命改変プログラム
1382 校内三分の計編 42
「あらあら、クリスちゃんいらっしゃい」
「今日は友達連れてきたデス! どうせお客なんていないだろうし私がお金落とします!」
ぬあー! なんて失礼な事を!! とか思った。だって……ね。いくら何でもあけすけ過ぎない? 中から出てきたのはゆるふわウェーブでニコニコしてる三十代くらいの女性だった。背はクリスよりも小さくて、クリスの失礼な言葉にもニコニコとしてる。
ニコニコとしてるけど、実は腹の中でぐつぐつ煮えくり返ってないよね?
「ふふ、いつもは一人なのに、これはクリスちゃんのお眼鏡にかなったって事かしら? 嬉しいわ」
「ここはお店っぽくなくて丁度良いだけデス。だから普段は一人でこないんデスよ」
「もう、クリスちゃんいつもはそんな遠慮してたの? いつだって沢山のお友達連れて来てくれていいのに」
「貴重な秘密基地ですから、そんなばらしたく無いデス。だからこれからも慎ましく営業してくださいデス」
「えー、まあそれでもいいけどぉ。そちらのお二人は初めましてですね。まあほぼクリスちゃんしか来てくれないんだけどね」
私と鈴鹿ちゃんは二人して「はぁ……」というしか出来ない。でも次の瞬間、カッ! と彼女の目が大きく開いた。
「ちょっとクリスちゃん! この子めっちゃ可愛いわよ!! なに天使!? ほわ~私の理想のふわっふわの髪。くせ毛なんかじゃない天然物だぁ……それに肌も白くてスベスベ。顔小さい! おめめ大きい! 唇小さいのにぷるぷるしてるわ!」
「落ち着くデスよ。確かに摂理はめっちゃ可愛いデスけど、ほら、ここにも美人がいますよ?」
「クリスちゃんも美人だけど、タイプが違うわ。うーん、これだけ可愛い子に出すとなると腕が鳴っちゃうわね」
そう言って彼女は何やらブツブツと言い始める。きっとメニューを呟いてるんだと思うけど……
「あはは、驚かせましたね。彼女可愛い子が来ると張り切っちゃうんデス。だから今日は期待して良いデスよ。赤字にしましょう」
「いや、それは――」
どうなの? とか言おうとしたら、この家の……というかこの喫茶店(まだ疑ってるけど)の主人である彼女が私の後ろについて車椅子を押し出した。
「さあ、いつまでも玄関で立ち話もなんですから、どうぞどうぞ。クリスちゃん前抱えて」
「はいはい」
そう言って段差を二人で超えさせてくれる。流石にただの民家だからね。その家に車椅子とか年老いた人でも居ないとバリアフリーなんて物はやってない。だから段差があった。それを超えて、玄関の中へ。
「ちょっとまっててね」
そう言って一度家の奥に行ってタオルを持って彼女はもどってきた。
「ごめんなさいね」
そういって外を移動してきた車椅子のタイヤを吹き出す。でも私のタイプって普通の車椅子と違って車輪向きだしじゃないからね。普通に拭くのは大変だ。そのままだと……だけどね。
「ちょっと待ってください」
私はそう言って車椅子を操作する。すると熊椅子のタイヤが片方持ち上がる。これは単純にしたから悔いみたいな物を出して持ち上げてる。そして持ち上がったタイヤがゆっくり回転するから後は布を当てておけば勝手に綺麗になる。まあ一人ではこれでも出来ないけどね。でもこの機能のおかげで、タイヤを拭くのは格段に楽になってる。
「今時の車椅子は凄いわね」
そんな事を彼女が言う。私は「そうですよね~」とか適当に返しながら、タイヤを拭いて貰った。そして廊下に抱えてあげて貰ってリビングの方へと向かう。もしかして中は喫茶店の様になってるのかな? とか思ってたけど……
(うん、普通のリビングだこれ。いやスマホで内覧観たときにそうだと思ったけどね)
この家のリビングは普通にただのリビングルームだった。
「今日は友達連れてきたデス! どうせお客なんていないだろうし私がお金落とします!」
ぬあー! なんて失礼な事を!! とか思った。だって……ね。いくら何でもあけすけ過ぎない? 中から出てきたのはゆるふわウェーブでニコニコしてる三十代くらいの女性だった。背はクリスよりも小さくて、クリスの失礼な言葉にもニコニコとしてる。
ニコニコとしてるけど、実は腹の中でぐつぐつ煮えくり返ってないよね?
「ふふ、いつもは一人なのに、これはクリスちゃんのお眼鏡にかなったって事かしら? 嬉しいわ」
「ここはお店っぽくなくて丁度良いだけデス。だから普段は一人でこないんデスよ」
「もう、クリスちゃんいつもはそんな遠慮してたの? いつだって沢山のお友達連れて来てくれていいのに」
「貴重な秘密基地ですから、そんなばらしたく無いデス。だからこれからも慎ましく営業してくださいデス」
「えー、まあそれでもいいけどぉ。そちらのお二人は初めましてですね。まあほぼクリスちゃんしか来てくれないんだけどね」
私と鈴鹿ちゃんは二人して「はぁ……」というしか出来ない。でも次の瞬間、カッ! と彼女の目が大きく開いた。
「ちょっとクリスちゃん! この子めっちゃ可愛いわよ!! なに天使!? ほわ~私の理想のふわっふわの髪。くせ毛なんかじゃない天然物だぁ……それに肌も白くてスベスベ。顔小さい! おめめ大きい! 唇小さいのにぷるぷるしてるわ!」
「落ち着くデスよ。確かに摂理はめっちゃ可愛いデスけど、ほら、ここにも美人がいますよ?」
「クリスちゃんも美人だけど、タイプが違うわ。うーん、これだけ可愛い子に出すとなると腕が鳴っちゃうわね」
そう言って彼女は何やらブツブツと言い始める。きっとメニューを呟いてるんだと思うけど……
「あはは、驚かせましたね。彼女可愛い子が来ると張り切っちゃうんデス。だから今日は期待して良いデスよ。赤字にしましょう」
「いや、それは――」
どうなの? とか言おうとしたら、この家の……というかこの喫茶店(まだ疑ってるけど)の主人である彼女が私の後ろについて車椅子を押し出した。
「さあ、いつまでも玄関で立ち話もなんですから、どうぞどうぞ。クリスちゃん前抱えて」
「はいはい」
そう言って段差を二人で超えさせてくれる。流石にただの民家だからね。その家に車椅子とか年老いた人でも居ないとバリアフリーなんて物はやってない。だから段差があった。それを超えて、玄関の中へ。
「ちょっとまっててね」
そう言って一度家の奥に行ってタオルを持って彼女はもどってきた。
「ごめんなさいね」
そういって外を移動してきた車椅子のタイヤを吹き出す。でも私のタイプって普通の車椅子と違って車輪向きだしじゃないからね。普通に拭くのは大変だ。そのままだと……だけどね。
「ちょっと待ってください」
私はそう言って車椅子を操作する。すると熊椅子のタイヤが片方持ち上がる。これは単純にしたから悔いみたいな物を出して持ち上げてる。そして持ち上がったタイヤがゆっくり回転するから後は布を当てておけば勝手に綺麗になる。まあ一人ではこれでも出来ないけどね。でもこの機能のおかげで、タイヤを拭くのは格段に楽になってる。
「今時の車椅子は凄いわね」
そんな事を彼女が言う。私は「そうですよね~」とか適当に返しながら、タイヤを拭いて貰った。そして廊下に抱えてあげて貰ってリビングの方へと向かう。もしかして中は喫茶店の様になってるのかな? とか思ってたけど……
(うん、普通のリビングだこれ。いやスマホで内覧観たときにそうだと思ったけどね)
この家のリビングは普通にただのリビングルームだった。
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