命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1580 校内三分の計編 190

「ねえ、一緒に入ろうよお風呂!」
「やだ」

 ぺらっとページをめくりながら、鈴鹿ちゃんはそっけなくそういうよ。こっちを見ることもない。私はずっと今のを言い出すのを検討してたんだ。タイミングをうかがってたといってもいい。
 なにせジュース出してくれてから私たち喋ってなかったし。面白くなかったクイズ番組も終わったし、きっともうお風呂わいてると思うし。スオウの家なら、お風呂の水入れるのも沸かすのも自動で、できたら音でおしえてくれるけど、鈴鹿ちゃん家はそんな気の利いたテクノロジーはないようだ。

 何回か時々時間を確認して少し前に「もういいよ」と言われてバスタオルだけ渡された。なので私はこうやって一緒に入りたいと勇気を出していったのだ。

「ねえねえ、一緒に入りたいよ」
「そんなスペースはない」

 むむむ、物理的に無理だと鈴鹿ちゃんは言ってきた。でも私も鈴鹿ちゃんはも細いし小さい。頑張ればいけると思う。二人のどっちかが太くなくてよかったね。

「ねえねえ、私ひとりじゃきっと危ないよ?」
「それは……」

 これはいける! と私は踏んだなのでもっと鈴鹿ちゃんを攻める!

「私歩けないし、手すりとかないよね? バスタブもきっと高いし……私はシャワーだけってことだね」
「もう、わかったわよ」

 そういって鈴鹿ちゃんは私からバスタオルをとりあげた。そして私に抱き着いてきた。

「わっわ、鈴鹿ちゃん?」
「何焦ってるのよ。車いすないんだからこうするしかないでしょ」

 ああ、抱えようとしてくれてるんだね。いきなりだきついて来るから、私愛されてるのかと……いや、鈴鹿ちゃんならオールオッケーだけどね。いつでもいい。

「そっちも力いれてよ」
「う……うん」

 鈴鹿ちゃん非力だからね。まあ私ほどじゃないけど。なんとか二人の力で私は立ち上がることができた。まあ支えはほとんど鈴鹿ちゃんだけど。でもちょっとは私の両足も動く。一応リハビリはしてるからね。

「ゆっくりでいいから、いくわよ」
「うん……ありがと」

 私はそういって二人至近距離でちょっとずつちょっとずつ移動してく。時々グラッてしたりするけど、なんとか二人でワーキャー言いながら脱衣所までたどり着くことができた。

「ほら、万歳して」

 なんか世話焼いてくれるときめたからか、服も全部脱がせてくれる。パンツとか脱がされるときは流石にちょっと恥ずかしかったけど、鈴鹿ちゃんにお世話されたかったから何も言わなかった。そして脱衣所からは二人裸で密着してお風呂場へ。

 服を着てた時とは違って二人の肌が重なって、それだけでとても心地よかった。それからお風呂では洗いっ子とかして楽しく過ごした。鈴鹿ちゃんの体を堪能出来てとても幸せだった。

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