学園内の最低ランクの学生がこの世の悪を成敗するそうです。(仮)

怪盗80

第9話:主人公はとても良い人ではないみたいです。

ドームの中へと入った俺たちはすぐさま他の生徒達に囲まれていた。

「いやー、カイトくんはランクバトルはまだした事ないよね?」

「あぁ、この前の以外では...」

「君!荒川カイトくんだよね!今度僕達のチームに!」

「いやいや、俺達のチームに入らないか?こんなガリ勉野郎のチームより楽しいぜ!」

「ちょっと!荒川くんは私達のチームに入るんだって!」

俺は周りの先輩生徒達からガヤガヤ色々なチームへの勧誘にあっていた。カイトが周りの生徒に取り囲まれて見えなくなっていた。

「ちょっと、退いてくれない?俺は今忙しいんだ。」

そんな事を聞かずにザワザワと集まってくる生徒達に苛立ちを見せていた時、

「邪魔だなぁ...そこ退いてくれないかな?」

いつもは目元が髪で隠れていて見えない冷斗が冷たい目線が髪の間から見え隠れして笑いながら俺の近くにいる生徒達の前にコツコツと歩いてきた。冷斗が歩くにつれ周りにいた生徒達全員が顔を青ざめてすぐに後ろへ去っていった。

「大丈夫かい?カイトくん。」

「あぁ、大丈夫だけど...」

カイトは冷斗が差し出した手を取り立ち上がると冷斗はいつもの様に笑いながら立っていた。



「いやー、シズカ学園長もすごい事をするね、でも僕は出場すら出来ないかもだけどね...」

「そうか、残念だったな」

俺達二人がドームの中を歩いていると前方から金髪で何処かで見覚えのある女子生徒が走ってきた。

「カイト!やっと見つけたー!!」

アリスが全速力で走りながらこちらへ向かっていた。 

「ヤベェ...あいつまだ諦めてないのかよ...」

「そうみたいだね...」

冷斗はアリスの全力疾走を見た瞬間に顔を強張らせてその場に立っていた。

「捕まえた!もう逃がさないよ!さぁ、私とペアを組んでもらおうか!」

「断る!てかお前はまだ諦めてなかったのか!」

アリスはカイトの背後に回り込み羽交い締めをしていた。

「ちょっと、離してくれよ!」

「いーやーだー!いいと言うまで離さないからね!」

そんな茶番をしている俺達二人に冷斗は苦笑いをしながら。 

「アリスさん、その状態だとカイトくんの背中に胸が当たっているんじゃ...」

「ちょっ!痛い痛い!急に関節技に切り替えるな!捥げる!腕が捥げるから!」

アリスは顔を赤くしてカイトに関節技を決めて動けなくしている。

「あーもう、分かった分かった、取り敢えず離してくれ...」

そう言うとアリスは関節技を解きそのままワクワクとカイトの方を向いている。

「お前と...」

「おっ?アリスじゃ〜ん、どうしたの?そんなランクDの転校生をペアにするの?うわっ、絶対に弱いじゃん!」

俺達3人の話に入り込んだのは俺達のクラスメイトだった筈の女子と男子だった。

「別に弱いとか弱くないとか関係ないでしょ?それにカイトはすごく強いんだよ!ランクBの先輩に勝ったんだから!」

「そこにいる地味な転校生が強いとは思わないけどねぇ〜どうせ、ランクBに勝ったなんてまぐれか嘘でしょ?w」

アリスはカイトを馬鹿にする様な発言をした生徒達に反論していた。

「もしもランクBにまぐれで勝った転校生なんて私達ランクCに敵うわけないじゃん!こんなボロボロなマフラーを付けている転校生がさ!」

金髪はカイトのマフラーを掴もうとしたが、女子の手をカイトは反射的に掴み。

「やめろ…」(ボソッ)

金髪の女子はカイトが言った言葉に驚いたのか、すぐにカイトを手で押しのけて。

「あ、あれ?わ、私そんな押してないのに尻もちをついちゃうなんて大丈夫〜?w」

金髪は声を震わせながら煽ってくるが、

「カイト!大丈夫?」

アリスは心配をしてすぐに手を出してくれたがカイトはその手を握らず立ち上がった。

「大丈夫...」

「と、とにかく、私達は貴女達より強いのは分かりきっているし楽しみだわー」

「おい、待てよ...」

金髪は声を震わせながらカイトの言葉に反応しその場から逃げようと慌てていた。

「な、何?私達練習をしたいんだけど?もしかして私が貴方を押した事怒っていたの?」

「いや?押した事については怒ってもない、それよりもさ練習するんだよな、俺達二人でお前らの練習相手になってやるよ」

「は?何言ってんだこいつ、絶対に負けるのにか?」

男子の方からの煽りが聞こえるがそんな事は気にせずに、

「負けるかどうかは関係ないだろ、どうだ?悪くは無いと思うんだけど?お前達の強さを知りたいんだ、ランクCのお二人さん?」

「や、やってやるよ!」

「えっ、カイトくん?なんで突然...」

アリスは疑問に思った事をカイトの顔を見てすぐさま理解した。
(カイトくん...なんかすごい怒ってる、顔には出てないけどいつもとなんか違う...なんかこう…静かに怒っているような…)

「おい、お前は誰とペアなんだよ、もしかしてそこにいるアリスか?やめておけよw足手まといだしw」 

「…アリスとペアを組む、何か問題があるか?」

カイトは目の前にいる二人に向かってまっすぐ目を向けていた。
二人の生徒はポカンと口を開いて、その逆に冷斗は和かに笑っていた。

「それじゃ、せめて準備くらいさせてくれよ、俺転校してから始めてだしさ、いいよな?」

「あ、あぁ...」

二人の内黒髪の生徒が口を開いた。

「おし、アリス行くぞ、準備をしないとな。」

「ちょ、ちょっと!」

カイトは近くのベンチに座り、そのまま持ってきていたグローブをはめて準備体操をしていた。

「ねぇ、なんで突然私とペアを組んだの?
あんなに嫌がっていたのに。」

「ん?ただ俺の気分が変わっただけだよ、それ以外何もない。」

「カイトくーん、なんでいきなりバトルしようとするの、全く...僕が代わりのペアになろうとしてたのに。」

すぐに冷斗がベンチに来てくれたのだが、いつもより冷斗が笑っているように思えた。

「すまねぇ、なんか気分が変わってな、早めに終わらすから許せ」

「了解〜♪でも怪我はさせちゃダメだよー。」

「...善処する」

カイトは首に巻いてあるマフラーを、大事そうに口元へ持っていき力を抜いた。
「ねぇ、カイトくん?」

「ん?なんだ?」

「いや、なんでもない♪」

アリスは笑顔になりながらカイトの顔を見て笑っていた。

「そういえば、アリスはどんな武器を使えるんだ?」

「ん?弓だよ、カイトくんのサポートなら任せてね!」

アリスは銀色の弓を片手で持ち上げて可愛らしくウインクをするとカイトは落ち着きながら返した。
「…なら色々と頼むよ。」

「うん♪任せちゃってよ!泥船に乗った気分でさ!」

「…(心配だな)」

「あっ、今私の事を心配したでしょ?私だって結構強いんだよ!」

カイトは苦笑いをしアリスがカイトの体をポカポカと殴っていた。


「は?武器も無しで私達に挑むなんて練習でも馬鹿でしょ。」

そこには準備が出来たのだろう短剣と日本刀を持った金髪と黒髪の生徒がニヤニヤと笑いながらステージの上に立っていた。

「まぁ、練習だし多少は無茶をしたいしね。」

「カイトくーん、絶対に怪我だけはさせないでね〜」

カイトは手でグッドサインをして冷斗に見せつけた。

「は?怪我だけはさせないでねって何かおかしいだろw普通は怪我をしないでだろ?」

「いや、合っているさ、あいつは俺に対してお前達に怪我をさせないでねと言いたいんだろう」

カイトは呆れた様に顔に手を当てていた。

「はぁー?何言ってんだよ!てめぇは俺たちにボコボコにされるんだよ!」

「あっそう…なら始めよう…」

近くにいた冷斗が審判となり試合開始の合図が始まった。

「練習試合始め!」

「はっ!遠距離攻撃の弓を使うアリスより武器もないお前を狙った方が早いんだよ!」

黒髪と金髪の生徒達はアリスへ向かわずに
真っ直ぐカイトの方へと走り出し、日本刀と短剣で攻撃を仕掛けようとするが…

「カイト!危ない!」

アリスの弓から二本の矢が放たれ、
二本の矢は相手の二人ともの足元に刺さりすぐさま相手の二人は回避行動をした。

「やるじゃん…」

「どうよ!私の正確な射撃!」

「くそっ!作戦変更!先にアリスをやった方が良いんじゃね?」

「そうだね!あの鈍臭いアリスを狙った方が楽そうだ!」

相手の二人はアリスに向かって攻撃を仕掛けるが。

「アリス!後ろへ後退!」

カイトはアリスの方に行ったのを確認するとアリスに後退するように指示する。
指示を聞いたアリスはカイトの指示通りに後ろへ後退し
ゆっくりカイトは装備していた、古代武装アーティファクト黒鎖こくさ手袋グローブを使いアリスの立っていた場所から鎖を出してアリスへの金髪の短剣攻撃を鎖を操って短剣を鎖で破壊し、黒髪の方は黒髪の腕に鎖を巻き付けてこちら側へと引っ張り近くに寄せた所で黒髪の横腹に少しだけ異能で強化した前蹴りを打ち込んだ。

「ウグッ!」

「キャッ!」

黒髪は蹴りを受けた所を押さえて痛みに悶絶していた。
金髪の装備していた短剣は綺麗に折れ、刀身はほとんど無くなっており金髪はほとんど柄だけの短剣を持って立ちつくしていた。

「全く、あまり強くさせないでくれよ…」

「カ、カイト…」

アリスから驚きを隠せない声が出て、相手からは悲痛な叫びが聞こえた。

「な、なんでこんな奴に負けるんだよ!俺達はランクCだぞ!まぐれで勝てたランクDの奴になんて負けてたまるか!」

黒髪は痛みを耐えながらカイトへ向かって大声で叫んだ。

「そ、そうよ!私達ランクCはランクDなんて負けたら恥しかないんだ!」

金髪も折れた短剣を持って震えながら闘おうとしているが、カイトはそんな事は気にしないかの様に、

「はぁ…お前らさ、ランクだけ見ているから実力を舐めすぎていた…それがお前達の敗因だよ。このままランクだけ見ている様なら一生経っても俺には勝てないよ…」

カイトは冷酷に相手に向かって言い放ち、冷斗に向かって、

「相手はもう戦闘不能だ、これで良いんだろ?」

「うん♪勝者、カイト.アリスペア!」

戦闘終了の合図がありカイトとアリスは金髪と黒髪に勝てた。

「やったね、カイト!」

正面から抱きつこうとするアリスを避けてカイトは笑いながら。

「少し相手と話をしてくるよ♪」

カイトは金髪の方へと歩き出し立ち尽くしている金髪の耳元で、

「お前、次俺のマフラーを馬鹿にしたり、アリスに変な事を言ってみろ、次は本気でってやるから覚悟しておけ…」

「は、はぃ…」

金髪は囁かれた言葉を聞き足と歯をガタガタと震わせ我慢の限界が来たのだろうかヘナっと座り込んでいた。



「あーあ、カイトくんに友達が出来たのかー、酷いなぁ私っていう親友がいるのに無視するなんて」

カイト達が戦ったドームの観客席で座っていた銀髪の生徒が口に出した、

「でもね、君と私は逃れなれない運命・・で繋がっているんだから。いつかは一緒に殺れるよね、荒川くん…いや、荒川カイト♪」

銀髪の女子は夕日に照らされている銀髪を搔き上げて帯刀している刀を抜いた。
その刀は冷水に触ったような冷たさを感じさせる感覚と、純粋な恐怖が刻まれていた。

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