皇国の守護神・青の一族 ~混族という蔑称で呼ばれる男から始まる伝説~
近衛兵のシルフ達 第一部隊、討伐完了
第一部隊は向かって左の巨大な魚の形をした魔族へ、第六と第二、第三は右の同じ姿の魔族に、それぞれ高速飛行で接近。
ギュールスは林の中で、左の魔族の正面に立つ位置で待機。
魚の種類は数多くある。
二体とも同じ種類。横から見ると、魚の体長はシルフ達の身長の六倍くらいの長さで、高さはシルフ達の身長の三倍くらい。
正面から見るとその体の幅は狭く、シルフ達の体の幅の三人分。しかしはらわたがあると思われる下の方は五人分ほど膨らんで、そこに重心があるように見える。
砂浜にはあまり沈まずにそれでも直立できているのは、彼らが魔力か何かを随時発生させているせいだろうか。
第一部隊は移動中にさっそく魔族討伐の作戦を実行した。
魔接近中、体調に異常をきたす魔術に長けたナルアとエリンが、麻痺や拘束の魔術でなるべく動きを抑える。
すると、魔族の体が砂地に沈み始める。
その魔法の効果ではなく、ケイナが魔族に何やら魔術をかけている様子。
正面から見た魔族の体の線に変化が生じている。はらわたの部分の幅がさらに広がる。
魔族に重さを加える効果があるようだ。
アイミとティルはその砂地に火炎系の魔法をかける。
熱によるダメージを、砂地に埋まって動けない体の部分に与えるため。
そしてメイファは魔族に雷撃を仕掛ける。
…… …… ……
「火炎魔法で砂地を熱くして、灼熱の砂浜の再現してみたらどう?」
「……私の自慢の雷撃の出番はないかなぁ」
「それはやめておけ。雷撃で肉体のダメージを与えるのは歓迎だが、生き物によっては成長を促すこともある」
「それなら私の出番はあるじゃない」
「今の私の話、聞いてたか?」
「良き者の成長でしょ? つまり体の変化なわけよ。成長し切った後も変化を起こすってことにならない?」
「あっ! 老化現象?」
「ふむ……だが巨体だぞ? 成長し切るほどの魔力はあるのか?」
「あ……うーん……」
「ふむ、いいセンまでいけたのに残念だったな。ならば加勢してやろう」
「え? 雷撃が得意だったっけ?」
「もちろん私にも加勢が必要だがな」
…… …… ……
メイファが魔族に雷撃を食らわせている。
魔族は砂地の熱さと雷撃で苦しむが、雷撃のせいか、魔族の体が少しずつ大きくなっていく。
エノーラはそれを見て、上空に向かって冷気を放出。
「ナルア! エリン! 手が空くようならお前達も私と同じ事をしろ!」
二人は何の目的で冷気を上空に向けて放出するのか分からない。
ただ、その先は遥か空高くに向けられているのは分かった。
「「り、了解です!」」
作戦実行も迅速を貴ぶ。
エノーラの手伝いをする形でしばらく放出される冷気が増強された。
しばらくして、空の様子が変わる。
「なんか、雲が出てきましたよ?」
「構わん、続けろ!」
その雲は黒い色になっていく。
すると突然発生したのは、轟音と共に魔族目掛けて炸裂する落雷。
その場にいる全員が耳を塞ぎたくなるほどの雷鳴は、空気の振動も伴った。
「ひっ」
思わず悲鳴を上げたのはギュールス。
離れた林の位置でも感電したようだ。
魔族はというと、体のあちこちがいびつに発達。
全体的に滑らかな流線形の体のフォルムに、不自然な凹凸が体中に現れた。
骨だけが異常に発達したり、ヒレが異常に伸びたりもする。
そしてやがて砂地から焼け焦げる臭いが発生する。
落雷の後、冷気を放出していたエノーラが、他の二人に物理的な攻撃を命じた。
魔族の体から突き抜けかかっている骨。その表面を中心に切りかかる。
エノーラはずば抜けた移動速度を活用して槍で攻撃。
ナルアは剣で。エリンは弓を使う。
他のシルフ達はそれぞれ魔術をかけつづける。
魔族の体のいびつな発達により、その目玉は体から追い出されるように砂地に落ちて焼け焦げていく。
もがこうにも拘束の効果で抵抗は出来ず、ケイナの魔術の効果によりさらに砂地にめり込んでいく。
そのまま続行してもこの一匹は退治完了。
しかし手間を取らずに討伐を完了させることを良しとするロワーナからの言葉も、誰もが忘れてはいなかった。
しびれから解放されたギュールスが、林から飛び出す。
「ヘンゲ、スピア!」
全身の形を大きな槍に変化させ、魔物の口に飛び込んでいった。
「ちょっ!」
「何?!」
誰もが予想できないギュールスの行動。
しかしそれは討伐に十分な効果をもたらした。
口から大きな槍が飛び込み、しっぽの方から出てくるその大きな槍は、元の姿のギュールスに戻る。
が、雷撃の中を潜ったためか、貫通した勢いは維持しているものの体は硬直しているのが分かる。
そのまま海中に落水。
ギュールスは第一部隊と、もう一方のグループでたまたま目を向けていた者達から、その格好悪い姿を目撃された。
その結果、その魔物は絶命。
もう一体は、三部隊が対処している最中であった。
ギュールスは林の中で、左の魔族の正面に立つ位置で待機。
魚の種類は数多くある。
二体とも同じ種類。横から見ると、魚の体長はシルフ達の身長の六倍くらいの長さで、高さはシルフ達の身長の三倍くらい。
正面から見るとその体の幅は狭く、シルフ達の体の幅の三人分。しかしはらわたがあると思われる下の方は五人分ほど膨らんで、そこに重心があるように見える。
砂浜にはあまり沈まずにそれでも直立できているのは、彼らが魔力か何かを随時発生させているせいだろうか。
第一部隊は移動中にさっそく魔族討伐の作戦を実行した。
魔接近中、体調に異常をきたす魔術に長けたナルアとエリンが、麻痺や拘束の魔術でなるべく動きを抑える。
すると、魔族の体が砂地に沈み始める。
その魔法の効果ではなく、ケイナが魔族に何やら魔術をかけている様子。
正面から見た魔族の体の線に変化が生じている。はらわたの部分の幅がさらに広がる。
魔族に重さを加える効果があるようだ。
アイミとティルはその砂地に火炎系の魔法をかける。
熱によるダメージを、砂地に埋まって動けない体の部分に与えるため。
そしてメイファは魔族に雷撃を仕掛ける。
…… …… ……
「火炎魔法で砂地を熱くして、灼熱の砂浜の再現してみたらどう?」
「……私の自慢の雷撃の出番はないかなぁ」
「それはやめておけ。雷撃で肉体のダメージを与えるのは歓迎だが、生き物によっては成長を促すこともある」
「それなら私の出番はあるじゃない」
「今の私の話、聞いてたか?」
「良き者の成長でしょ? つまり体の変化なわけよ。成長し切った後も変化を起こすってことにならない?」
「あっ! 老化現象?」
「ふむ……だが巨体だぞ? 成長し切るほどの魔力はあるのか?」
「あ……うーん……」
「ふむ、いいセンまでいけたのに残念だったな。ならば加勢してやろう」
「え? 雷撃が得意だったっけ?」
「もちろん私にも加勢が必要だがな」
…… …… ……
メイファが魔族に雷撃を食らわせている。
魔族は砂地の熱さと雷撃で苦しむが、雷撃のせいか、魔族の体が少しずつ大きくなっていく。
エノーラはそれを見て、上空に向かって冷気を放出。
「ナルア! エリン! 手が空くようならお前達も私と同じ事をしろ!」
二人は何の目的で冷気を上空に向けて放出するのか分からない。
ただ、その先は遥か空高くに向けられているのは分かった。
「「り、了解です!」」
作戦実行も迅速を貴ぶ。
エノーラの手伝いをする形でしばらく放出される冷気が増強された。
しばらくして、空の様子が変わる。
「なんか、雲が出てきましたよ?」
「構わん、続けろ!」
その雲は黒い色になっていく。
すると突然発生したのは、轟音と共に魔族目掛けて炸裂する落雷。
その場にいる全員が耳を塞ぎたくなるほどの雷鳴は、空気の振動も伴った。
「ひっ」
思わず悲鳴を上げたのはギュールス。
離れた林の位置でも感電したようだ。
魔族はというと、体のあちこちがいびつに発達。
全体的に滑らかな流線形の体のフォルムに、不自然な凹凸が体中に現れた。
骨だけが異常に発達したり、ヒレが異常に伸びたりもする。
そしてやがて砂地から焼け焦げる臭いが発生する。
落雷の後、冷気を放出していたエノーラが、他の二人に物理的な攻撃を命じた。
魔族の体から突き抜けかかっている骨。その表面を中心に切りかかる。
エノーラはずば抜けた移動速度を活用して槍で攻撃。
ナルアは剣で。エリンは弓を使う。
他のシルフ達はそれぞれ魔術をかけつづける。
魔族の体のいびつな発達により、その目玉は体から追い出されるように砂地に落ちて焼け焦げていく。
もがこうにも拘束の効果で抵抗は出来ず、ケイナの魔術の効果によりさらに砂地にめり込んでいく。
そのまま続行してもこの一匹は退治完了。
しかし手間を取らずに討伐を完了させることを良しとするロワーナからの言葉も、誰もが忘れてはいなかった。
しびれから解放されたギュールスが、林から飛び出す。
「ヘンゲ、スピア!」
全身の形を大きな槍に変化させ、魔物の口に飛び込んでいった。
「ちょっ!」
「何?!」
誰もが予想できないギュールスの行動。
しかしそれは討伐に十分な効果をもたらした。
口から大きな槍が飛び込み、しっぽの方から出てくるその大きな槍は、元の姿のギュールスに戻る。
が、雷撃の中を潜ったためか、貫通した勢いは維持しているものの体は硬直しているのが分かる。
そのまま海中に落水。
ギュールスは第一部隊と、もう一方のグループでたまたま目を向けていた者達から、その格好悪い姿を目撃された。
その結果、その魔物は絶命。
もう一体は、三部隊が対処している最中であった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
4
-
-
93
-
-
34
-
-
3087
-
-
4
-
-
1978
-
-
35
-
-
149
-
-
111
コメント