命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1304

 私の魔法が幾重も空に昇る。でもそれで満足する私じゃない。可能な限り、魔法を照射してやる。それこそ奴らが塵になるまでだ!! 四つの錫杖が私の周りを回ってる。そして更に背後から私に腕を絡ませてきてるメノウ。
 そのメノウには今まで遅延をさせてた訳だ。魔法の発動を遅延させる事で、ストック魔法と同じような事をしてた。やっぱりシルクと同じ事をしてるっなんか悔しい。でも原理は全然違うからね。しかも既に、シルクの奴はこの力を失ってる。それはあいつはピクというテイムしてたドラゴンを失ったからだ。

 ストック魔法はシルクの力というか、あのピクとかいう奴の力だったのだ。だから無くした。けど、私は取り戻した。この違い。この違いが私の方が優秀だという証だよね。それに私は今やストックだけではない。私に時間操作によるストックと、そして加速を手に入れてる。それにメノウと協力すれば、もっと面白い事も出来るのだ。

 私は口を超高速で動かしながら、詠唱を紡ぎ魔法を撃ちまくる。それにテア・レス・テレスの奴らはその身を犠牲にするように立ち塞がってる。奴らはでもあそこからまた分載しようとしてる。なら一回集まった意味とか、爆煙の中で目的の場所に行っておけば良かったんじゃないのか? とか思うけど、きっと奴らにとってはあそこに集まる意味あったんだろう。
 なんかリルフィンに偽リルフィンを当ててるし――なんかチラッと男色艦隊の奴らが倒してた様に見えたんだけど……多分そのおかげで、捕らわれてたリルフィンは暴れることが出来る様になったんだと思うしね。それで透明なステージを破壊できた。

 でももしかしたら遅かったのかもしれない。いや、でもテア・レス・テレスはまだ何かを目指してる。私のこの魔法の雨にもその身をさらして進んでるのがその証拠。

「全員テア・レス・テレスをあの場に押しとどめろ!!」

 その声はアウトブレイク・カンパニーのリーダーの声だ。彼も奴らを目指す場所に行かすべきではないと判断したらしい。私は達は残り四十人弱。正確な数字は彼しか知らないだろうが、多分そのくらいまで減ってる
対してテア・レス・テレスは十人前後。ここに来て一気に数を減らしてる。

 まあ減らされた数で言えば、こっちが圧倒的に多い。それにこっちは減らされたくて減ったわけじゃないけど、向こうは違う。明確な目的があって、会長以外のテア・レス・テレスメンバーは散って行ってる。奴らが一人消える度に、私達は焦燥感に襲われる。何か……最後の仕掛けが動きだしそうで。

 だから私達は全戦力を持って今、この場で奴らが中央に据える会長と共に、どこにも行かせずに討ち滅ぼすんだ。誰もがもう、後先なんか考えない。ただただ全力の攻撃を奴らにぶちかますことだけを考えてる。

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