命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1799 前に進む為のXの問い編 172

 現れたのレッドドラゴンです。いえ、もっと赤々しいそれはなんか更に強そうと言うか……私が想像してたというか、ピナを元にイメージしてるドラコンってもっとシュッとしてるというか、スラッとした美しいフォルムなんですよ。

 けど騎士ンズラベーダが召喚したレッドドラコンは違います。なんかずんぐりむっくりとしてます。縦に長いというか、横に広いです。デブではないですけど、なんかドラゴンというかカエルのよう……というか……そんな感じですね。でもその代わりに防御は堅そうです。騎士ンズラベーダも防御が堅いですからね……召喚した物に寄り添ってるんでしょうか? 防御が堅いのが二体になるって……面倒以外の何物でもないです。
 しかも一撃は騎士ンズラベーダよりも重そう。何せデカいです。二メートル……とかでは収まりまさせんね。四メートルくらいはありそうです。見上げるほどの大きさです。羽はその体積にしてはとても小さい。あれでは飛びはしなさそうですけど……そう思ってると、騎士ンズラベーダがいきなり此方に背中を向けて、召喚したレッドドラコンへとその腕を突っ込みました。
 六本ある内の一番標準の所にある腕の右腕をドラゴンの胸の所に突っ込んでます。

「捧げて貰うぞ」

 そんな言葉と共に、騎士ンズラベーダはドラゴンの体内から何かを引き出しました。それは赤々しい刀? なかなかに長い刀を一振り、その手に騎士ンズラベーダは握りしめてます。そしてその刀を取り出されたドラゴンは消えて……くれると助かったんですけどね。貯蔵した武器を取り出すための存在だったらありがたかったのに……どうやらそうではないみたいです。
 体内から刀を取り出されたドラゴンですけど、すぐにその傷は再生してます。てかその体ならもっと武器を貯蔵してそうですけど……なにせ騎士ンズラベーダは腕が六本あるし……このドラゴンがあの刀を持ってたとするなら、あと五体のドラゴンを召喚しそうじゃないですかね? なんだかそんな気がします。
 どうでしょう? 

「なに、安心しろ。これには手を出させることはない。何せそれでは、我の楽しみが少なくなる。ただ……」

 そう告げる騎士ンズラベーダに呼応するようにレッドドラコンがほえる。すると何やら騎士ンズラベーダから赤い闘気が湧き出てきた。どうやらあのレッドドラコンはバフ要員みたいですね。私の役割を向こうはあのドラゴンがやってくれると……つまり私とあれは同じ……同じ。なんかちょっと受け入れがたいですね。
 私の方が優秀だと示して見せます! 

「命改変プログラム」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く