命改変プログラム

ファーストなサイコロ

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キキィィィィィィ!!

 そんなブレーキ音が甲高く響く。どうやら上手くパンクさせられたみたい。物によってはパンク対策とかしてるかも? とか思ったが、どうやら普通の乗用車だったらしい。まあけど、きっと今もどこかでみられてるだろうし、簡単に巻くなんて事はきっと出来ないよね。このキックボードはなかなかにタイヤも大きいし、舗装道路じゃなくてもいけそうだけど……それはリスクが高い。パッテリーの消費も激しくなるデスし。

(なにが最善かなー?)

 このまま道路を走ってると、どの道進路を予想されて網とか貼られる筈デス。なにせ道路は絶対にいくつかのルートに絞れるわけですからね。それに今は結構監視カメラとかあるし、それを使えばその場にいなくてもどうにかなる時代デスよ。全く、逃走者には辛い時代になったものデス。

「一人だと荒事は避けたいデスしね~」

 単純に勝てる確率が低いデス。むこうもプロだろうし……一人で挑むって分が悪すぎます。色々と銃も仕込んでますけど……それでどうにかなる相手かというと……

『手伝いましょうか?』

 ふと耳にそんな声が聞こえてくる。インカムを装着してる私。それが繋がってるのはスマホです。別に通話状態になってるわけじゃないです。けど、その声は聞こえて来ますデス。私はいぶかしんでその声に返します。

「誰ですか? これをハッキング出来る輩なんてそうそういない筈デスけど……」
『ハッキングなんて無粋な事はしませんよ。私はただそこに存在してるだけ……それにしても酷い。協力関係になるって言ったじゃないですか」
「なるほど……本当にネットのどこにでも現れられるんですね。これはセキュリティを考え直した方が良いデスね」

 私はこの声の正体に至った。まあちょっと考えれば分かる。特徴的な声の響きしてますしデスし。

『そんな悲しいことを言わないでくださいよ。私達、お友達でしょ?』
(お友達……ね。何かもよく分からない存在がよくいいます……)

 確かにあの時、向こうでそういうこと言いましたけど……そして今回、この国に戻ってきたのは、そのことを言ったら呼び出し食らったから……デス。原因こいつですからね。てか私が海を飛び越える意味なんて無かったんでは? だって普通にLROの外にこいつ出てきてますよ。まあ誰かが紹介しなくちゃって関係があるけどさ……それもオンラインビデオ通話とかにもこいつ、割り込めるのでは? 
 それで良いじゃん。それなら私がこんな大変な目に遭わなくて良かった。

「お友達なら、手助けしてくれるんでしょうね?」
『勿論、とりあえずここら一体のネットを潰しましょう』
「はい?」

 なんかとんでもないことをサラッと言ったぞ。その直後、なんか車が交差点でぶつかりだした。えええええええええ!? デスよ!!

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