命改変プログラム
927
「そのまま死ぬ気かああああ!!」
そんな事を言いつつ、奴が改変されたセラ・シルフィングを振ってくる。目の前に一人、背後にも奴の姿がある。そして左右。受け止める事はできない。フラングランは既にヒビが入ってる。これ以上奴の武器とぶつかったらフラングラン自身がどうなるかわからない。最悪、破壊されるだろう。
奴の風帝武装によって幻……けど、風の幻は攻撃力はちゃんとある。厄介な事に……流石にオリジンの力が乗ってるのは、オリジナルだけで、他の奴には風帝武装の力までしかないようだが、それでも脅威であることに変わりはない。
だからここでとれる選択肢は、オリジンの力をもったセラ・シルフィングはかわして、別の個体を切り裂いて突破するしかないって事だ。その見極めをどうするか……僕は自身の風を信じる事にした。
「そっちだ!!」
僕は左側の奴に向かってフラングランを振るう。剣と剣がぶつかった瞬間ヒヤッとしたがフラングランは無時だ。僕はそのまま、交差するように奴の隙間を抜ける。けどもう片方が僕の背中を切り裂く。でもどうやら血はでないらしい。オリジンだから? いや、でも首元にかみつかれた時はオリジンはなかった筈だ。それじゃあ一体……
わからないけど、とりあえず逃げる。これ以上レスティアを、他のプレイヤーを巻き込むわけにはいかない。僕は高く跳躍して屋根に上がる。そのままレスティアの外へと向かうとするが、奴も風を操る。しかも風帝武装の練度はこっちよりも上。逃げれるかは……
そう思ってると黒い竜巻がレスティアの街の四か所で巻き起こった。乱れる風が……風帝武装をはぎ取っていく。
「そん……な」
凶悪で凶暴な風……僕の風たちが為すすべなく、黒い風に飲まれてく。屋根の上に奴がおりたった。
「もう、いいよな?」
「……なにが……だ?」
今回の奴は良くしゃべる。それならこんな事をする理由……僕を狙う理由がわかるかもしれない。風帝武装も失った今、逃げるのは不可能だ。なら……テア・レス・テレスにはわるいが、もう少し我慢してもらおう。
「あれの言いなりになるのはって事だ。俺は、向こうの世界にいく」
あれってのは多分苦十の事だろう。でも向こうの世界? それってリアルって事か?
「それはリアル……現実世界の事か?」
「ああ……お前の全てのコードを奪えば……お前になれるだろう? だから貴様の全てを晒して俺に食われろ」
そういう奴の兜に亀裂が入り、口の様に開いた。まさか……とおもった。だって奴は人型だっただろう。あれじゃあ化け物だ。鎧の化け物……オリジンがそうさせてるのか、もともとがそういう存在なのか……わからない。けど……どうやらやつは僕の全てを奪って僕に成り代わる気らしい……そんなのはごめんだ。
「使うしか……ない……か」
オリジンは今まで何度も危機を救ってくれた。けど……正直こいつ相手には不完全なオリジンはきっと通用しない。でもそれでも使うしか……ない。それさえもこいつの望みだとしても……もう僕にはそれしかない。僕は屋根を蹴って走り出す。
遅い……さっきまでとは段違いに。けど奴は動かない。僕が全てを晒すのを待ってるからだ。くそっ……けど、それでも――
「オリ――」
「そこまでにしてもらおうかしら」
響く声。流れる黒髪。姿かたちはリアルとは違うが、僕が彼女を見間違う筈がない。このレスティアの、いやテア・レス・テレスの長。会長こと日鞠の奴が一本の筆記具を手に僕の前にいた。
そんな事を言いつつ、奴が改変されたセラ・シルフィングを振ってくる。目の前に一人、背後にも奴の姿がある。そして左右。受け止める事はできない。フラングランは既にヒビが入ってる。これ以上奴の武器とぶつかったらフラングラン自身がどうなるかわからない。最悪、破壊されるだろう。
奴の風帝武装によって幻……けど、風の幻は攻撃力はちゃんとある。厄介な事に……流石にオリジンの力が乗ってるのは、オリジナルだけで、他の奴には風帝武装の力までしかないようだが、それでも脅威であることに変わりはない。
だからここでとれる選択肢は、オリジンの力をもったセラ・シルフィングはかわして、別の個体を切り裂いて突破するしかないって事だ。その見極めをどうするか……僕は自身の風を信じる事にした。
「そっちだ!!」
僕は左側の奴に向かってフラングランを振るう。剣と剣がぶつかった瞬間ヒヤッとしたがフラングランは無時だ。僕はそのまま、交差するように奴の隙間を抜ける。けどもう片方が僕の背中を切り裂く。でもどうやら血はでないらしい。オリジンだから? いや、でも首元にかみつかれた時はオリジンはなかった筈だ。それじゃあ一体……
わからないけど、とりあえず逃げる。これ以上レスティアを、他のプレイヤーを巻き込むわけにはいかない。僕は高く跳躍して屋根に上がる。そのままレスティアの外へと向かうとするが、奴も風を操る。しかも風帝武装の練度はこっちよりも上。逃げれるかは……
そう思ってると黒い竜巻がレスティアの街の四か所で巻き起こった。乱れる風が……風帝武装をはぎ取っていく。
「そん……な」
凶悪で凶暴な風……僕の風たちが為すすべなく、黒い風に飲まれてく。屋根の上に奴がおりたった。
「もう、いいよな?」
「……なにが……だ?」
今回の奴は良くしゃべる。それならこんな事をする理由……僕を狙う理由がわかるかもしれない。風帝武装も失った今、逃げるのは不可能だ。なら……テア・レス・テレスにはわるいが、もう少し我慢してもらおう。
「あれの言いなりになるのはって事だ。俺は、向こうの世界にいく」
あれってのは多分苦十の事だろう。でも向こうの世界? それってリアルって事か?
「それはリアル……現実世界の事か?」
「ああ……お前の全てのコードを奪えば……お前になれるだろう? だから貴様の全てを晒して俺に食われろ」
そういう奴の兜に亀裂が入り、口の様に開いた。まさか……とおもった。だって奴は人型だっただろう。あれじゃあ化け物だ。鎧の化け物……オリジンがそうさせてるのか、もともとがそういう存在なのか……わからない。けど……どうやらやつは僕の全てを奪って僕に成り代わる気らしい……そんなのはごめんだ。
「使うしか……ない……か」
オリジンは今まで何度も危機を救ってくれた。けど……正直こいつ相手には不完全なオリジンはきっと通用しない。でもそれでも使うしか……ない。それさえもこいつの望みだとしても……もう僕にはそれしかない。僕は屋根を蹴って走り出す。
遅い……さっきまでとは段違いに。けど奴は動かない。僕が全てを晒すのを待ってるからだ。くそっ……けど、それでも――
「オリ――」
「そこまでにしてもらおうかしら」
響く声。流れる黒髪。姿かたちはリアルとは違うが、僕が彼女を見間違う筈がない。このレスティアの、いやテア・レス・テレスの長。会長こと日鞠の奴が一本の筆記具を手に僕の前にいた。
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