命改変プログラム

ファーストなサイコロ

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「そっちのやり方で参加できるのなら、僕に言う必要なくないですか?」

 僕は至極まっとうな事をいうよ。だってそうじゃない? 僕の許可なんていらないじゃん。なんで僕にいうのか? 厄介ごとに巻き込みたいのかな? はっきり言ってクリスが参加するかしないかなんて、正直どうでも……僕の知らない所で参加する分にはいいよ。知らなかった……で通せるし、当日にもしも会ったとしても、その時にはもうどうにもできないし――

「なんでいるんだ?」

 ――とは思っても、それだけですむじゃん。けどここから関わったら、なんか色々とのしかかるものがあるじゃん。知ってるのと知らないのとでは責任が違うんだぞ。本当になんで僕に言うの? かかわらせないでマジで。

「そんな冷たい事を言わないでデスよスオウ。私達の中じゃないデスか」
「どんな仲だよ……」
「それは勿論……特別な……仲デス」

 耳元で囁くな。変にドギマギするだろ。前にはグラマラスなお姉さん。横には美人な同級生。実際同じ歳かはクリスの奴は謎だが……取り合えず美女がどっちにもいる。普通ならとてもうらやましい状況なんだろうけど……全然こころやすまらない。

 美女に囲まれたらもっとウハウハだと思った? 全く違う。

「クリスは君のそばにいてほしいのよ」
「なんですか? 僕に初心者の面倒見ろと? 無理でしょ。そもそも僕は敵に結構狙われると思いますよ」

 そうなのだ。絶対に僕は狙われるだろう。なにせ僕は会長を一度は倒してるわけで、絶対にテア・レス・テレスの奴らに血眼になられる立場になってるから。そんな僕と共にいるのは正直お勧めしない。てか……

「絶対に僕のスピードについてこれないと思いますよ?」
「そこはお姫様抱っこでお願いしますデス」
「却下で」
「学校の奴らならお金払ってでもやりたいっていうデスよ!?」

 お前は学校の信者どもなんだと思ってるの? まあ金払って土下座位しそうだけどね。けど自分はそんなにクリスに入れ込んでないから。頼み込んでもやらないよ。

「こっちも今度のバトルは真剣にやらないとダメなんだよ」
「もう、日鞠は戻ってるじゃないデスか。適当に行きましょう、適当に」
「クリス、適当じゃ可能性が見れないじゃない。貴女が彼を上手く追い込むのよ」

 ちょっとー何を言ってるのこの人達。そういうのは本人の前で言わないじゃないかな? こいつら、僕を追い込ませる為にLROに行きたいのかよ。それで僕に世話させるって……

「断固拒否します!」

 そう言って僕は立ち上がって出口を目指す。けどそこには壁が立ってた。いや正確には壁ではない。壁の様な人だった。そしてそいつに阻まれてると、後ろからお姉さんの声が聞こえる。

「もちろんご褒美上げるわ。男子高校生が欲しがるものでもいいし、君の役に立つ物ものあげましょう」

 そう言ってお姉さんは唇に指にを這わせる。エロイんだよこの人ほんと……色気という点では僕が知ってる女性の中では断トツだ。

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