声の神に顔はいらない。
211 女の友情なんて紙より薄い
「あがああああああ! があああああああ!!」
「うわっ!? きゃっ!?」
閉じた扉に向かって静川秋華が進み出す。私の事を押し倒して、更に私の体を踏みつけて一直線に進むものだから痛くてかなわない。どうやら静川秋華には私が見えて無いらしい。彼女の瞳に今映ってるのは先生だけだ。けど今の叫びは必死だからと言って女性が出して良い物じゃなかったよね。完全に理性吹っ切れてない? 野生の獣のような叫びだったよ。
「いつつ……」
私は体のあちこちに痛みを感じながらも起き上がる。何でこんなに負傷しないといけないのか……はっきり言って意味がわからない。ただ私は連れられてきただけなのに……静川秋華は再びドアを叩いてる。叩く度にドアがきしむほどの力を込めて腕をぶつけてる。こっちから見ると本当に腕であのパワーを出してたんだって事がわかってしまって、この目で直接見てるのになんか信じれない。
「ん?」
何かがピッと飛んで来た。頬についたそれを拭うと、赤い染みになった。
(これって……なに?)
「うわっ!?」
更に次々と何かが私に飛んでくる。私は思わず腕で顔を覆った。そして気付く……廊下とかにもそれは飛び散ってる。その赤い滴が……
「はっ!」
私はドアをめちゃくちゃ叩いてる静川秋華をみる。しっかりと見る。その腕は青いというか……紫になって皮膚の至る所から血が飛び散ってた。あんなの絶対に痛くないわけない……なのに静川秋華はそんなの全然感じてなんか無いかのように叩き続けてる。そこまで……なの? 誰かに恋をするってこういうことなの?
「止めて! それ以上はダメ! 怪我してるよ!!」
私は全力で後ろから静川秋華に抱きついて押さえ込みに掛かる。けどさっきタックルかましたときは本当にたまたま奇跡のタイミングだっただけのようだ。静川秋華は大きく体を捻って私の骨張った体を引き剥がす。そもそも私の体は軽すぎるのかも……でもこのままじゃ更に静川秋華の怪我は悪化していく。最悪折れるかも知れないし、今でもヒビくらい入ってるんじゃないだろうか?
「ダメ! 私はもうこっちに居るんだよ! 先生は一人なの!! 何も起きないから落ち着いて!」
「うるさい!! やっとで会えたんだ!! ずっとずっと我慢してた!! だから今日は逃がさない!!」
ドアの向こうの部屋から今の静川秋華の台詞を聞いて「ひっ」てな声が聞こえた。先生……ごめんなさい。静川秋華に好かれるなんて男としては良い事じゃん……とか思ってて。これはヤバい……マジでヤバい奴だよ。きっとこのままでは静川秋華は先生を襲うまで止まらない。今の静川秋華はまさに腹を空かせた肉食獣なんだ。そして先生は獲物の草食獣だ。
「先生、大丈夫だから! 私がちゃんと気持ちよくしてあげる!! 辛い事全部私が忘れさせてあげるから!! だから一つになろう!!」
そう言って静川秋華が背中側から扉に突っ込んだ。それはつまり私を扉と静川秋華がサンドイッチしたわけで……めっちゃダメージ来た。
「がはっ……」
歩気張った私の体にはクッション性なんて無い。何せ胸もないし柔らかさもない体だ。直に衝撃が伝わって意識が飛びかけた。そして力が緩んだところを投げ飛ばされた。友達をそうするんだ……そっちが友達いったのに……これが女の友情か。所詮女の友情なんてものは男に負けるのだ。
「くそったれ」
私はぷっつんと来た。とりあえず一心不乱に扉を叩いてる静川秋華からズリズリと這いつくばって離れる。さっきの一撃で扉の立て付けが悪くなったのか、静川秋華が体を滑り込ませようとしてた。けどあいつは細身なのに胸がデカい。胸がつっかえてる。私はなんとか息を整えて壁伝いに立ち上がる。そしてキッチンへ。本当はバケツとかが良いんだが……あいにくとバケツの場所はわからない。だから鍋に水を溜める。そして並々に溜めた水が入った鍋を気合いで持ち上げて私は廊下を走った。
「うおおおおおお、このクソ女ああああああああああ!! ――あっ!?」
思いものを持って一心不乱に走ったからか、途中で足がぐきってなった。私は思わず鍋を投げてその場に斜めに倒れて頭を強打した。そして私が投げた鍋は空中を盛大に飛んで静川秋華へと中身ぶちまけて直撃した。
ガコーーーーンと言う音がしてガシャンガシャンと床を転がる鍋……静川秋華はズルズルと体をくの字に曲げで扉の間に挟まって力なく静まった。そして私の意識も再び深層へと沈んでいった。
「うわっ!? きゃっ!?」
閉じた扉に向かって静川秋華が進み出す。私の事を押し倒して、更に私の体を踏みつけて一直線に進むものだから痛くてかなわない。どうやら静川秋華には私が見えて無いらしい。彼女の瞳に今映ってるのは先生だけだ。けど今の叫びは必死だからと言って女性が出して良い物じゃなかったよね。完全に理性吹っ切れてない? 野生の獣のような叫びだったよ。
「いつつ……」
私は体のあちこちに痛みを感じながらも起き上がる。何でこんなに負傷しないといけないのか……はっきり言って意味がわからない。ただ私は連れられてきただけなのに……静川秋華は再びドアを叩いてる。叩く度にドアがきしむほどの力を込めて腕をぶつけてる。こっちから見ると本当に腕であのパワーを出してたんだって事がわかってしまって、この目で直接見てるのになんか信じれない。
「ん?」
何かがピッと飛んで来た。頬についたそれを拭うと、赤い染みになった。
(これって……なに?)
「うわっ!?」
更に次々と何かが私に飛んでくる。私は思わず腕で顔を覆った。そして気付く……廊下とかにもそれは飛び散ってる。その赤い滴が……
「はっ!」
私はドアをめちゃくちゃ叩いてる静川秋華をみる。しっかりと見る。その腕は青いというか……紫になって皮膚の至る所から血が飛び散ってた。あんなの絶対に痛くないわけない……なのに静川秋華はそんなの全然感じてなんか無いかのように叩き続けてる。そこまで……なの? 誰かに恋をするってこういうことなの?
「止めて! それ以上はダメ! 怪我してるよ!!」
私は全力で後ろから静川秋華に抱きついて押さえ込みに掛かる。けどさっきタックルかましたときは本当にたまたま奇跡のタイミングだっただけのようだ。静川秋華は大きく体を捻って私の骨張った体を引き剥がす。そもそも私の体は軽すぎるのかも……でもこのままじゃ更に静川秋華の怪我は悪化していく。最悪折れるかも知れないし、今でもヒビくらい入ってるんじゃないだろうか?
「ダメ! 私はもうこっちに居るんだよ! 先生は一人なの!! 何も起きないから落ち着いて!」
「うるさい!! やっとで会えたんだ!! ずっとずっと我慢してた!! だから今日は逃がさない!!」
ドアの向こうの部屋から今の静川秋華の台詞を聞いて「ひっ」てな声が聞こえた。先生……ごめんなさい。静川秋華に好かれるなんて男としては良い事じゃん……とか思ってて。これはヤバい……マジでヤバい奴だよ。きっとこのままでは静川秋華は先生を襲うまで止まらない。今の静川秋華はまさに腹を空かせた肉食獣なんだ。そして先生は獲物の草食獣だ。
「先生、大丈夫だから! 私がちゃんと気持ちよくしてあげる!! 辛い事全部私が忘れさせてあげるから!! だから一つになろう!!」
そう言って静川秋華が背中側から扉に突っ込んだ。それはつまり私を扉と静川秋華がサンドイッチしたわけで……めっちゃダメージ来た。
「がはっ……」
歩気張った私の体にはクッション性なんて無い。何せ胸もないし柔らかさもない体だ。直に衝撃が伝わって意識が飛びかけた。そして力が緩んだところを投げ飛ばされた。友達をそうするんだ……そっちが友達いったのに……これが女の友情か。所詮女の友情なんてものは男に負けるのだ。
「くそったれ」
私はぷっつんと来た。とりあえず一心不乱に扉を叩いてる静川秋華からズリズリと這いつくばって離れる。さっきの一撃で扉の立て付けが悪くなったのか、静川秋華が体を滑り込ませようとしてた。けどあいつは細身なのに胸がデカい。胸がつっかえてる。私はなんとか息を整えて壁伝いに立ち上がる。そしてキッチンへ。本当はバケツとかが良いんだが……あいにくとバケツの場所はわからない。だから鍋に水を溜める。そして並々に溜めた水が入った鍋を気合いで持ち上げて私は廊下を走った。
「うおおおおおお、このクソ女ああああああああああ!! ――あっ!?」
思いものを持って一心不乱に走ったからか、途中で足がぐきってなった。私は思わず鍋を投げてその場に斜めに倒れて頭を強打した。そして私が投げた鍋は空中を盛大に飛んで静川秋華へと中身ぶちまけて直撃した。
ガコーーーーンと言う音がしてガシャンガシャンと床を転がる鍋……静川秋華はズルズルと体をくの字に曲げで扉の間に挟まって力なく静まった。そして私の意識も再び深層へと沈んでいった。
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