命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1771 前に進む為のXの問い編 144

 オウラさんが居るおかげでとても攻略が楽になりました。このダンジョンがどこまであるのかわかんないけど、私たちはどんどんとその階層を攻略していってます。本当なら全てを見て回る……なんて事をしたくないけど、テッケンさんはこういうのは全ての道を見てから下に行く物――とか言うからとりあえず下への階段を見つけても全部をマッピングするとか言う事をやってます。
 けど流石にそれじゃあ何日かかるかわかんないですからね。途中で私の魔法の出番です。私は小さな光りを何個か出現させて、それを四方に放ちます。この光りには私の視界がリンクされてます。これが進めばその視界を見ることが出来るのです。視界と言っても私たちのように目がある訳じゃないですからね。その視界は全周360度です。問題は簡単に操ることができないって事ですね。
 スピードもとても遅いです。タンポポの綿毛が風に揺られるくらいのスピードしか出ません。でも放置できるからそれで良いでしょう。この子達が見た視界を私が用意した紙に書いてマッピングしていけば帰りにでも宝箱があったところだけ寄れば良いのです。
 本当ならこの光ちゃん達が通った所を勝手にシステムのマップにマッピングしてくれたらとても助かります。けど……流石にそれは贅沢という物でしょう。ここまで自由に動かせる様になっただけでもLROの自由度というのが分かります。視界を繋げるって言うのも色々と苦労しました。
 オリジナル魔法の開発ですからね。このゲームの魔法はとてもシビアです。なにせ詠唱が必至だから戦闘中に詠唱を完璧にしないといけないという制約はとても大きい。特に追い詰められたら詠唱を完璧にするなんてとてもタフな精神をしてないと出来ません。
 一文字でも噛めば、まともに魔法は発動しないのです。でも発動しようとはするって事に着目しました。私はまず、基本の詠唱の短縮にとりかかりました。皆さんそう言うもの……って感じでやってない……いややってる人も居るのかも知れないけど、私は聞いたことないそれをやり出した。
 まあ結論から言うと、短縮詠唱はスキルとしてあって、それがないと駄目みたいです。短縮詠唱のスキルがあるなら、それこそ魔法を創造できるスキルもあるかも……とか想って、私は知ってる魔法の詠唱に別の魔法の詠唱を組み合わせたり色々とやってみました。
 それで分かったのは魔法にも相性がある――というか、そういう組み合わせを想定してある……と言うことです。そもそもが複合魔法があるんだから、魔法の組み合わせって考え方自体はLROを作った人も想定してたと考えられます。だからなんとなく魔法の質感? でいけそうな詠唱の言葉を組み合わせて行くと、なんとか発動したりもしました。でもそれから更に意図した奴を組み合わせるとなると……全く違う詠唱を完成させないといけなかったです。
 どういうことと思うことでしょう。既存の詠唱を組み合わせたりしたんじゃないの? と。それでも出来るけど、でもそれは結局、既存の魔法を組み合わせた魔法になるだけです。それにそれをやったらただでさえ長い詠唱が更に長くなります。現実的じゃない。
 だからこそ、私は辞書を片手に詠唱の単語の意味を調べて類似してる言葉とかその言葉の意味とかけ離れてないような言葉を生み出して、その詠唱の意味をくみ取った詠唱を新たに作ったのです。そしたらなんか……新たな魔法として出来上がりました。そしてその時に得た称号が

『真・魔道探求者』
 
 でした。それが何の意味があるかわかんないですけど、詠唱するときに凄くなめらかに舌が回る気がします。

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