命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1557 校内三分の計編 167

『そこまでです! いかがわしい配信は今すぐやめなさい!!』

 そんな声がスマホから聞こえてくる。うう……もどかしい。本当は私だってあの場に行きたい。けど倉敷さんがそれを許してくれない。とりあえず生徒会に期待しよう。確か今は、日鞠ちゃんの変な写真が出回ってたけど……あれはいったい? とか思う。まあ日鞠ちゃんが大変なのはその通りなんだろうけど、生徒会として、学校内の風紀の乱れを見過ごすことはできないだろうからね。

『なんですか? いきなりぃ? いかがわしいって、誰ですか教室でやっちゃってるのは!?』

 そういっでクリスちゃんが周囲を見回してる。いやいや誰もが思ってるだろうけど「あんた達だよ!!」って言いたい。

『あなた達ですよ!!』

 あっ、生徒会の女子生徒がみんなの心の声を発してくれた。うんうんだよね。私たちもだけど、動画内の教室にいる人たち、廊下側の人たちもうなづいてる。まあ教室の中を映してるから、廊下側は見えないけど、きっとあの教室の前には人だかりができてるだろうから、まちがってないと思う。

 カメラ内に入ってきたのは数人の生徒会の人たちだ。けど、それでもクリスちゃんもスオウも動こうとはしない。いや、スオウは実は生徒会の人が声を上げて教室に入ってきたときに、体を起こそうとしてた。けど、そのスオウの行動を実はクリスちゃんが頭を押さえつけて阻止した所がばっちりカメラにはうつってた。そしてそれは今も変わらない。なぜかクリスちゃんはスオウを自身の太ももに拘束しときたいらしい。
 たぶんスオウも抵抗してるんだろうけどクリスちゃんはそれでも話さない。そのためにさっきよりも深く太ももに埋まってるし、もう寝かせてるというか、太ももで挟んで逃げられないようにしてるようにみえる。
 でもきっとこの映像も羨ましい……とかおもわれてるんだろうな。クリスちゃんの太ももに挟まれたいって思ってる男子はこの学校では多い。そしてきっと私とかのふとももにも……スオウならね。スオウならいいよ。

「わたしたデスかぁ? びっくりデス!!」
「何がびっくりですか! てか、貴方もいつまで女性の太ももに埋まってるつもりですか!!」

 生徒会の人はいつまでもクリスちゃんの太ももに埋まってるスオウにカチンと来てしまったようだ。まあ自分が怒ってるのに、気持ちいいところにいたら……ね。けどそれはスオウの意思ではないとわかってほしい。クリスちゃんのせいなんだよ?

 でもそんな私の声が画面越しの彼女に届くわけもなく、スオウはクリスちゃんの太ももに埋まったまま、ガミガミと言われてた。

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