学園内の最低ランクの学生がこの世の悪を成敗するそうです。(仮)

怪盗80

第21話:元執事さんが淹れるコーヒーはとても美味しいようです。

「あれ?カイトー?朝ごはんを持って…」

その朝、アリスがカイトの様子を見に行くとそこには気持ちよさそうに眠っているアカリがソファーで眠りながら毛布を掛けられていた。

「ふぁれっ?カイトのやつは?」

「アカリちゃんが寝ている間に逃げたんだと思う…」

「あのヤロー!今すぐに探し出してやる!!」

勢いよく起き上がったアカリはふと思い出したように質問した。

「でも、どうやってあの縄を解いたんだ?結構、きつく縛ったはずだけど…」

「それはこれじゃないかな?」

下の騒ぎで起きてきたのかユリがソファーに隠すように置いてあった縄とナイフを取り出した。
慌ててアリスはユリが見つけた縄を手に取るとワナワナと震えだした。

「か、カイトのバカーー!!絶対に探し出してカイトの冤罪を証明してやるんだから!」

「まぁ、カイトはやる時はやるから心配しなくても…」

「いいや!私がカイトを連れて帰る!」

その後、アリスは朝ごはんを食べたら直ぐに寮を出ていった。


「さてと、これからどうすっかなぁ、写真は持って来たがこの学園生を見つけるとなると時間がかかるぞ…」

あの後、冷斗達と別れた後学園都市内の裏側へと向かい生徒会室から持っていった写真の学園生を探しながら学園都市内を散策していた。
(結構広いんだな、この学園都市ってもんは、ただでさえ朝飯が食えずに腹減ってるし…どっかいいところねぇかな…)
周りを見渡すと古ぼけた看板を掛けている飲食店があったため入った。
ここなら知り合いが来る事は無いだろうと思って入ったがやはり客は俺一人だけで店の中にはコーヒーの香りが匂ってくる。

「おやおや、こんな古ぼけた店に来る客がいるなんて…気軽に座ってくださいな」

暇をしていたのか雑誌を読んでいる高齢のおじいさんがコーヒーを淹れる準備を取り掛かった。
カウンターやらテーブルがある中で人が少なかった五席ある中で一番奥のカウンター席に座ると愛想のいい青年がエプロン姿で水を入れてくれた。
ふと、その青年の顔を見るとよく見覚えのある短髪に店の中なのに黒いサングラスを掛けていてそして最近見たことがある顔がそこにあった。

「ゲッ!なんでカイトさんが…」

「おい、なんでお前がここにいるんだよ」

「いや〜この前この学園都市に来た時、気に入りまして、住む事になりました」

やれやれと言いたげな顔をしてため息を吐くカイトになるべくマニュアルに沿っているように接する鈴木。

「んで、カイトさんはどうしてこんな古ぼけたコーヒーショップに?」

「それはな…」

カイトはエプロン姿の鈴木に今までの事を説明すると鈴木は笑いながら話し出した。

「あははっ、それは大変でしたね、んー、俺が少し手を貸しましょうか?監視カメラとかならハック出来ますよ?」

「やめとけ、もし失敗したらどうすんだよ」

「あー、とりあえずシズカ上官のコネを…」

「お前、昔と変わんないだな施設のコンピューターをハックして説教されたの忘れたのか?」

「おや、カイト様ですか?あの頃とは打って違って明るくおなりになって…」

そうこうしている間にコーヒーを淹れてくれたおじいさんを見てみるとシズカの専属契約をしていた執事のジェームズだった。

「てか、なんでこの学園都市にあんた達が?」

「まぁ、シズカお嬢様の気まぐれと言うかわがままと言った方がいいのですが私のコーヒーが飲みたいけど他の人に飲ませたくないと言う理由だけであまり目立たないこのコーヒーショップで働くついでにシズカお嬢様のわがままに付き合っているのです」

「そうなのか…ジェームズも大変なんだな、やっぱりこのコーヒーすごい美味いし仕方ないのか」

「いえいえ、これしか無いのでそんなに誉めないでください」

淹れてもらったコーヒーを飲みながら朝食を済ませるカイトはジェームズに向かって話しかけた。

「あっ、それじゃあカイトさんがここに一時的に避難するのはどうです?ここなら色々情報が出てきていいんじゃない?」

「まぁ、それでもいいんだけどさ…ジェームズ、後は頼んだ」

「お任せください」

何を思ったのかカイトはカウンターの内側窪みに入って隠れた。

「お邪魔するぜー、そこのマスター!ここにこーゆー奴来てねぇか?」

扉を蹴り開けた学園生達が扉の隙間から見えるが店の外に待機していた事が分かった。
学園生はカウンターでさっきカイトか使っていたコーヒーカップを洗っているジェームズに写真を見せつけていた。

「おやおや、久しぶりですねこの店にこんなに沢山の客が来るなんて嬉しい限りです♪」

「おい聞いてんのか!?こーゆー奴が来て無いかって聞いてんだよ!」

「はて?そうですね…まぁ、コーヒーでも飲んでリラックスしていってください」

「チッ…おい爺さん、隠しても無駄だぞこの店にこいつが入っていくのを通行人が見てるんだよさっさとそいつを出しやがれ!こんなクソみたいなコーヒーなんて必要ないんだよ!」

学園生は差し出されたコーヒーカップを跳ね除けるとコーヒーカップはコーヒーをこぼしながら地面に落とされて粉々になった。

「あーあ、俺知らね、お前ら後悔するぞ…」

「は?そこのウェイター何言ってんだよ?こんな爺さんに後悔するなんてありえないだろw」 

「ほう…」

ジェームズは指を指して煽り散らす学園生の手を掴みあげると掴んだ手を軸に学園生が空中で回転させて店の外に投げ飛ばした。

「そのコーヒーはお客様に美味しいコーヒーを飲んでもらう為だけに私が厳選に厳選を重ねて見つけたコーヒー豆で淹れたコーヒーだ…そのコーヒーをクソ扱いとなると…」

ジェームズは穏やかな笑顔が見えなかったがエプロンを外してカウンターに置いていくのはカイトからは見えた。
蝶ネクタイを外して首元を楽にさせながらジェームズは声色を変えて恫喝した。

「貴様ら…余程死にたいようだな…」

ジェームズが店の外に出ると外からは悲鳴やらが聞こえてくるが気のせいだろう。
その後、3分を切るか切らない位の時間だったろう、ジェームズが外から店内に戻ってくると先程と同じようにエプロンを着けてさっきのコーヒーと特製のシフォンケーキをご馳走してくれた。

「ね?言ったでしょ?ジェームズさんを怒らすと後悔するって」

「そういえば、あの人シズカの執事と護衛も任せられてたな」

「いやいや、私は今ではご老体ですよ?カイト様こそシズカお嬢様に振り回されているのでは?」

「あぁ、ジェームズからも言ってくれよ」

「そ、それはちょっと…私は執事なので鈴木様ならいいのではないのでしょうか?」

「えっ!?ちょっとカイトさーんそんな冗談はやめてくださいよー♪それよりもさっきの件をどうにかしましょうよ」

「「冗談じゃないぞ(ですよ?)」」

苦笑いで話題を変える鈴木に聞こえないように舌打ちをしながら話は進んでいった。

「そういえば、カイトさんって誰を護衛してるんですか?」

「あー、姫咲アリスって言う…」

カイトが話し終える前に何かを思い出したのか鈴木は手持ちのパソコンで調べ終わっていた。

「あの…カイトさん…とんでもない人を護衛してますね…」

「どれどれ…ほぅ、これ程の…」

「ん?見せてくれ」

そこに映し出されていたのは世界各国での産業にも対応している大企業の社長だった。
そしてその会社の名前には姫咲と言う文字があるので間違いないだろうが…。

「ここまでの奴だったのかよ…てか国からのサポートまで受けているなんてなぁ…」

「そのようですね、今はあの写真の学生についてさっき倒れてしまった人達に聞くのはどうでしょうか?」

「いいね♪」

ある程度の話し合いが終わって外に放り出されていた学園生達一人一人に話を聞くことにした。

「なぁ、この写真の男知らない?」

「は?知るかよ、てかそう簡単に言うわけ無いだろうが」

「そりゃ、そうでしょ…簡単に口を割る訳…」

「そっか…」(バキッ)

そう言い残すとカイトはその学園生の顔に一発拳を入れ込むとその学園生を地面に寝かせた。

「やっぱり、殴って聞いた方が早い」

「えぇ…」

その後、殴りに殴っていきそいつの居場所といつもの集合場所など色々な情報を得た代償に店前にはフルボッコにされた学園生が山になっていた。



「はぁ…カイトってほんとどこにいるのー、これだけ探しても見つからないなんて学園外にでも行ったのかな?」

「んー、分からないなぁ…」

「そりゃ、そうだよ場所なんて…」

「違う違う、ユリちゃんが思ったのはなんでカイトは戦闘用の服を持っていったのかなぁーって」

「そんなのカッコをつけるだけだよ!だっていつもカッコいいような変な服装だし!」

アリスは今カイトがいないため好き勝手に言うがユリは冷静に考えていた。

「そうかな?ユリちゃんだけが知っているんだけどカイトは必要な時だけ戦闘用の服を着ていくんだよ?昔っからそうだったから」

「えっ、それじゃあ…」

何かを悟ったのかアリスは嬉しそうといえばいいのか変な顔をして慌て始めた。

「そーゆー事になるね♪なら早めにその真犯人の場所を聞かないとね♪」

笑顔のユリは慌てているアリスの手を掴んで廊下を走り出して生徒会室へと向かっていた。

「おや?これはまた珍しいお客さんだね♪まぁ、とても怖い子がいるけど気にしないで♪」

「あっ、お茶とかいらないからユリちゃんはカイトの場所を知りたいだけだし」

「まぁまぁ、そんな事言わずに…」

椅子に座っている冷斗は二人分のカップを持ってこようとすると確信を持ったようにユリが口を開いた。

「ねぇ、なんで話をはぐらかすの?何か言いたくない事でもあるのかな?」

「そ、そうです!カイトくんはどこに行ったんですか?」

「…い、いやー、僕がカイトくんに真犯人の写真を見せた事なんて知らないなぁ〜そして、学園都市の裏路地に集合場所としている事なんて知らないし言えないなぁ〜」

慌てて本当の事を言った冷斗の話を聞いた二人はすぐさま生徒会室から出て行った。

「会長…もういないです…それよりも背後にいる恐怖から逃げなくていいんですか?」

「ん?何か言った?」

「会長♪最近新しいお茶を作ってきたので試しに飲んでもらってもいいですよね?」

「えっと…」

冷や汗をかきながら葵の方を向きながら資料などを作っていた。

「ね?いいですよね?そして、会長はカイトさんの身の安全が最優先ではないのですか?」

いつもと同じく冷静な判断をする葵は冷斗に向かって質問し続ける。

「彼は私自身が戦って分かったのですが、カイトさんは…」

「んー、まぁ、カイトくんの安全も大切だけどねもっと大切な事があるんだよね♪だから葵ちゃんはお留守番ね」

「…もっと大切な事ってなんですか?」

不思議そうに葵が首を傾げると冷斗はいつもと同じように笑い掛けた。

「まぁ、それは置いておいて、もうすぐ僕も行かないとね♪」

「あれ?何処か行くんっすか?」

いつもの冷斗とは違い真剣な顔つきで椅子から立ち上がった。

「うーん少し用事を思い出したからさ少し行ってくるよ♪」

そう言い残すと冷斗は生徒会室から出て行った。
葵は冷斗の考えを汲み取れなかったので冷斗の後についていこうとするが…。

「…葵さん、行かない方がいいですよ」

だが、風丸だけは冷斗の思惑を感づいたのかやれやれとため息をつきながら自分には関係ないと思い携帯ゲームをしていた。

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