声の神に顔はいらない。
115 ちょっと現実を直視してられない
愛西さんが協力してくれる事になってそれからの数日は怒濤の勢いで過ぎていった。勿論その間にも別の仕事の手を抜くわけにはいかない。今は幸いにも私には二本もの、アニメの仕事がある。あとは細々としたナレーションとかね。
実を言うと、ナレーションの仕事もちょっとだけ増えてきてはいる。嬉しいことだ。確かに私はバリバリアニメに出ていきたい声優だけど、ナレーションは今まで私を声優につなぎ止めてくれた仕事だから止めるつもりはない。
そんな怒濤の日々の中、ついにラジオ収録である。ラジオって実は生のイメージ強かったんだけど、生はやっぱり特別な時にしかやらないらしい。収録場所はプロデューサーが伝手を頼ってラジオスタジオを押さえてくれたらしい。まさかあの人がそんな仕事らしいことをするなんて驚きである。
まあまだ信用はしてないから、そのスタジオに着くまでは……ね。
「やっぱり……」
そして電車を乗り継いで来たスタジオを見て私は第一声にそういった。思ってたよ。どうせあのプロデューサーの事だ。まともな所に知り合いなんて居るわけないって。そこは閑静な住宅街って感じ、そして建物はビルとかではない。まさに民家の佇まい。というか、民家にしかみえない。
「表札もあるけど……でも下に一応スタジオってあるね」
表札の下にはラジオスタジオ『アサガオ』とかいてある。本当にここなのか? 私はラインで到着したうまを伝える。すると中から例のプロデューサーがあらわれた。
「やあやあ匙川君。既に浅野ちゃんは来てるよ。早く早く」
そう言って私を中に招くプロデューサー。玄関やっぱり普通の限界でスタジオって感じではない。
「お、お邪魔します」
こういう民家……というか他人の足を踏み入れるって親戚の家以来で緊張する。今にも奥からここの住人があらわれてきそうで怖い。既に玄関にはいくつもの靴があって結構な人数が居るのがわかる。でも今日、ここに来てるのは私と浅野芽衣にこのプロデューサーに愛西さんにラジオの収録をしてくれるこのスタジオの人だ。
まあそれでも結構な数なのかな? このスタジオの人たちがどれだけいるかわからないが……でもこの民家みたいな規模でそんな多いとも思えないけど……
そんな事を思いながら中へと進む。生活感がありまくる家の中だ。自宅兼スタジオにしてるって事だろうか? ならもしかして秘密地下室とかがあったりして……とかわくわくしてた。
「ここだ」
「うん?」
廊下を進んで襖一枚開けた六畳くらいのスペースに見知った顔が詰まってた。いやいや、いやいやいやいや、いやいやいやいやいや、ちょっと待て……私は思わずこめかみを押さえた
実を言うと、ナレーションの仕事もちょっとだけ増えてきてはいる。嬉しいことだ。確かに私はバリバリアニメに出ていきたい声優だけど、ナレーションは今まで私を声優につなぎ止めてくれた仕事だから止めるつもりはない。
そんな怒濤の日々の中、ついにラジオ収録である。ラジオって実は生のイメージ強かったんだけど、生はやっぱり特別な時にしかやらないらしい。収録場所はプロデューサーが伝手を頼ってラジオスタジオを押さえてくれたらしい。まさかあの人がそんな仕事らしいことをするなんて驚きである。
まあまだ信用はしてないから、そのスタジオに着くまでは……ね。
「やっぱり……」
そして電車を乗り継いで来たスタジオを見て私は第一声にそういった。思ってたよ。どうせあのプロデューサーの事だ。まともな所に知り合いなんて居るわけないって。そこは閑静な住宅街って感じ、そして建物はビルとかではない。まさに民家の佇まい。というか、民家にしかみえない。
「表札もあるけど……でも下に一応スタジオってあるね」
表札の下にはラジオスタジオ『アサガオ』とかいてある。本当にここなのか? 私はラインで到着したうまを伝える。すると中から例のプロデューサーがあらわれた。
「やあやあ匙川君。既に浅野ちゃんは来てるよ。早く早く」
そう言って私を中に招くプロデューサー。玄関やっぱり普通の限界でスタジオって感じではない。
「お、お邪魔します」
こういう民家……というか他人の足を踏み入れるって親戚の家以来で緊張する。今にも奥からここの住人があらわれてきそうで怖い。既に玄関にはいくつもの靴があって結構な人数が居るのがわかる。でも今日、ここに来てるのは私と浅野芽衣にこのプロデューサーに愛西さんにラジオの収録をしてくれるこのスタジオの人だ。
まあそれでも結構な数なのかな? このスタジオの人たちがどれだけいるかわからないが……でもこの民家みたいな規模でそんな多いとも思えないけど……
そんな事を思いながら中へと進む。生活感がありまくる家の中だ。自宅兼スタジオにしてるって事だろうか? ならもしかして秘密地下室とかがあったりして……とかわくわくしてた。
「ここだ」
「うん?」
廊下を進んで襖一枚開けた六畳くらいのスペースに見知った顔が詰まってた。いやいや、いやいやいやいや、いやいやいやいやいや、ちょっと待て……私は思わずこめかみを押さえた
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