終末屍物語
第12話「新たな課題」
・「うーん…困ったなぁ…」
ひさぎと再会した次の日、春人は自室のテーブルの上に置いてある折れた鉄バットと何かの図面を見ながら唸っていた。この折れたバットはつい最近まで彼が振り回していたバットである。4日前にひさぎを助けるためにレインコートの集団と戦闘していた際に力加減をせず全力で振り回していたため寿命を迎えてしまっていたのだった。そのため春人は次にどんな武器を使おうか迷っていた。そんな中、春人は自分の部屋のドアをノックする音を聞きそちらに顔を向ける。入っていいよ。と声をかけると、扉を開けて白い髪の少女が入って来た。春人の彼女のひさぎである。ただ、部屋に入って来た彼女の顔は半泣き状態だった。そして部屋に入って来るなり、
「はる○モ〜ン!私の刀が折れたよ〜!どうにかして〜!」
と春人に泣きつくのだった。
・「…俺は青いタヌキ型ロボットじゃないんだが?」
「そう言わないではる○モン。助けてよ。」
「…はぁ。わかったよ。刀が折れたんだって?」
春人が刀の話題を出すと、さっきまでのふざけた感じが嘘のように急に真面目になった。
「うん。さっきまでその刀で試し切りをしてたの。そしたら、ポッキリと折れちゃって…。」
「なるほどなぁ…。あ、そうだ。ひさぎならこれを使いこなせるかも。」
そう言って春人は机の横に立てかけてある白い布に包まれた細長い物をひさぎに渡した。
「何これ?」
「まぁ、開けてみ。」
布の中には持ち手の部分にトリガーがついた刀が入っていた。鞘から抜いてみると刀身が怪しく光っていた。
「…これ、コスプレ用の模造刀じゃないわよね?」
「違うよ。ちゃんとした刀だよ。ちゃんと切れるし、硬い。確か…『超音波ブレード八式』とかいう名前だったかな?」
「名前聞いて余計不安になったわ…。でも使ってみるわね。ありがとう。」
「おう!で、用事はそんだけか?」
「え?そうだけど?」
それを聞いた春人は少し考えるような仕草をしたあと、何を思いついたのか何かの準備をしながらひさぎにこう宣言した。
「今からひさぎのいた組合に行こう!」
「…え?」
・「アンタ、車の免許持ってたっけ?」
「持ってないよ。パンデミックのあとからさ。頑張って練習したんだ。」
春人とひさぎは今、廃墟だらけの道路を春人の運転するワゴン車に乗ってひさぎが所属していた組合の建物に向かっていた。
「にしても何で私の組合に行くのよ。アンタが何か興味を持つようなものなんかないわよ?」
「んー、いやぁ、ないわけじゃないよ。ただ、組合の人達がまた俺たちの住処に来るかもしれないから、その準備をしに行くの。あと、俺の折れたバットの代わりになる武器を探しホームセンターの跡地に行くんだ。」
「バットはわかったとして組合はどうするの?まさか…全員殺すの?」
「な訳ないだろ…人数の確認と罠の設置だよ。」
「ふーん。罠なんて持ってきたの?」
「いや、組合に行く前に調達しようかと。」
「そう…でも久しぶりね。アンタと一緒に買い物しに行くのなんて。」
「パンデミック以来だもんなぁ。まぁ、まずは楽しく買い物しようぜ。」
「うん。」
2人を乗せたワゴン車は瓦礫だらけの道路を走っていく。
ひさぎと再会した次の日、春人は自室のテーブルの上に置いてある折れた鉄バットと何かの図面を見ながら唸っていた。この折れたバットはつい最近まで彼が振り回していたバットである。4日前にひさぎを助けるためにレインコートの集団と戦闘していた際に力加減をせず全力で振り回していたため寿命を迎えてしまっていたのだった。そのため春人は次にどんな武器を使おうか迷っていた。そんな中、春人は自分の部屋のドアをノックする音を聞きそちらに顔を向ける。入っていいよ。と声をかけると、扉を開けて白い髪の少女が入って来た。春人の彼女のひさぎである。ただ、部屋に入って来た彼女の顔は半泣き状態だった。そして部屋に入って来るなり、
「はる○モ〜ン!私の刀が折れたよ〜!どうにかして〜!」
と春人に泣きつくのだった。
・「…俺は青いタヌキ型ロボットじゃないんだが?」
「そう言わないではる○モン。助けてよ。」
「…はぁ。わかったよ。刀が折れたんだって?」
春人が刀の話題を出すと、さっきまでのふざけた感じが嘘のように急に真面目になった。
「うん。さっきまでその刀で試し切りをしてたの。そしたら、ポッキリと折れちゃって…。」
「なるほどなぁ…。あ、そうだ。ひさぎならこれを使いこなせるかも。」
そう言って春人は机の横に立てかけてある白い布に包まれた細長い物をひさぎに渡した。
「何これ?」
「まぁ、開けてみ。」
布の中には持ち手の部分にトリガーがついた刀が入っていた。鞘から抜いてみると刀身が怪しく光っていた。
「…これ、コスプレ用の模造刀じゃないわよね?」
「違うよ。ちゃんとした刀だよ。ちゃんと切れるし、硬い。確か…『超音波ブレード八式』とかいう名前だったかな?」
「名前聞いて余計不安になったわ…。でも使ってみるわね。ありがとう。」
「おう!で、用事はそんだけか?」
「え?そうだけど?」
それを聞いた春人は少し考えるような仕草をしたあと、何を思いついたのか何かの準備をしながらひさぎにこう宣言した。
「今からひさぎのいた組合に行こう!」
「…え?」
・「アンタ、車の免許持ってたっけ?」
「持ってないよ。パンデミックのあとからさ。頑張って練習したんだ。」
春人とひさぎは今、廃墟だらけの道路を春人の運転するワゴン車に乗ってひさぎが所属していた組合の建物に向かっていた。
「にしても何で私の組合に行くのよ。アンタが何か興味を持つようなものなんかないわよ?」
「んー、いやぁ、ないわけじゃないよ。ただ、組合の人達がまた俺たちの住処に来るかもしれないから、その準備をしに行くの。あと、俺の折れたバットの代わりになる武器を探しホームセンターの跡地に行くんだ。」
「バットはわかったとして組合はどうするの?まさか…全員殺すの?」
「な訳ないだろ…人数の確認と罠の設置だよ。」
「ふーん。罠なんて持ってきたの?」
「いや、組合に行く前に調達しようかと。」
「そう…でも久しぶりね。アンタと一緒に買い物しに行くのなんて。」
「パンデミック以来だもんなぁ。まぁ、まずは楽しく買い物しようぜ。」
「うん。」
2人を乗せたワゴン車は瓦礫だらけの道路を走っていく。
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