命改変プログラム
809
「はぁはぁ……」
肩で大きく息を吐く。紫色の空が照らす地に溢れるアンデッドと化物達。そのどれもが元は人。領主の私兵共がなった化物は実際そんな強くは無かった。見た目がグロく屈強そうではあったけど、それだけ。問題はこいつらにも不死の特性があるってことだ。だからさっきから倒しても倒しても意味がない。しかもこいつら、死なないのを良いことにだんだん大胆になってきてる。
多分痛みも無いだろう。だから腕を切り落とそうがもう動じなくなった。そのまま突っ込んできてなんとか僕を捕まえようとしてくる。最初は人の感覚があったのか幻痛でも感じて怯んでたのにそれももはやない。
まあ僕だけなら薄鈍いこいつらに捕まるなんてないんだが問題は――
「ちょっ、私を誰だと思ってるのよ! インフィニットアートが火を噴くわよ!!」
寧ろ吹かせて見ろと思う。こいつが言うインフィニットアートが火を吹いた所を見たこと無い。とりあえずメカブを捕まえてる奴を切り刻んでメカブを助け出す。けどさっきからこれの繰り返しだ。このままじゃ体力が持たない。
「なかなかやるな。だが、そろそろ消えろ。計画にお前たちは必要ない」
そんな事を言うと何やら不自然な風を感じた。すると切り刻んだ奴等かぐちゃぐちゃと混ざっていってドロドロな巨大な塊になった。
「グアアアアアアアア」
大きな口を開いて覆いかぶさってくる。どうやらその質量に物を言わせる気のようだ。切った所で意味なさそうだな。ここはとりあえず――
「避ける!」
メカブを抱えて素早く動く。でっかくなったからって避けるのは簡単だな。まあ僕が速いってのあると思うが。とりあえず大本がそこにいるのに、いつまでもこんな雑魚を相手にしてる必要もない。さっきまでは数も多かったからなかなか領主へ手が出せなかったが、領主自ら、自身の守りを手薄にしてくれた今なら話は別だ。僕はメカブを投げ捨てて領主へと向かった。
いきなり真っ二つにするのもどうかと思うが、こういう時は躊躇ったら駄目なのは経験で証明済み。だから僕はその首を狙った。こいつはただの人。戦闘が出来る奴でもない。反応は出来ない筈。気付いたら首が飛んでる……そうなるはずだった。
「ちっ」
領主へと突き立てた剣は見えない壁に阻まれる。この可能性は考えてはいた。だから焦らず次の行動に移る。一撃で抜けないのなら、連撃である。けど領主は微動打にしない。
「いいのかな? 後ろに来てるぞ」
「つっ!」
混ざりあった奴が後方からその身体を伸ばしてくる。図体全部を動かすのよりも何倍もそれは速い。対応しない訳には行かなかった。斬った所で意味はないし……僕はチラッと宝石を見る。この黒いのを倒すには超強力な一撃をかます意外にない。それなら……
「メカブ、目と耳を閉じとけよ!!」
そう伝えて僕は右側のフラングランを振り抜く。閃光が薄暗かった街を照らす程に光り輝いた。
肩で大きく息を吐く。紫色の空が照らす地に溢れるアンデッドと化物達。そのどれもが元は人。領主の私兵共がなった化物は実際そんな強くは無かった。見た目がグロく屈強そうではあったけど、それだけ。問題はこいつらにも不死の特性があるってことだ。だからさっきから倒しても倒しても意味がない。しかもこいつら、死なないのを良いことにだんだん大胆になってきてる。
多分痛みも無いだろう。だから腕を切り落とそうがもう動じなくなった。そのまま突っ込んできてなんとか僕を捕まえようとしてくる。最初は人の感覚があったのか幻痛でも感じて怯んでたのにそれももはやない。
まあ僕だけなら薄鈍いこいつらに捕まるなんてないんだが問題は――
「ちょっ、私を誰だと思ってるのよ! インフィニットアートが火を噴くわよ!!」
寧ろ吹かせて見ろと思う。こいつが言うインフィニットアートが火を吹いた所を見たこと無い。とりあえずメカブを捕まえてる奴を切り刻んでメカブを助け出す。けどさっきからこれの繰り返しだ。このままじゃ体力が持たない。
「なかなかやるな。だが、そろそろ消えろ。計画にお前たちは必要ない」
そんな事を言うと何やら不自然な風を感じた。すると切り刻んだ奴等かぐちゃぐちゃと混ざっていってドロドロな巨大な塊になった。
「グアアアアアアアア」
大きな口を開いて覆いかぶさってくる。どうやらその質量に物を言わせる気のようだ。切った所で意味なさそうだな。ここはとりあえず――
「避ける!」
メカブを抱えて素早く動く。でっかくなったからって避けるのは簡単だな。まあ僕が速いってのあると思うが。とりあえず大本がそこにいるのに、いつまでもこんな雑魚を相手にしてる必要もない。さっきまでは数も多かったからなかなか領主へ手が出せなかったが、領主自ら、自身の守りを手薄にしてくれた今なら話は別だ。僕はメカブを投げ捨てて領主へと向かった。
いきなり真っ二つにするのもどうかと思うが、こういう時は躊躇ったら駄目なのは経験で証明済み。だから僕はその首を狙った。こいつはただの人。戦闘が出来る奴でもない。反応は出来ない筈。気付いたら首が飛んでる……そうなるはずだった。
「ちっ」
領主へと突き立てた剣は見えない壁に阻まれる。この可能性は考えてはいた。だから焦らず次の行動に移る。一撃で抜けないのなら、連撃である。けど領主は微動打にしない。
「いいのかな? 後ろに来てるぞ」
「つっ!」
混ざりあった奴が後方からその身体を伸ばしてくる。図体全部を動かすのよりも何倍もそれは速い。対応しない訳には行かなかった。斬った所で意味はないし……僕はチラッと宝石を見る。この黒いのを倒すには超強力な一撃をかます意外にない。それなら……
「メカブ、目と耳を閉じとけよ!!」
そう伝えて僕は右側のフラングランを振り抜く。閃光が薄暗かった街を照らす程に光り輝いた。
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