学園内の最低ランクの学生がこの世の悪を成敗するそうです。(仮)

怪盗80

第30話:逆鱗。

「なら、何やっても大丈夫そうだな…」

そう言うと上げていた手を横に軽く振ると鎖が目の前の敵を制圧する為にギャリギャリと音を立てて動き始めた。

「これがあの古代武装の力…か…とんでもない…」

「ツッ…ここ居る僕達でもキツイね…」

「あははは!!君!僕の研究対象になる気はない?てか、拒否権はないけどネェェェェ!」

手当たり次第に試験官やナイフ、ハサミなどを投げつけてくるが体に当たる前に鎖で弾き返す。
その間カイトは何も考えずに鎖を操り執拗に追い詰める。
すかさず生物兵器と化した子供を使ってくるがすぐに鎖で捕縛して動きを止める。

「お前まだ諦めねぇのかよ…もうお前の負けだよ…」

「マダァァァァァ!!まだァァァァ!!」

なにかのスイッチを押し込むと下の地面が割れて出てきたのは体長3m以上の化け物だった。
やはりこの化け物も子供なのだろう、涙流して悲しんでいた。

「まだ…罪を重ねるのかよ…クズ野郎…」

鎖で苦しめない程度かつ動きを止めるくらいで縛りあげようとするが動き、力、能力自体が今までとは段違いだった。
捕縛攻撃を避けてその逆に鎖を握って振り回された。
振り回されながら身体が地面に叩きつけられ口からは血が流れ、地面には丸いクレーターが作られた。
ゆっくり近づき立ち上がろうとするカイトに拳を無茶苦茶に叩き込んでいた。
最後には近くにあった高さ6mもある瓦礫でカイトを潰した。

「ねぇ、眼帯君…このままじゃ…カイトくんと僕達も…」

「いや、あいつは…これで終わる奴じゃねぇ…」

心配をしている冷斗とは逆に眼帯は見え透いた様にカイトを見ていた。
すると瓦礫がだんだんとひび割れてきていた。
瓦礫がひび割れて飛散する土煙の中で淡々と呟いていた。

「お前の作った兵器は確かに強いし身体の全身が痛いんだよ…だけどな、モルモットにされた子供達の事を思えば…」

瓦礫を片手で掴むと徐々に瓦礫に亀裂が入っていった。
それを見て後退る魔黄の眼に写っていたのは…。

「こんな痛み…痛みに入らねぇんだよ!!」

鎖が、黒色のマフラーが、現在のカイトの感情がそのまま現れているように激しく靡いてヒーローとはかけ離れていていた。
口元から流れる血、服を染める鮮血は言うなれば返り血の様にも見える。
その姿は悪役の様な容姿であった。
化け物にされた子供も魔黄、そして近くにいた二人も恐怖に駆られた。

「お前は俺の一番嫌いな事をしたんだ…その覚悟…あるんだよな…」

軽く手を振るとすぐに数十本の鎖が魔黄の体を貫いていた。
鎖が貫かれている場所からは血が滲んで赤く染まる。

「グエッ…アバッ…?どぼじて…鎖が…なんでお前が守ってなびんだよぉ!!」

鎖を抑えながら止血を試みる魔黄は怯える子供に怒号を飛ばしていた。
怯えている子供(化け物)はその場で膝を落としていた。

「……」

ゆっくりと必至に鎖を抜こうとする魔黄に歩き出した。
そのまま目の前の敵を見据える冷めた目で首を掴んだ。

「カイト…!!」

「ウグッ…」

飛び付いてきたアリスに抱きつかれながら手を離されて咳き込みながら倒れ込む魔黄。
ハッと気がついたカイトは涙ぐんでいるアリスを見て我に帰った。
すぐ後にユリがアタッシュケースを持ってこの場に入り込みアリスを気絶させた。
ユリはこれ以上アリスに今の姿を見せないためにわざとアリスを気絶させたのだろう。

「…冷斗、眼帯…アリス達を外に連れて行ってくれ、あとユリに事情の説明を頼む」

「わ、分かった、てか重たいなぁ…」

気絶しているアリスは涙を流して泣いていた。
冷斗達は俺の考えを察してくれたのかすぐにアリスを連れて行ってくれた。

「もー、なんでアリスちゃんを連れて行ったのー?」

「はぁ…、こんな場面見せれるのか?」

夏場なのに厚めの黒色のコート、コートの下には黒色の水着が見え隠れしていた。
不機嫌そうにカイトの頰を引っ張るシズカに一発げんこつを入れるとすぐに真面目になった。

「とりあえず、この子達を元に戻す、そしてこの気絶してる奴を受け渡せばいいんだろ?その代わり今日の夜は一緒に寝よう♪」

「チッ…しょうがねぇ…後は頼む、俺はあのわがままお嬢様に少し話をしなくちゃならなくてな」

さっきまで怯えていた子供は横たわってシズカの異能で元に戻されていた。
その間に小さくか細い声で、『助けて…くれてありがとう…』と言った。
その言葉を聞かなかった様にズレかかったマフラーを直して歩き出した。

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