ならな。」
「ありがとうございます!……えっと、質問はですね、ガイストさんって、今好きな人いたりするのかなー、って。」
異性に対してこういう質問をする場合、質問した方は相手に好意を持っているってのが定番だが……さっきの胸の話からしてそれはあり得ないな。
ルナは自分の胸の大きさが好みでないと言われても、別段残念がる様子はなかったのだから。
だとすると一体──
「ごめんなさい、これって答えられない質問、しちゃいましたか……?」
考え事をして黙り込んでしまった俺の様子に心配したのか、ルナが少し申し訳なさそうに謝ってくる。
「いや、そういう訳じゃないんだ。俺こそ黙り込んで悪かった。……今はいないって答えでいいか?好きな人がいたのは今よりずっと子供の頃だよ。まだそれが恋だって自覚できないぐらい、幼い頃の話な。」
「……その人とは、どうなっちゃったんですか?今はもう離ればなれとか?」
「いや、そんなことはないぞ。ただ、俺の気持ちが変わったんだよ。恋が愛に変わった。親愛の情ってやつにな。それからしばらくして、ようやくあの時の気持ちが恋だったんだって気付いた。」
俺の話を聞いてしばらく考え込んでいたルナだったが、やがて合点がいったという様子でなるほど、と小声で口にした。
まあそりゃ気付くよな、こんだけ話せば。
ルナ経由でリーシェには伝わるかも知れんが、まあ別に問題はないだろう。
子供の頃の話だし、血の繋がった姉弟って訳でもないから、別に引かれるってこともないはずだ。
「逆に聞くが、ルナはどうなんだ?何か恋の1つでも経験はないのか?」
「わたし、初恋まだなんですよぉ……。恋、したいんですけどね……。」
そこまで話したところで、注文した料理が運ばれて来た。
腹の減っていた俺たちは、目の前の料理にすっかり心を奪われ、一瞬にして話題は料理のことへとシフトしたのだった。
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コメント
さんじゅーすい
>美浜さん
もっともらしく、かつ訳分からなくなるように書いたのでよかったです笑
あとあの意味不明なとこは、エアコンの原理が元ネタだったりします。
さんじゅーすい
>美浜さん
ありがとうございます(^^)
登場人物は15話ぐらいで固まったので、その辺で入れました。
今出先なので、後で美浜さんの作品も読ませていただきます(*´∀`*)ノ
さんじゅーすい
ありがとうございます(*^o^*)
とにかくエタらないのが第1目標なので、高望みせず構想どおりコンパクトにまとめようと思います。
読んでいただいてありがとうございます!
鮭@SAKE
男の転生系の物語が最近多いですが女子の転生も良いなと思いました(女子特有の癖?(綺麗好き・オシャレしたい)
次の更新楽しみにしてます!