終末屍物語
第8話「2年ぶりの再開」
・ひさぎは何もない真っ白な空間にいた。ここはどこだろうと思い、辺りを見渡していると、いつの間にか目の前で髪の真っ白な誰が何かを夢中になって食べているのが見えた。最初はゾンビかと思ったひさぎだったが、その人物に妙な親近感を感じたひさぎはその人物を近くで見てみることにした。何かを夢中で食べていた人物は近づいて来たひさぎに気づいたのかゆっくりとこちらを見た。そして、その顔を見たひさぎは驚きで動けなくなった。その人物の顔はひさぎ本人の顔だったのだ。
「は?な、何これ?」
目の前の女性は目は真っ赤で口の周りは血でベッタリと汚れていたがその女性はまさにひさぎ自身だった。
そして、逃げるように視線を下にそらしたひさぎはさらに衝撃を受けた。ひさぎの顔そっくりな人物の足元には誰かの死体があった。さっきまで目の前の女性が食べていた物の正体だった。そしてその死体の顔は春人の顔だった。
「何で、ゾンビの私が春人を食べてるの…?」
そんな嘆くような言葉の返答をするかのように目の前のひさぎが口を開いた。
「何でも何も、私は、今、目の前にいる日野崎ひさぎは今後のあなた自身よ?」
「……嘘だ。」
「嘘じゃない。」
「ちがう!嘘だ!」
「本当よ。だって今のあなたは…」
「嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!」
「嘘じゃないわ。だって今のあなたは…ゾンビだから」
・「嫌ああああああ!!」
目が覚めたひさぎは病室らしき部屋でベットに寝かされていた。
「ゆ…夢だったの?それにしても、ここどこ?」
そう言いながら自分を見ると服装もついさっきまでの制服ではなく、病人用の服装に変わっていた。
「服装も変わってる…ここは組合の本部?いや…ちがう。本部より設備が整ってる…ここは本当にどこ?」
「あら、目を覚ましたみたいね。」
声のした方を見るとそこには看護服を着た女性がいた。しかしその女性の肌は普通の肌の色より白く、彼女がゾンビだということがすぐわかった。
「あなた、この3日間ずっと寝てたのよ。」
「3日も?というかあなたは誰?」
「ああ、自己紹介がまだだったわね。」
そう言って看護服を着た女性は自分の自己紹介をした。
 
「私の名前はアキ。みんなにはナースさんって呼ばれているわ。ここ渚リゾートタウンの医療フロアの主治医をしてるの。よろしくね。」
看護服を着た女性のゾンビはそう名乗った。
・アキと名乗ったゾンビにひさぎは色々なことを教えてもらった。この施設全体のこと、この3日間に自分がどういう状態だったかということ。他にも色々と教えてもらったが、ひさぎは自分がここに住んでいるゾンビ達のように人間とゾンビの中間のような存在になってしまったということが1番ショックだった。
(春人は死んだって聞いたし、私はゾンビになっちゃったみたいだし、フフ…散々ね。)
ひさぎがそんなことを思っていると、ナースがすごく申し訳なさそうな顔をしながら自分の顔を見ていた。
「どうしたの?なんか私の顔についてる?」
「いや…ちがうの。ちがうんだけどね…。私が言っちゃって良いのかしら…?」
「?」
「実はね…」
そう言ってナースはひさぎにとって信じらないようなことを言った。
「あなたの彼氏の灰崎春人君…実は彼、まだ生きてるの。」
「はあ!?何で?フルフェイスのヘルメットのやつに殺されたんじゃ…」
「うん。それ、ウソなの。彼、あのパンデミックの日にあなたと同じようなゾンビになって今もここで暮らしてるの。」
そんな会話が聞こえていたかのようなタイミングに春人がひさぎの病室に入って来た。
「ナースさん、ひさぎの様子はどう…あ、」
「はあ、話聞こえてたの?」
「あ、ああ…」
久しぶりに嬉しくて涙がでた。2年ぶりだった。
(忘れもしないわ…髪の色も、目の色も2年前と違う。でも間違うはずもない。だって、目の前にいるこの人は…)
目の前が涙で霞んで見えない。さっきまで考えていたこともすっかり忘れいた。
「よう…その、あの、久しぶ…グフッ!え、どうした?」
「うわああああああ!!!」
気付けば、ひさぎは大泣きしながら春人を抱きしめていた。2年ぶりの自分より少し大きい彼の体はすごく暖かかった。
「は?な、何これ?」
目の前の女性は目は真っ赤で口の周りは血でベッタリと汚れていたがその女性はまさにひさぎ自身だった。
そして、逃げるように視線を下にそらしたひさぎはさらに衝撃を受けた。ひさぎの顔そっくりな人物の足元には誰かの死体があった。さっきまで目の前の女性が食べていた物の正体だった。そしてその死体の顔は春人の顔だった。
「何で、ゾンビの私が春人を食べてるの…?」
そんな嘆くような言葉の返答をするかのように目の前のひさぎが口を開いた。
「何でも何も、私は、今、目の前にいる日野崎ひさぎは今後のあなた自身よ?」
「……嘘だ。」
「嘘じゃない。」
「ちがう!嘘だ!」
「本当よ。だって今のあなたは…」
「嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!」
「嘘じゃないわ。だって今のあなたは…ゾンビだから」
・「嫌ああああああ!!」
目が覚めたひさぎは病室らしき部屋でベットに寝かされていた。
「ゆ…夢だったの?それにしても、ここどこ?」
そう言いながら自分を見ると服装もついさっきまでの制服ではなく、病人用の服装に変わっていた。
「服装も変わってる…ここは組合の本部?いや…ちがう。本部より設備が整ってる…ここは本当にどこ?」
「あら、目を覚ましたみたいね。」
声のした方を見るとそこには看護服を着た女性がいた。しかしその女性の肌は普通の肌の色より白く、彼女がゾンビだということがすぐわかった。
「あなた、この3日間ずっと寝てたのよ。」
「3日も?というかあなたは誰?」
「ああ、自己紹介がまだだったわね。」
そう言って看護服を着た女性は自分の自己紹介をした。
 
「私の名前はアキ。みんなにはナースさんって呼ばれているわ。ここ渚リゾートタウンの医療フロアの主治医をしてるの。よろしくね。」
看護服を着た女性のゾンビはそう名乗った。
・アキと名乗ったゾンビにひさぎは色々なことを教えてもらった。この施設全体のこと、この3日間に自分がどういう状態だったかということ。他にも色々と教えてもらったが、ひさぎは自分がここに住んでいるゾンビ達のように人間とゾンビの中間のような存在になってしまったということが1番ショックだった。
(春人は死んだって聞いたし、私はゾンビになっちゃったみたいだし、フフ…散々ね。)
ひさぎがそんなことを思っていると、ナースがすごく申し訳なさそうな顔をしながら自分の顔を見ていた。
「どうしたの?なんか私の顔についてる?」
「いや…ちがうの。ちがうんだけどね…。私が言っちゃって良いのかしら…?」
「?」
「実はね…」
そう言ってナースはひさぎにとって信じらないようなことを言った。
「あなたの彼氏の灰崎春人君…実は彼、まだ生きてるの。」
「はあ!?何で?フルフェイスのヘルメットのやつに殺されたんじゃ…」
「うん。それ、ウソなの。彼、あのパンデミックの日にあなたと同じようなゾンビになって今もここで暮らしてるの。」
そんな会話が聞こえていたかのようなタイミングに春人がひさぎの病室に入って来た。
「ナースさん、ひさぎの様子はどう…あ、」
「はあ、話聞こえてたの?」
「あ、ああ…」
久しぶりに嬉しくて涙がでた。2年ぶりだった。
(忘れもしないわ…髪の色も、目の色も2年前と違う。でも間違うはずもない。だって、目の前にいるこの人は…)
目の前が涙で霞んで見えない。さっきまで考えていたこともすっかり忘れいた。
「よう…その、あの、久しぶ…グフッ!え、どうした?」
「うわああああああ!!!」
気付けば、ひさぎは大泣きしながら春人を抱きしめていた。2年ぶりの自分より少し大きい彼の体はすごく暖かかった。
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