学園内の最低ランクの学生がこの世の悪を成敗するそうです。(仮)

怪盗80

第12話:主人公には覚悟が足りないそうです。

カイトの前にいた銀髪の女の子、夜桜燐が恍惚とした目でカイトを見ていた。
右手には日本刀のような形の水のように透き通るような刃を持つ刀を持っていた。

「お前…なんで居るんだ!お前はあの時に俺が重傷を負わせた筈だ!」

「あー、確かにそんな事もあったね、でもね、私はカイトに会うためにここまで来たのに…酷いなぁ…」

燐は昔の事を思い出させる様に話しかけていた。

「てめぇ…何が目的だ!」

「私の目的なんて一つしかないよ、カイト…もう一度やり直そ?カイトだってわかっているでしょ?私達はみんなカイトが戻ってくるのを待ってるよ?」

燐は優しく微笑みながらコツコツとカイトに向かって歩き出した。
カイトはその場を動かずに燐の目見ている。

「俺はもうあんな事はしたくないんだ、断らせてもらう」

「そんなの気にしなくていいよ、カイトが嫌な事は私がやるから、それにそのマフラーまだ付けているんだね…まだあの子の事を考えているの?」

だんだんと距離を詰めてきている燐。
燐がカイトの一歩手前のところに足を置いた時、燐が右手に持っている刀を振りかぶり勢いよく振り下ろした。
カイトは黒鎖の手袋を使い鎖を操り防御の姿勢をとった。

「アイツの事はお前に関係ないだろうが!」
(キンッ)
ギリギリと鎖と刀は接触し火花が飛び散った。
そしてカイトは鎖で燐の刀を受け止めていた。

「おい、その刀…古代武装か…」

「うん、そうだよ、カイトのそれとは違ってね」

両者後方に飛び、笑顔のまま燐は右手に持っている刀の剣先をカイトに向けた。

「古代武装:心刀、この刀はね、使用者の思いの強さがこの刀の力になるんだ〜」

「ならお前の思いってなんだよ」

「それはね…」

燐が言おうとした時に後方から燐の目の前の地面に向かって数発の銃弾が撃ち込まれた。

「くっ…あーあ、邪魔が入っちゃったなぁ…それじゃまた今度にしよっかな?じゃーねー」

燐は刀を鞘に納めてポケットから何かを取り出して地面に叩きつけると煙が焚かれて煙が晴れる頃には何処かへ行ってしまった。

「…くそっ!」 

カイトは地面に勢いよく拳を叩きつけた。

「カイト!大丈夫か!?」

シズカとアリスが走って練習場へと到着した。

「シズカ…すまん…」

「いや、お前が大丈夫なら安心した、それよりも何があったんだこの現状…」

シズカは周りの木が斬り倒されているのを見てカイトへ質問した。

「燐だ、あいつが燐が生きていやがった。しかも、古代武装を持っているなんて…」

シズカはカイトの言葉を聞き最初は驚いたがすぐさま落ち着き直し。

「そうか…でもお前のおかげでアリスにも怪我が無かったんだ、それに今回は被害が出てないから私達の勝ちと言ってもいい」

シズカはカイトへ手を差し出した。
カイトはシズカの手を取り立ち上がった。

「お前が撃ってくれなきゃ燐は逃げなかっただろうしありがとな」

「なんの事だ?私は銃なんて撃ってないぞ?」

「は?嘘つかないでくれよ、ほらこの銃弾お前だろ?」

カイトは地面に撃ち込まれた弾丸を取り出しシズカに見せた。

「だから、違うってんだろ!てかこの銃弾…やけに冷たく無いか?」

シズカが銃弾をカイトの手から取ると触ったりした。

「そうか?まぁ、それよりもアリスが無事で良かった」

「う、うん、カイトこそ大丈夫?それにあの人って一体…」

カイトは重々しく息を吐き頭を下ろして話し始めた。
まるで憎しみを抑えるように。

「あいつは夜桜燐、俺の…昔の友人であり…俺の家族と、俺の友人その他数10人の人を殺した張本人だ…」

「えっ…」

アリスは口を手で塞ぎこんだ。
シズカが頭を下ろしているカイトに変わって話を続けた。

「燐は元々優しい女の子だった、カイトは自分の家族と友人を殺した張本人を探す為に裏の組織デリートに入っていた、デリートには親に捨てられた子供や虐待された子供達が腐った社会に反抗する為に作った組織らしい、そしてある日を境に自分の家族と友人を殺した張本人が燐と言う事が分かるとすぐさまデリートを抜けた。
そして当時、特殊部隊の上官である私の元へと訪ねてきたんだ。
元々カイトはデリートの奴らが影でやっている事が気に食わなかったみたいだしな」

シズカがアリスに向かってカイトの生い立ちを話した。
アリスは悲しさから口を手で塞いだまま俯いた。

「そ、そんなの…酷すぎるよ、カ、カイトは親を殺されて、友達も殺されて血縁者もいないなんて…それに友人の一人が殺人者なんて…そんなのあまりにも…」

アリスは手が震えながらも俯いたままのカイトへ近づいていく。

「やめてくれ、今日はもう帰る…」

カイトは手が震えたままコツコツと歩いていき、その場を後にした。


結局夕方の燐の襲撃の理由も分からないまま夜を迎えた。 

「…くそッ…」

(トントン)
誰かが俺の部屋の扉を叩いた。
カイトは恐る恐る扉を開けるとそこには…
「やぁ、カイトくん♪今朝ぶりだね♪」

「お前…なんで…」

部屋にいたのはこの学園の生徒会長である冷斗がにこやかな笑顔でいた。

「もうー、せっかくいい情報を教えてあげようとしたのに」

「すまない、今日は帰ってくれ…疲れているんだ」 

「ほぅ、そっかー、それじゃあ…おやすみカイトくん♪」

冷斗は扉をゆったり閉めるとすぐに玄関から玄関のドアを開ける音がした。
冷斗は帰ったのだろう。
だけどなんだかもう眠い…


夕立が綺麗な野原の中で俺は走っていた。
この風景は俺の故郷の野原に似ている。

「カイトー、こっちに来なよー♪早くしないと置いて行っちゃうよー」

「そうだぞ!早くこっちに来いよ!」

「は、早い…ちょ、ちょっと待って…」

(あれ?なんで小さいんだ?それに俺の名前を…そっか、これは夢なんだ…)
銀髪の女の子と薄い茶髪の男の子が俺の方を向いて。

「カイト…私達って友達だよね?」

「友達なら、俺達と一緒に…」

「「世界を作り直そうよ」」

ガバッ!とベッドから飛び起きるとそこにはいつもどおりの自分の部屋だった。
「はぁ…はぁ…」

時計を見ると時刻は7時15分、いつもなら起きてご飯を作っている時間。

「なんて夢見てんだよ…俺…」

「おーい!カイトー、ご飯ー!」

アカリがカイトの部屋の扉を勢いよく開ける。

「ちょ、ちょっと、アカリちゃん!まだカイトくんが寝てるでしょ?それに勝手に開けちゃって大丈夫なの?」

小町がカイトの部屋に入っていくアカリを制止させようとするがアカリはズカズカとカイトの部屋へと入っていった。

「お、おい…お前大丈夫かよ、すごい汗だぞ…」

アカリはカイトの汗の量に心配そうに話しかけた。

「あぁ、大丈夫、大丈夫だから心配しないでくれ」

カイトがそう言うとアカリはそそくさと退散していき、小町が代わりに入ってきた。

「あの、カイトくん…もしかして昨日の事で何か怪我とかしたの?」

「大丈夫、心配しないでくれよ!さーてと、よし!ご飯を作るかー」

小町は心配そうな顔をしてカイトを見ていた。
ご飯を作り終わったところでアリスが寮を訪ねてきた。 

「カイトー、シズカ理事長が私達を呼んでいたよー、ほら行くよ!」

「は?なんだよ一体…」

アリスが突然言い出すとカイトの後ろに突然シズカが現れた。

「そーゆー事だからほら行くぞ」

「「えっ!?」」

アリスとカイトが声をシンクロさせた頃には学園長室へと到着していた。

「おい、突然テレポート紛いな事するなよ…全く…」

「えっ、なんで!さっきまでカイトの寮だったのに!」

アリスが驚いているところでシズカがソファーに座りながらカイトに向かって話し始めた。

「あのさぁー、カイトお前…悩んでいるんじゃねぇよ!確かにお前の気持ちは分かるけど」

カイトは俯いながらシズカの話を聞いていた。

「分かっている、分かっているからこそ無理なんだよ…」

カイトはシズカの胸ぐらを掴んで殺気を漂わせていた。
シズカはキョトンとしているアリスに気がつき二人をソファーに座らせた。

「まぁ、落ち着け、お前に話しておきたい事があるんだよ…」

そう言うとシズカは金庫から鈍い色を放つ弓を取り出した。

「この弓なんだが、古代武装なんだよ、カイト一回触ってみてくれ」

シズカの指示通りに弓に触るが何も起きない。

「なんもおきないな…だって俺はもう適応している古代武装があるからなそれにお前は論外だしな」

「悪かったな!適応できなくて!んー、前にお前らがこの部屋に来た時に何故か反応したんだよ、アレは一体何だったんだよ…」

シズカが残念そうに肩を落としているとアリスが口を開いた。

「あ、あの、その弓って何ですか?一見、錆びた弓みたいですけど…」

「これは古代武装:天穿つ剛弓ってな、名前の通りに天を穿つ程の力を持っているらしいんだけども…」

アリスはその弓をまじまじと見て興味深そうに見ていた。
そして触ろうとしたらカイトがすぐさまアリスの手を掴んで離させた。

「馬鹿野郎!お前!もしも適応が出来なくて拒絶反応を起こしたら手が使えなくなる事もあるんだぞ…」

「えっ、でも触っちゃった…」

カイトはすぐに掴んでいるアリス手を見てから弓の方を見た。
弓は何の変化もなくただそこに置いてあっただけだった。

「どうせ、勘違いだろう、何も変化が起きてないんだ大丈夫だろう」

シズカは静かにアリスの手を見ていながらも弓の方を手に取り、大事そうに袋に入れてアリスに渡した。

「えっ?何ですか?」

「まぁ、持っておけアリス、お前の武器がこの前の襲撃で壊れたんだろ?なら尚更持っておいた方がいい」

シズカは真剣な顔つきでアリスの目を見て話し出した。
その顔はまるで何かを期待しているような顔だった。

「は、はい!あっ、それでは私はこの辺で…」

アリスが理事長室から出るとカイトはシズカへ。

「あいつ、まさかな…」

「いや?そのまさかが当たるかもよw」

「「あははは…」」

カイトとシズカは笑い出した。
数十秒続いたらカイトがシズカの胸ぐらを掴んだ。

「シズカ、本気で言ってんのか!?」

「何回も胸倉を掴むなよ…胸に手が当たるだろ…あぁ、本気だよ、明らかに反応していたからな」

カイトは顔を手で隠し困ったような仕草を取り。

「…アリスと一緒に帰る」

「素直じゃないなぁ♪」



「でもこんなに錆びた弓どうすればつかえるのかな?」

アリスは理事長室から帰る途中でもシズカから貰ったあの弓の事をかんがえていた。

「まぁ、せっかくの貰い物だし大事にしないとね」

「あっれー?こんな所で会うなんて偶然だよねー、アリスさん♪」

アリスの目の前に立っていたのはカイトがボッコボッコにした金髪の女子だった。
足のところどころにはカイトが攻撃した跡が残っていた。

「あの、何ですか…私早く帰らないといけないんで…失礼します」

「まぁ、まぁ、待ちなよそこまで時間は取らないしさ…アリスさんが持っているそれ何?」

金髪の女子はアリスの肩に掛かっていた弓が気になったのかアリスに質問した。

「あっ、これは私の新しい武器です、じゃあ…」

「待てよ、ねぇ、その弓を私に頂戴、だってアリスが使ったってまともに使えないでしょ?」

金髪の女子はジリジリとアリスの方へと近づいていく。
アリスは後退りしながら相手の目を見ていた。

「い、嫌…これはせっかく貰った大事な物だから絶対に嫌!」

「五月蝿いんだよ!カイトとか言う変な味方から貰ったんだろ?あんな変な奴を味方に付けて楽しいか?なぁ!」

金髪の女子がアリスを押し倒した。
金髪の女子は地面に落ちた袋から弓を取り出した。

「あはっ、あの変な奴からの貰い物ならさぞかし強い武器なんだろうね」

「や、やめて…それは大事な…」

金髪は笑いながら弓を右手で取り出したが…

「?なんだこの錆びた弓…!?こんな錆びてたら使えないじゃん…あ、熱い!」

「…?」

金髪は弓を投げ出すと自分の右手を抑えた。

「!?な、なんなんだよ!その弓!なんで触ろうとしたら熱くて触れないしどうなってんだよ!」

金髪の女子はオロオロと狼狽えている間にカイトがその場に到着した。

「お前…」

カイトを見た金髪の女子はすぐさま逃げ出した。

「大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ」

アリスはカイトの顔を見て微笑みながら立ち上がった。
アリスは地面に落ちていた弓を拾い上げる
と。

「お前…触れるのか?」

「う、うん…」
アリスの手を見てみたが反応は無い。
カイトは現状ではわからないのでそのままにしておくことにした。
そして寮へと帰る途中。

「あのさ、カイトのその手袋が適応?した時ってどんな事を思っていたの?」

アリスは歩きながらカイトに質問した。

「…ただアイツを殺したい、それだけだったよ、殺すために力が欲しい、負けないような力をって思っていた」

「そっか…でもそれだとなんか違うと思う!だってカイトはそんな事を考える訳ないでしょ?」

カイトはアリスの馬鹿で突飛な意見に対して自分の考えていた事が深く心に響いた。

「そうか…でも俺は優しくもない、ただの復讐に魂を売った人だ…」

「違う!!!カイトは優しい!絶対に!そんな復讐だけに身を捧げた人ならカイトは絶対に私と一緒にペアなんて組まない!だから!」

「…はぁ…それ以上話すな…黙ってくれ…」

嫌味を覚えたカイトはアリスの口から出てくる言葉を遮るように脅した。
しかしその言葉は少し震えながら。

「黙らない!!」

「黙ってくれ…」

「…カイトは…優しいんだよ!だって…あの時…最初に会った日の時!優しくないのにどうしてあの子を助けたの?」

「……」

「多分…カイトは体が勝手に動いたんじゃないの?しかも私の手の事も気を使ってくれた!あとは…あとは…」

慌てながら自分の優しい所をどんどん言っていくアリスを見てだんだん可笑しくなってきた。

「…そうかもな…」

「えっ?何か言った?絶対にそうかもなって言った!言ったよね!」

「さぁな?じゃ、俺は帰るから」

カイトはフッと笑いながら走り出すとさっきの言葉が気になっているアリスはカイトの後を追うように走り出した。


「いやー、カイトくんが元気になって良かったよ、僕の計画に支障をきたすからね」

冷斗は生徒会室のソファーに座りながらある資料に目を通していた。

「それじゃ、そろそろ僕も動こうかな?」

冷斗は腰に巻いていたホルスターから深い青色の銃を取り出した。

「この絶対零度の弾丸アブソリュートゼロ・バレッドでね」

冷斗の笑いが生徒会室に響き渡った。

「会長…ついに頭がおかしくなったんですか?そのまえに仕事をしてください」

「………泣くよ」

「泣いていいですから早く仕事してください」

冷斗は4時間葵に監視されて仕事を終わらせた。


「あー、くそっ!腹が立つ…なんであいつが私より強くなってんだよ…」

金髪は自分の寮へ帰っている途中にローブを被った銀髪の女に話しかけられた。

「ねぇ、あなた、力が欲しいの?」

「?…あんた誰?」

銀髪の女は薄く笑っていた。
その笑顔には畏怖すら覚えるくらい。

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