命改変プログラム

ファーストなサイコロ

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「おっはよ~」

 そんな感じで元気いっぱいに朝の挨拶をする日鞠。その瞬間、騒がしがった教室が……いや学校中が静まり返る。なんでそんな事になってるかというと、日鞠は校門から大声でそんな声を出したからだ。校門の手前でそんな声を出して礼して入ってく。一緒に来た僕が恥ずかしいからやめてほしい。

 まあこっちには全然注目なんてされてない訳だが……今日は僕と日鞠は二人で投降した。摂理がなんか気を使って鈴鹿と後秋徒と一緒に行くと言ったからだ。なんかちょっと摂理の奴の雰囲気が変わった気がする。気のせいかもしれないが、なんかちょっと違う気がする。

 吹っ切れてる様な? 前は僕と日鞠が一緒に居るとちょっとイラっとしてる気がしてた。僕が日鞠を気にするのもわかるけど、気に食わないって感じだった。けど今日は普通に摂理から一緒に登校したら? と言ってきた。私はいいから……と、鈴鹿には昨日のうちに言ってるからと。

 初めての事で驚いたけど、日鞠も久々の登校だし、受け入れたけど……やっぱりこうなるか。安寧は学校に到着する前の少しの時間だけだったな。既に日鞠の周りには沢山の生徒で溢れてる。結構ギリギリに来たから、大半の生徒が既に校内に入ってた。

 けどそこから出て来たり、窓から身を乗り出してかえって来た日鞠を歓迎したり……こいつら本当は日鞠がLROに囚われたの知ってたんじゃないか? って程の歓迎具合だ。もしも全く何も知らない人がこの光景を見たら、何かの部活が全国制覇でもしたのか? と思うだろう。

 そのくらい学校全体が興奮してる。誰が見たって異常だとおもうかもしれないが、僕はこうなるだろうなって思ってた。日鞠の好感度は凄いからな。皆が日鞠を好きだし、頼りにしてる。一週間くらいなら……そうおもってたが、ちょっとずつ学校が沈んで言ってたのはやっぱり感じれた事だった。

 まあだけど、あれが普通の学校の雰囲気だったのかもしれない。この学校日鞠のせいで結構色々とズレてるからな。生徒会とかで雑用してると、偶に他校の生徒と関わる事がある。僕は他校に行ったりしないが、他校からこの学校にたまにくる生徒が驚くさまは時々見てる。

 てかこの学校は教育委員会とかそれ関係の機関からも注目されてる。だって成績が急成長してるからだ。だから近くの学校は何かと交流を図ろうとしてるらしい。

「スオウ君」
「先輩」

 やってきたのは雨ノ森先輩だ。相変わらずエロい雰囲気を出してる人だ。自然と大騒ぎしてる中から離れてこっちに来た雨ノ森先輩は頭を下げる。

「ありがとう、日鞠ちゃんを連れ帰ってくれて」

 僕は生徒たちの中で楽しそうに笑ってる日鞠を見てこういうよ。

「全部あいつの思惑通りでしょう」

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