命改変プログラム
815
「あっ!?」
僕は思わずそんな声を出す。だってあいつ、あのスカルドラゴンはいきなり自分達に背を向けたんだ。そしてそのまま飛び去ろうとする。おいおい、それでいいのか竜種! もっと竜種ってプライド高い生き物……いやアレは生きてないけど、そういうものだと思ってた。一度狙いを定めた相手に背を向ける? そんな竜聞いたことないぞ!!
「逃がすか!」
そう言ってメカブの奴が初級の回復魔法を連発する。けど流石に初級ではスカルドラゴンを止める事はできない。奴はどんどん遠くに行って、その姿が小さくなってく。おいおい空飛ぶモンスターがこんなさっさと逃げに徹するって出来る事がなさすぎな気がするぞ。僕たちは地上を走って追いかけるが……流石に空を飛んでる相手に追いつける訳がない。
そこそこスピードに自信がある僕だけど、これは地の利が違いすぎる。しかもこれで高度まで取られたらおしまい。せめてセラに聖典があれば……けどまだ新しくなったLROではそれをみてない。取ってないのか? それとも隠してるのかは知らないが、アレがセラの象徴みたいなものだった筈。取ってないとは思えないけど……聖典はそこまで取るの難しく無いと聞いてる。
操るのがゲキムズだから使う人が居なかっただけ。けど、セラはその聖典を同時に八機まで操れてた。それはもう破格の所業。あれを捨てるなんて事はありえないと思う。
だから僕はセラを見る。
「なによ?」
「いや、こここそ聖典だろ?」
「……」
なに、黙秘権発動してんの? 取ってないのか? 僕はアイリの方へ視線を向ける。セラはアイリのメイドだ。つまりアイリはご主人様。それなら何か知ってるんじゃないか? と。けどアイリも首をふるだけ。それ以上は何も言わない。つまりはなにも知らない? そうこうしてる内にスカルドラゴンは見えなくなった。僕たちは息を切らしてスカルドラゴンの消えた空を見つめる。
そして最後尾で走ってたメカブの奴がなんとか息を整えてこういった。
「今日はこのくらいにしといてやるわ!」
もうほんと小物臭いなこいつ。
「とりあえず逃げられたものは仕方ないですし、街の様子を確かめに行きませんか?」
そんなシルクちゃんの提案を拒否する理由はない。もしかしたら生き残りがいるかもしれない。けどそんな希望は叶わなかった。街には人っ子一人いない。確かなゴーストタウンと化してた。孤児院ではオウラさんが崩れ落ち、それをメカブが慰めてた。なんかちょっとズレてたが、メカブだからしょうがない。そして僕たちは今、領主の屋敷に来てる。
前も一度きたけど、その時はこそこそと大変だった。けど今はそんな必要もない。だから堂々と入って、領主の私物を漁ってる。盗賊の様な行為だけど、これも必要な事だ。どうしてこんな事をしたのかとか、あのスカルドラゴンの弱点とかがわかるかもしれない。
街に戻って気付いた事がある。それはまだ街全体に広がってる魔法陣が動いてるって事だ。あのスカルドラゴンが誕生したと同時に停止したか壊れたと思ったんだけど、どうやらそうじゃないらしい。
「この魔法陣が動いてるって事は、なにかスカルドラゴンと繋がりがあるのかもしれません」
それがシルクちゃんの見解。何かがここに残ってれば……そう思いつつ僕たちは領主の屋敷を隈なく漁る。するとアホなメカブがやってくれた。壁に掛けられてた鹿の首の剥製。それの角を触ってたらグルンと稼働して隠し扉が開く。おいおいマジかよ……と僕たちはおもった。そして鼻高々のメカブにイラッとした。
僕は思わずそんな声を出す。だってあいつ、あのスカルドラゴンはいきなり自分達に背を向けたんだ。そしてそのまま飛び去ろうとする。おいおい、それでいいのか竜種! もっと竜種ってプライド高い生き物……いやアレは生きてないけど、そういうものだと思ってた。一度狙いを定めた相手に背を向ける? そんな竜聞いたことないぞ!!
「逃がすか!」
そう言ってメカブの奴が初級の回復魔法を連発する。けど流石に初級ではスカルドラゴンを止める事はできない。奴はどんどん遠くに行って、その姿が小さくなってく。おいおい空飛ぶモンスターがこんなさっさと逃げに徹するって出来る事がなさすぎな気がするぞ。僕たちは地上を走って追いかけるが……流石に空を飛んでる相手に追いつける訳がない。
そこそこスピードに自信がある僕だけど、これは地の利が違いすぎる。しかもこれで高度まで取られたらおしまい。せめてセラに聖典があれば……けどまだ新しくなったLROではそれをみてない。取ってないのか? それとも隠してるのかは知らないが、アレがセラの象徴みたいなものだった筈。取ってないとは思えないけど……聖典はそこまで取るの難しく無いと聞いてる。
操るのがゲキムズだから使う人が居なかっただけ。けど、セラはその聖典を同時に八機まで操れてた。それはもう破格の所業。あれを捨てるなんて事はありえないと思う。
だから僕はセラを見る。
「なによ?」
「いや、こここそ聖典だろ?」
「……」
なに、黙秘権発動してんの? 取ってないのか? 僕はアイリの方へ視線を向ける。セラはアイリのメイドだ。つまりアイリはご主人様。それなら何か知ってるんじゃないか? と。けどアイリも首をふるだけ。それ以上は何も言わない。つまりはなにも知らない? そうこうしてる内にスカルドラゴンは見えなくなった。僕たちは息を切らしてスカルドラゴンの消えた空を見つめる。
そして最後尾で走ってたメカブの奴がなんとか息を整えてこういった。
「今日はこのくらいにしといてやるわ!」
もうほんと小物臭いなこいつ。
「とりあえず逃げられたものは仕方ないですし、街の様子を確かめに行きませんか?」
そんなシルクちゃんの提案を拒否する理由はない。もしかしたら生き残りがいるかもしれない。けどそんな希望は叶わなかった。街には人っ子一人いない。確かなゴーストタウンと化してた。孤児院ではオウラさんが崩れ落ち、それをメカブが慰めてた。なんかちょっとズレてたが、メカブだからしょうがない。そして僕たちは今、領主の屋敷に来てる。
前も一度きたけど、その時はこそこそと大変だった。けど今はそんな必要もない。だから堂々と入って、領主の私物を漁ってる。盗賊の様な行為だけど、これも必要な事だ。どうしてこんな事をしたのかとか、あのスカルドラゴンの弱点とかがわかるかもしれない。
街に戻って気付いた事がある。それはまだ街全体に広がってる魔法陣が動いてるって事だ。あのスカルドラゴンが誕生したと同時に停止したか壊れたと思ったんだけど、どうやらそうじゃないらしい。
「この魔法陣が動いてるって事は、なにかスカルドラゴンと繋がりがあるのかもしれません」
それがシルクちゃんの見解。何かがここに残ってれば……そう思いつつ僕たちは領主の屋敷を隈なく漁る。するとアホなメカブがやってくれた。壁に掛けられてた鹿の首の剥製。それの角を触ってたらグルンと稼働して隠し扉が開く。おいおいマジかよ……と僕たちはおもった。そして鼻高々のメカブにイラッとした。
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