命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1875 前に進む為のXの問い編 248

二週目に入って少し進んだら、早速周回遅れのプレイヤーが見えてきた。もうこの時点で僕は警戒した。いや、だっておかしいじゃん。普通に走ってたら、こんな所でのろのろとしてるわけは無い。なのでその時点で警戒するよね。

 そして実際、僕を観た奴等は早速やってきた。何を? 何て野暮なことは聞くまいよ。そうつまりは攻撃だ。なんかやけにゴタゴタとしてるヴァレル・ワンなのだ。僕のがシンプルな一本の爪楊枝のようなヴァレル・ワンだとしたら、爪楊枝に消しゴムぶっさして小学生が安易にごつくしたかのような……無理矢理積載量を増やしました的なフォルムをしてるヴァレル・ワンだ。

 どう考えてもレースで勝つ……何てことを考えてない構成だと思う。なんというかダンベル……じゃなくてバーベルみたいに前方と後方にでっかいの付いてるし……スピード考えてないよアレは。アレでレースに出るって、もう絶対に最初から妨害目的としか考えられない。

 僕にもそうだけど、テア・レス・テレスにだってそれなりに悪感情をもってる奴って居るし、そもそもがこのイベントを台無しにしようとしてる奴が潜んでてもおかしくない。それこそ裏側の人達ね。

 その人達はテア・レス・テレスの台頭によって色々とやりづらくなってるらしいからね。僕が今なれ合ってる奴等はファッション悪党だけどさ、本当の悪役ムーブをやってる奴等は居るのだ。そいつらならこう言うのを大々的に潰すとか、やってきそうな気はする。

 それをやると今現状、トップであり、誰も追いつけないほどの盤石の態勢を整えてるテア・レス・テレスを揺らすことができるかもしれない。だからもしかしたらこいつらはそういう裏の……奴等かも。なんか良いパーツとか使ってそうだし。

(普通は良いパーツとか出たらレースで優勝するぞ! とかならない?)

 それが普通の一般のプレイヤーだと思う。それなのに、これだけゴテゴテとパーツをつけてまで最初からレースを放棄してるなんて奴等がまともなプレイヤーな訳はない。そう思ってると早速だった。横一列に並んだヴァレル・ワンの前方につけられてるでっかいガトリング砲がキュイーーーンとうごめきだした。

 そして一斉に弾を撃ち出してくる。一秒間に何百とか打ち出すであろうそれをまともに避けるなんて無理だ。だから僕は上に飛んだ。

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