声の神に顔はいらない。
166 一番わからないから心なの
『わかりました、そういうことなら伝えてみましょう。けど、あまり期待はしない方がいいかと。あの子、そういうことに興味ないんですよね。私も数年来一緒に居ますけど、正直あの子の事はよくわかりませんし』
「お付き合いしてる人とか、そんな経験があるとかは?」
『うーん、あの見た目ですからね。学生時代は付き合った男性がいたりもしたようですよ。どこまでいったかは定かではないですけど、あの性格ですからね。長くは続かなかったみたいです。今は確実にいませんね。劇団の誰かと……というのもないです』
「そうですか」
電話越しに聞こえるミーシャさんの言葉にほっと胸をなで下ろす。それからいくつかやりとりして、彼女に伝えて貰う内容を伝えた。まずはそう……デートに誘う所からだよな。一度電話を切って、ミーシャさんが彼女、プラム・コデッチさんに伝えてくれるのを待つ。
「ふう……」
ドキドキする。本当は自分で伝えるものだろう。けど、それぞれに立場がある身だ。自分もそうだが、プラムさんは大人気の劇団の花形ヒロインである。あの不思議な性格と輝くばかりの容姿でその人気は高い。ネットで検索すれば、舞台上の彼女の写真が直ぐに多く見つかる。
でもこんな時代なのに、彼女の出かけた時の姿の写真とかは一切無い。何枚かくらいあってもおかしくない筈なのに、一切無いのは彼女は普段は外に出たりしないのだろうか? 今よりももっと昔の、それこそ学生時代の写真とかは時々ある。
きっと同じ学校の生徒があげた奴だろう。過去の彼女は今の彼女はほとんど変わってない。ちょっと背が高くなって、幼さが僅かに抜けた感じか。でもやっぱり彼女も舞台上では写真では見れない輝きを発する人種だ。ジュエル・ライハルトさんと近い。
自分はパソコンに入ってる先日のPVの映像を見る。それはほぼプラムさんが出ずっぱりだ。自然と顔がほころぶ。いくらでも……何回でも……そして何時間でも見てて、気付いたら日が開けてた……なんて事が先日あった。その時にバッシュ・バレルからこう言われた。
「お前、そいつは恋だぜ」
普通なら何言ってんだこいつ? お前じゃないんだぞ……と言うところだ。けどその時の自分が言った言葉は違った。
「そうだな。そうなんだ」
だった。なにせバッシュ・バレルの言葉が素直にストンと落ちて来たんだ。それまで自分はずっともんもんとしてた。なんでこんな気持ちになってるのか、自分でわからなかった。作家なのに……な。けどそのバッシュ・バレルの言葉が正解なんだと、素直に受け入れる事が出来たんだ。
再びなるスマホ。自分はそれを取って耳にもっていく。彼女からの返事は一体……
「もしもし」
自分の声は震えてなかっただろうか? そんな事を気にしてたけど、ミーシャさんは直ぐにそれをいってきた。自分は電話を切って、「うおおおおおおお!!」とその場で叫んだ。後日、プラム・コデッチさんとのデートが決まった。
「お付き合いしてる人とか、そんな経験があるとかは?」
『うーん、あの見た目ですからね。学生時代は付き合った男性がいたりもしたようですよ。どこまでいったかは定かではないですけど、あの性格ですからね。長くは続かなかったみたいです。今は確実にいませんね。劇団の誰かと……というのもないです』
「そうですか」
電話越しに聞こえるミーシャさんの言葉にほっと胸をなで下ろす。それからいくつかやりとりして、彼女に伝えて貰う内容を伝えた。まずはそう……デートに誘う所からだよな。一度電話を切って、ミーシャさんが彼女、プラム・コデッチさんに伝えてくれるのを待つ。
「ふう……」
ドキドキする。本当は自分で伝えるものだろう。けど、それぞれに立場がある身だ。自分もそうだが、プラムさんは大人気の劇団の花形ヒロインである。あの不思議な性格と輝くばかりの容姿でその人気は高い。ネットで検索すれば、舞台上の彼女の写真が直ぐに多く見つかる。
でもこんな時代なのに、彼女の出かけた時の姿の写真とかは一切無い。何枚かくらいあってもおかしくない筈なのに、一切無いのは彼女は普段は外に出たりしないのだろうか? 今よりももっと昔の、それこそ学生時代の写真とかは時々ある。
きっと同じ学校の生徒があげた奴だろう。過去の彼女は今の彼女はほとんど変わってない。ちょっと背が高くなって、幼さが僅かに抜けた感じか。でもやっぱり彼女も舞台上では写真では見れない輝きを発する人種だ。ジュエル・ライハルトさんと近い。
自分はパソコンに入ってる先日のPVの映像を見る。それはほぼプラムさんが出ずっぱりだ。自然と顔がほころぶ。いくらでも……何回でも……そして何時間でも見てて、気付いたら日が開けてた……なんて事が先日あった。その時にバッシュ・バレルからこう言われた。
「お前、そいつは恋だぜ」
普通なら何言ってんだこいつ? お前じゃないんだぞ……と言うところだ。けどその時の自分が言った言葉は違った。
「そうだな。そうなんだ」
だった。なにせバッシュ・バレルの言葉が素直にストンと落ちて来たんだ。それまで自分はずっともんもんとしてた。なんでこんな気持ちになってるのか、自分でわからなかった。作家なのに……な。けどそのバッシュ・バレルの言葉が正解なんだと、素直に受け入れる事が出来たんだ。
再びなるスマホ。自分はそれを取って耳にもっていく。彼女からの返事は一体……
「もしもし」
自分の声は震えてなかっただろうか? そんな事を気にしてたけど、ミーシャさんは直ぐにそれをいってきた。自分は電話を切って、「うおおおおおおお!!」とその場で叫んだ。後日、プラム・コデッチさんとのデートが決まった。
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