命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1456 校内三分の計編 116

 殺風景な部屋へと出た。荷物があって、ちょっと埃っぽくて……

(ここって普通の民家なのでは?)

 多分だけど、レスティアへと移住してきたNPCの家なんじゃないだろうか? なんてところに出すんだよ。いや、まあ音とかしないから、既に寝てるんだろうけどさ。いつも日をまたぐまで起きてる僕とかから見たら、やけに早く寝るなって思うが、一応この世界にはテレビとかないし、娯楽もそうないんなら、もう寝ててもおかしくはないよね。テレビはないけど、エリアバトルはずっと中継されてるけどね。
 まあそれを見るには酒場とか大衆が集まる場所じゃないとだめだけど。NPCは個人で見る統べない。明かりとかは化石燃料じゃなく魔石燃料? とかで問題なんてないけど、起きてる意味もないだろう。まあ助かった。いや、普通に空き家に出してくれたら良かったんだけどね。とりあえず下に降りる必要はなさそうだから別にいいけどね。天窓があるからそこからでられそうだ。音を立てないように開けて、そこからさっと外に出る。このままじゃ不用心なんだけど……内側にある鍵を締めるなんてそんな……

「風を操ったらできるかな?」

 遠くのものを動かすとかなら、風でも出来るけど……外にいるのに、室内の風を操る……なんて出来るっけ? やったことないな。

「むむ、案外密閉度高いな。いや待てよ」

 僕はアホか。閉めてから自分の風を通そうとしても中にはいれれなかった訳だけど、ちょっと開けて自分の風を入れてから閉めて、鍵をかければいいんじゃん。僕は自分の風でまずは他の風と繋げないと、大きな事は出来ない。だからこそ、まずは自分の風……いやまあこの場合は自分の風で支配下においた、風をな室内の方へと潜り込ませてその風を操って鍵を…………掛ける! 

 カチャン

 と上手くいった。これで戸締まりも完璧だな。なにせLROは簡単に屋根の上を走れるのだ。地上だけを警戒してればいいリアルとは違う。屋根裏から侵入する泥棒だって普通にいるだろう。なので戸締まりはしっかりとね。とりあえず、ちょっと顔を隠しながらレスティアを歩くか。多分あの空間に言ってた間……というかフラワーキャッスルへと行ってた間は僕の事を見失ってるだろうしね。彼奴等がどうやって僕を見つけるかは知らないが……多分何か方法があるんだろう。
 てかこれでわかる。会長は見てる……のかわかんないが、多分なにかやってるだろう。とりあえず僕はみすぼらしい外套を出して、顔を隠すフードをかぶる。それで下に降りてレスティアの街を散策する。とりあえずプレイヤーがいておかしくなく、必要と思われるものを求めてる感じで道具屋とかによってみる。けど、流石に店では対面の店主には顔を隠せない。フードかぶってるだけだしね。すると僕とわかった瞬間……

「てめーにゃ売れるものなんてねえよ!」

 なんていって追い出された。流石はフレイヤーを相手してるNPCだけあって、腕っぷしが強いのか、僕は扉をぶち開いて外に転げ出た。そのせいでフードが取れる。レスティアは夜でも人がいなくなるなんて事はない。だからフードがとれた僕の顔は周りの人達に見られる訳で――

(やばい)

 ――と感じた瞬間、僕は素早く、逃げる。壁を蹴って再び屋根とかに登ってね。そしてそんな事をあと二回くらい繰り返して、なかなかにヘイト溜まってるような感じにして、レスティアの外にいって、適当に目についた雑魚モンスターを狩る行為をしてたら……なんと見たことないモンスターに出くわした。

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