命改変プログラム
963
夜の雪の中を進む。この辺りは直ぐに吹雪いてくるって情報だったんだが……それが天然の要塞の様な、迷路のような役割を果たすとかなんと。その時はウインドウを出して、そこに表示されるコンパスを頼りに進むのだと聞いた。
けど、どうやら僕達は運が良かったようだ。いつだってトラブルに巻き込まれるから、自分たちが運いいなんてありえないと思ってたけど、偶にはこんな風な日があってもいい筈だ。北の空は空気が澄んでるのか、とても夜空が綺麗だ。
一つ一つの星がダイヤモンドかと思う程に輝いて、そして大きな月の明かりを積もった雪が反射してる。月光が周囲を満たしてるかのような……そんか気さえする。不思議と敵も一体もでない。吹雪と共に、沢山の敵も出てくると攻略サイトには載ってたのだけど……なんか全然情報と違ってちょっとだけ不安になってくる。
けど皆はラッキー程度で進んでる感じだ。いや、皆不安を煽らないようにしてるんだろう。下手な事をいうと、それがフラグになりそうだもんな。今はこの現象をラッキーと思って進むのが賢い気がする。足の膝くらいまで積みあがった雪の中を進むのはなかなかきつい。LROでこれだから、雪国に住んでる人たちは一体どれだけ大変なんだと思う。
不思議な程に静まり返った場所だ。野生の気配が微塵もない。僕達の呼吸だけが聞こえるような……そんな感じ。
「あれ……かな?」
一番前を進んでたテッケンさんがふいに立ち止まりそういった。テッケンさんが一番軽いからか、雪に足を取られないのだ。その分背も小さいからそんな視線的に優位な点はない筈だけど、テッケンさんは目的の場所を見つけたようだ。
近づいていくとよくわかる……むしろ、なんでちかづくまで分からなかったのか……周囲の景色を反射して光学迷彩みたいになってるのかな? 僕達は今、巨大な氷塊のまえにいる。近くまで来ると、夜空の明かりを反射してキラキラしてるのがよくわかるが、ここまで近くに来るまでは、何も無いようにも見えてたんだ。不思議である。
まあここはLROだからな。おかしな現象はなんの不思議もない。けど実はこれもおかしいことではある。
「あれが祭壇だよね?」
「だろうな」
「これ……どうしよう?」
会長の言葉に僕は言葉につまる。本当なら、祭壇の上で同じようにアイテムをささげる筈だった。けど……今はこの氷塊が祭壇を覆ってしまってる。ハッキリ言って、どうすんだこれ? 攻撃をしてもいいものだろうか? 悩む。
「僕がやるよ。二人は精霊を怒らせると困るだろうからね。僕なら、多分祝福を得られないし、万が一でも安心だ」
そういってテッケンさんが腕にデカいガントレットを装備する。その大きさはテッケンさんの胴体くらいはある。それを一度拳どうしを合わせて耳をつく音が周囲に響く。感触を確かめたテッケンさんはシルクちゃんに補助魔法をかけてもらって氷塊を駆けのぼる。
ものすごく身軽だ。身体強化されたテッケンさんは氷塊の直情に飛ぶ。そこでくるりと反転した。その間に領の拳が青く光ってる。両手を組んで高く振り上げた拳。
「やあらああああああああ!!」
テッケンさんのそんな声と共に拳が振り下ろされる。間違いなく強力な一撃だろう。僕は期待を込めて結果を見守る。
けど、どうやら僕達は運が良かったようだ。いつだってトラブルに巻き込まれるから、自分たちが運いいなんてありえないと思ってたけど、偶にはこんな風な日があってもいい筈だ。北の空は空気が澄んでるのか、とても夜空が綺麗だ。
一つ一つの星がダイヤモンドかと思う程に輝いて、そして大きな月の明かりを積もった雪が反射してる。月光が周囲を満たしてるかのような……そんか気さえする。不思議と敵も一体もでない。吹雪と共に、沢山の敵も出てくると攻略サイトには載ってたのだけど……なんか全然情報と違ってちょっとだけ不安になってくる。
けど皆はラッキー程度で進んでる感じだ。いや、皆不安を煽らないようにしてるんだろう。下手な事をいうと、それがフラグになりそうだもんな。今はこの現象をラッキーと思って進むのが賢い気がする。足の膝くらいまで積みあがった雪の中を進むのはなかなかきつい。LROでこれだから、雪国に住んでる人たちは一体どれだけ大変なんだと思う。
不思議な程に静まり返った場所だ。野生の気配が微塵もない。僕達の呼吸だけが聞こえるような……そんな感じ。
「あれ……かな?」
一番前を進んでたテッケンさんがふいに立ち止まりそういった。テッケンさんが一番軽いからか、雪に足を取られないのだ。その分背も小さいからそんな視線的に優位な点はない筈だけど、テッケンさんは目的の場所を見つけたようだ。
近づいていくとよくわかる……むしろ、なんでちかづくまで分からなかったのか……周囲の景色を反射して光学迷彩みたいになってるのかな? 僕達は今、巨大な氷塊のまえにいる。近くまで来ると、夜空の明かりを反射してキラキラしてるのがよくわかるが、ここまで近くに来るまでは、何も無いようにも見えてたんだ。不思議である。
まあここはLROだからな。おかしな現象はなんの不思議もない。けど実はこれもおかしいことではある。
「あれが祭壇だよね?」
「だろうな」
「これ……どうしよう?」
会長の言葉に僕は言葉につまる。本当なら、祭壇の上で同じようにアイテムをささげる筈だった。けど……今はこの氷塊が祭壇を覆ってしまってる。ハッキリ言って、どうすんだこれ? 攻撃をしてもいいものだろうか? 悩む。
「僕がやるよ。二人は精霊を怒らせると困るだろうからね。僕なら、多分祝福を得られないし、万が一でも安心だ」
そういってテッケンさんが腕にデカいガントレットを装備する。その大きさはテッケンさんの胴体くらいはある。それを一度拳どうしを合わせて耳をつく音が周囲に響く。感触を確かめたテッケンさんはシルクちゃんに補助魔法をかけてもらって氷塊を駆けのぼる。
ものすごく身軽だ。身体強化されたテッケンさんは氷塊の直情に飛ぶ。そこでくるりと反転した。その間に領の拳が青く光ってる。両手を組んで高く振り上げた拳。
「やあらああああああああ!!」
テッケンさんのそんな声と共に拳が振り下ろされる。間違いなく強力な一撃だろう。僕は期待を込めて結果を見守る。
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