終末屍物語
第10話「事の一部始終」
・「なるほどねぇ…それで?その後はどうしたの?
「調べてみても進展がなかったから動き出してたゾンビの頭を潰して回ってた。歩けるようにしといたけど、あの死体の量はすごかったなぁ…思い出しただけで吐きそうだよ。」
春人は自分の横で自分の腕に抱きついているひさぎにこの3日間に見つけたことと何をしていたかを説明して一息ついた。
「外はそんなことになってたなんて…うーん…みんな大丈夫かなぁ…」
「みんなってひさぎの組合のメンバーのことか?」
「うん。みんなが逃げる時間を稼ぐために私あそこにいたから…」
「なるほど…なぁひさぎ、何でお前らがあそこにいたんだ?」
春人のその質問にひさぎはうつむきながら静かに話し始めた。
・商業施設で春人とひさぎが闘ってから約2時間後、ひさぎはタウンの外でたくさんのテントをはってキャンプをしている集団の中で体を休めていた。
「あー痛い…あのヘルメット、刺される間際に私に一撃くらわせるなんて…」
1人でやられた傷のことをぼやいていると、舞がひさぎのテントに入って来た。彼女はひさぎの友人であり、このテントの集団のリーダーである。
「まぁ、死ななくて何よりじゃん。」
「それはそうだけど…春人が…」
「…彼氏くん、残念だったね。…死体は確認したの?」
「…してない。それは明日。あと、私が入ったところには何にもなかったわ。もっと奥に行ったら、何かあったかもしれないけど。」
「だね。明日は私も行くよ。ひさぎだけに全部やってもらってたら気がひけるし。」
「ありがとう。」
舞達はただゾンビがうろついているところでキャンプをしているわけではない。パンデミックが起こったあとにあった人間同士での殺し合いが終結してから舞がリーダーをつとめている『渚市生存者組合』やいくつかのグループはまだ自分達以外の生存者が使っていないような廃墟を資源を求めて我先にと調べていた。今回舞達は、春人達が使っていたこの廃墟を調べようとしていた。ひさぎはその安全確認のためにタウンに侵入していた。
「でも、まさか人語を理解して喋るゾンビがいたなんて…」
「私も自分で見てびっくりした。それに凄く強かった。私の攻撃をかわしたヤツなんて初めてだったし。」
「ひさぎが言うならよっぽど強かったんだ…。対策たてといた方が良いかな。」
「まぁ、それは後にしてとりあえず休まして。今日は疲れた。」
「わかった。それじゃあまた明日。おやすみ。」
そう言って舞がひさぎのテントを出た後、ひさぎは1人自分のテントの中でただ泣いていた。もう2度と最愛の人と会えないことがわかって。
・ひさぎが泣き疲れてから、5時間後。ひさぎは見張りをしていた仲間達に舞と共に起こされていた。
「空から緑色の光が降って来た?」
「はい。先ほど向こうの廃墟に緑色の光が降りていくのを目撃したので報告しに来ました。」
「何だろう?救難信号?…とにかく調べてみなきゃわからないか。みんなを起こして。光が降りていったところに行ってみよう。」
その後、舞の案で光の降った場所に行ったひさぎ達はレインコートの集団に鉢合わせになり、戦闘が始まった。結果は両方共に多大なる被害を出したが、ひさぎ達は負けて撤退した。仲間を逃がすためにひさぎはしんがりを務めて最後まで戦い致命傷を負った。そして春人と再会した。それが事の一部始終だった。
「調べてみても進展がなかったから動き出してたゾンビの頭を潰して回ってた。歩けるようにしといたけど、あの死体の量はすごかったなぁ…思い出しただけで吐きそうだよ。」
春人は自分の横で自分の腕に抱きついているひさぎにこの3日間に見つけたことと何をしていたかを説明して一息ついた。
「外はそんなことになってたなんて…うーん…みんな大丈夫かなぁ…」
「みんなってひさぎの組合のメンバーのことか?」
「うん。みんなが逃げる時間を稼ぐために私あそこにいたから…」
「なるほど…なぁひさぎ、何でお前らがあそこにいたんだ?」
春人のその質問にひさぎはうつむきながら静かに話し始めた。
・商業施設で春人とひさぎが闘ってから約2時間後、ひさぎはタウンの外でたくさんのテントをはってキャンプをしている集団の中で体を休めていた。
「あー痛い…あのヘルメット、刺される間際に私に一撃くらわせるなんて…」
1人でやられた傷のことをぼやいていると、舞がひさぎのテントに入って来た。彼女はひさぎの友人であり、このテントの集団のリーダーである。
「まぁ、死ななくて何よりじゃん。」
「それはそうだけど…春人が…」
「…彼氏くん、残念だったね。…死体は確認したの?」
「…してない。それは明日。あと、私が入ったところには何にもなかったわ。もっと奥に行ったら、何かあったかもしれないけど。」
「だね。明日は私も行くよ。ひさぎだけに全部やってもらってたら気がひけるし。」
「ありがとう。」
舞達はただゾンビがうろついているところでキャンプをしているわけではない。パンデミックが起こったあとにあった人間同士での殺し合いが終結してから舞がリーダーをつとめている『渚市生存者組合』やいくつかのグループはまだ自分達以外の生存者が使っていないような廃墟を資源を求めて我先にと調べていた。今回舞達は、春人達が使っていたこの廃墟を調べようとしていた。ひさぎはその安全確認のためにタウンに侵入していた。
「でも、まさか人語を理解して喋るゾンビがいたなんて…」
「私も自分で見てびっくりした。それに凄く強かった。私の攻撃をかわしたヤツなんて初めてだったし。」
「ひさぎが言うならよっぽど強かったんだ…。対策たてといた方が良いかな。」
「まぁ、それは後にしてとりあえず休まして。今日は疲れた。」
「わかった。それじゃあまた明日。おやすみ。」
そう言って舞がひさぎのテントを出た後、ひさぎは1人自分のテントの中でただ泣いていた。もう2度と最愛の人と会えないことがわかって。
・ひさぎが泣き疲れてから、5時間後。ひさぎは見張りをしていた仲間達に舞と共に起こされていた。
「空から緑色の光が降って来た?」
「はい。先ほど向こうの廃墟に緑色の光が降りていくのを目撃したので報告しに来ました。」
「何だろう?救難信号?…とにかく調べてみなきゃわからないか。みんなを起こして。光が降りていったところに行ってみよう。」
その後、舞の案で光の降った場所に行ったひさぎ達はレインコートの集団に鉢合わせになり、戦闘が始まった。結果は両方共に多大なる被害を出したが、ひさぎ達は負けて撤退した。仲間を逃がすためにひさぎはしんがりを務めて最後まで戦い致命傷を負った。そして春人と再会した。それが事の一部始終だった。
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