命改変プログラム
955
潮風が吹いてる。空はまだ日があるが、かなり傾いてる。今日は結構早く入ったからまだ日があるんだ。けど、それも数時間くらいしか持たないだろう。せめて二時間かな? 僕達は今、大きな船に乗ってる。前のLROならこの船も重要だったらしいんだけどね。
最初は船で世界を広げて、更に次の段階で飛空艇の許可証を手に入れて更に世界が広がるとかだったらしい。けど今はゲートが出来てしまった。飛空艇と同じでこっちもプレイヤーは少ない。まあプレイヤーだけじゃなく、NPCもいるからそんな少ないって感じはしないけど……この船は街と街を結ぶ交易船みたいなものだからね。ちゃんとこの世界で生きてる人たちも利用てしてるのだ。
寧ろ今はそっちの方が多い。時々出るモンスターもちゃんと船に雇われた用心棒みたいな人達が処理するようになってる。前は乗り合わせてたプレイヤーが処理したが、プレイヤーが少なくなったから雇ったんだろう。折角雇われてるのに、仕事を奪うのもかわいそうだから、僕達はモンスターが出てもみてるだけだ。
もちろん危ないと思ったら加勢する気ではあるが、基本傍観してる。
「そろそろですね」
そういうのはシルクちゃんだ。シルクちゃんはウインドウに地図を表示させて現在地を常に把握してる。そうしないと、なんの目印もない大海原だ。どこが目的地がわからない。
「流石に今すぐ飛び出したら迷惑ですよね」
「そうだな」
テッケンさんが周囲を見回しながらそういった。僕達はいったん中へと入ることにする。中も結構にぎやかだ。NPCの人達にとってはこういう船旅は旅行なのだろう。子供が走り回ってたりする。僕達は人目につきにくそうな隅っこを探してそこにあつまる。
「ちゃんと準備はいいですか?」
シルクちゃんが最終確認でそう聞いてくる。僕達は水中でも息をするためのアイテムをちゃんと持ってることをアピールするよ。細長い棒のようなアイテムだ。中央部分に穴が開いてて、そこを咥えて息をすれば、呼吸ができる様になってる。
「では行きます」
シルクちゃんが控えめに詠唱を始める。そして僕達の頭上から光が降り注ぐ。その光を浴びると、体が半透明に見える様になった。僕達にはそんな感じで見えてるが、他者には全く見えていない。これは透明化の魔法だ。足音を消せる魔法もあるが、今回はそこまではしない。僕達は再び甲板に戻り、手すりからそれぞれ乗り出して船から飛び出した。
バシャンバシャンバシャン
――と続けざまに音がしたから誰か気付いたかもしれないが、見えてないし、きっと気のせいと思ってくれるだろう。けど実際ならこんな事無謀にもほどある行いだ。リアルで行ったら絶対に死ぬだろう。こんな大海原に自ら飛び込むんだ。
リアルでフェリーとかから飛び出るようなものだ。大事件だよね。どうやって戻ってくるかと考えたうえでやらないと沢山の人に迷惑をかける事になる。けどここはLROである。出来ないことが出来る。飛び込んだ瞬間、僕達は装備を収納して泳ぎやすくした。
水泳スキルが高い人は別に装備を着たままでもまるで魚の様に動けるらしいが、僕は普通にしか泳げない。それは会長も一緒だ。テッケンさんとシルクちゃんは装備を着たままでもある程度泳げるみたい。僕達は口に呼吸の為のアイテムを加えて海をもぐる。
(ローレの話では、別の海流があるっていってたけづぁ!?)
いきなり体が引っ張られるような感覚があった。抗えない力だ。どうやらその海流に入ったらしい。僕達は抗うことなんてできずにその海流に身を任せる。
最初は船で世界を広げて、更に次の段階で飛空艇の許可証を手に入れて更に世界が広がるとかだったらしい。けど今はゲートが出来てしまった。飛空艇と同じでこっちもプレイヤーは少ない。まあプレイヤーだけじゃなく、NPCもいるからそんな少ないって感じはしないけど……この船は街と街を結ぶ交易船みたいなものだからね。ちゃんとこの世界で生きてる人たちも利用てしてるのだ。
寧ろ今はそっちの方が多い。時々出るモンスターもちゃんと船に雇われた用心棒みたいな人達が処理するようになってる。前は乗り合わせてたプレイヤーが処理したが、プレイヤーが少なくなったから雇ったんだろう。折角雇われてるのに、仕事を奪うのもかわいそうだから、僕達はモンスターが出てもみてるだけだ。
もちろん危ないと思ったら加勢する気ではあるが、基本傍観してる。
「そろそろですね」
そういうのはシルクちゃんだ。シルクちゃんはウインドウに地図を表示させて現在地を常に把握してる。そうしないと、なんの目印もない大海原だ。どこが目的地がわからない。
「流石に今すぐ飛び出したら迷惑ですよね」
「そうだな」
テッケンさんが周囲を見回しながらそういった。僕達はいったん中へと入ることにする。中も結構にぎやかだ。NPCの人達にとってはこういう船旅は旅行なのだろう。子供が走り回ってたりする。僕達は人目につきにくそうな隅っこを探してそこにあつまる。
「ちゃんと準備はいいですか?」
シルクちゃんが最終確認でそう聞いてくる。僕達は水中でも息をするためのアイテムをちゃんと持ってることをアピールするよ。細長い棒のようなアイテムだ。中央部分に穴が開いてて、そこを咥えて息をすれば、呼吸ができる様になってる。
「では行きます」
シルクちゃんが控えめに詠唱を始める。そして僕達の頭上から光が降り注ぐ。その光を浴びると、体が半透明に見える様になった。僕達にはそんな感じで見えてるが、他者には全く見えていない。これは透明化の魔法だ。足音を消せる魔法もあるが、今回はそこまではしない。僕達は再び甲板に戻り、手すりからそれぞれ乗り出して船から飛び出した。
バシャンバシャンバシャン
――と続けざまに音がしたから誰か気付いたかもしれないが、見えてないし、きっと気のせいと思ってくれるだろう。けど実際ならこんな事無謀にもほどある行いだ。リアルで行ったら絶対に死ぬだろう。こんな大海原に自ら飛び込むんだ。
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