命改変プログラム
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色々な事情を聞いて、僕たちは出発の準備をすすめてた。本当は夜明けを待つのがいいんだろう。けどそれはむりだ。だってLROの時間はリアルとリンクしてる。夜明けってことはリアルでも夜明けという事になる。それは流石に無理。明日だって学校あるしね。いざとなればサボってってなるけど、そこまで切羽詰ってるわけじゃないし、まだそんな事はしたくない。
最低でも進級に必要な出席日数は確保しときたいしね。まあ既に三学期だし、大丈夫だろうけど。
「どうそっちは?」
「別に僕に用意することなんかないからな」
ローレの言葉にそう返す。実際僕がやったのは情報収集だけだ。RPGの定番、村の住人に片っ端から聴くってやつね。まあほとんど外になんかいなくて小さな家の中に入ってたからノックして扉を開けてもらって事情を説明して……となかなかに面倒だった。それに実際あのヒゲモジャ長老以上の情報はなかったしな。精霊がこのあたりにまで来てる理由をローレは探りたいようだ。
精霊というのはあんまり動かないらしい。だから住処を離れてこんな場所まで来るのは稀なんだとか。しかも攻撃をしてるとなれば更に……という訳だ。確かにそこは僕も気になる。長老の話では怒ってるらしいし、いくら話すだけって言っても怒ってるとそれも無理っぽそうだよな。大丈夫なのか? そんな視線を込めてローレを見る。
「まあ度合いによるわね。でもあいつだから厄介は厄介。サラマンダーは攻撃的なのよね」
「まずいじゃねーか」
めちゃくちゃ自信満々だったのに、マジでいけるのそれ? 一応神官の一人が監視目的でついてくるけど、二人が三人になった所で精霊には太刀打ちできないぞ。不安になってきた。
「大丈夫大丈夫、なんとかなるわよ」
すっげー楽観的なローレ。こんな適当なやつだったとは……いや、こんな奴のはずではない。僕が知ってるローレは強かで腹に一物抱えてる油断ならない奴な筈。絶対になんとかなる――その確信があるんだろう。ローレは前のLROでも精霊を集めてたんだ。きっとこいつしか知らない何かがある。きっとね。多分……あるよね?
「お待たせしました」
そういって若い神官さんがやってくる。その両肩には何やら人形の紙がのってる。なにあれ?
「式ね。どうやら、あの二人の爺は一緒に来る気はないけど、気にはなるみたい」
「なるほど」
ローレの言葉で理解した。もしも本当に言葉だけで精霊とコミュニケーション取れるのなら、その方法が是が非でも知りたいんだろう。精霊の力は絶大。だがその力を行使できる者は少ない。それはひとえに精霊が強いから。でもお手軽にその力を得れるのなら……色々と彼等は自身の出世コースを妄想してるかもしれないな。
「なあローレ、人でもシスカ教の上の方に行けるわけ?」
「そうね。難しくはあるけど……教皇は無理でもそれに近い位置までは行けるわよ。それに案外シスカ教はその国々で自由にさせてるしね。その国のシスカ教団でなら上り詰めれるでしょう」
疑問だった事が解決した。この人達は人だ。別にシスカ教はモブリだけの宗教と違うから別におかしくはない。けどサン・ジェルクではモブリばっかりだったんだよ。シスカ教の中枢はモブリって意識が僕にはあったんだ。
でも地方では違うのね。当たり前か。けどそれじゃあ、中枢をモブリが占めてるのに快く思ってないのはいそうだな。何か理由があるんだろうか?
「あんたはトリ頭なの? 女神シスカの寵愛を一番受けたのがモブリだからよ」
ああ、そんなこと言ってたな。なるなる。だからサン・ジェルクが総本山だった気もする。前の戦いのときに言ってたねそんなこと。
「けど、その不満はあるわよ。近いうちに内紛とか起こるかもね」
何故かそういうローレは楽しそうであった。こいつは自分が楽しめれば別に何が起きたっていいんだよな。そういう奴だ。
「さて、行きましょうかサラマンダーを狩りに」
「違うくね? お前会話だけでいいって言ったよね!」
物騒な事を口走るローレに僕はつっこんだ。戦闘とかマジ勘弁なんだけど……頼むぞローレ。世界一信頼おけないような奴の気もするけど、そう祈るしかない。
最低でも進級に必要な出席日数は確保しときたいしね。まあ既に三学期だし、大丈夫だろうけど。
「どうそっちは?」
「別に僕に用意することなんかないからな」
ローレの言葉にそう返す。実際僕がやったのは情報収集だけだ。RPGの定番、村の住人に片っ端から聴くってやつね。まあほとんど外になんかいなくて小さな家の中に入ってたからノックして扉を開けてもらって事情を説明して……となかなかに面倒だった。それに実際あのヒゲモジャ長老以上の情報はなかったしな。精霊がこのあたりにまで来てる理由をローレは探りたいようだ。
精霊というのはあんまり動かないらしい。だから住処を離れてこんな場所まで来るのは稀なんだとか。しかも攻撃をしてるとなれば更に……という訳だ。確かにそこは僕も気になる。長老の話では怒ってるらしいし、いくら話すだけって言っても怒ってるとそれも無理っぽそうだよな。大丈夫なのか? そんな視線を込めてローレを見る。
「まあ度合いによるわね。でもあいつだから厄介は厄介。サラマンダーは攻撃的なのよね」
「まずいじゃねーか」
めちゃくちゃ自信満々だったのに、マジでいけるのそれ? 一応神官の一人が監視目的でついてくるけど、二人が三人になった所で精霊には太刀打ちできないぞ。不安になってきた。
「大丈夫大丈夫、なんとかなるわよ」
すっげー楽観的なローレ。こんな適当なやつだったとは……いや、こんな奴のはずではない。僕が知ってるローレは強かで腹に一物抱えてる油断ならない奴な筈。絶対になんとかなる――その確信があるんだろう。ローレは前のLROでも精霊を集めてたんだ。きっとこいつしか知らない何かがある。きっとね。多分……あるよね?
「お待たせしました」
そういって若い神官さんがやってくる。その両肩には何やら人形の紙がのってる。なにあれ?
「式ね。どうやら、あの二人の爺は一緒に来る気はないけど、気にはなるみたい」
「なるほど」
ローレの言葉で理解した。もしも本当に言葉だけで精霊とコミュニケーション取れるのなら、その方法が是が非でも知りたいんだろう。精霊の力は絶大。だがその力を行使できる者は少ない。それはひとえに精霊が強いから。でもお手軽にその力を得れるのなら……色々と彼等は自身の出世コースを妄想してるかもしれないな。
「なあローレ、人でもシスカ教の上の方に行けるわけ?」
「そうね。難しくはあるけど……教皇は無理でもそれに近い位置までは行けるわよ。それに案外シスカ教はその国々で自由にさせてるしね。その国のシスカ教団でなら上り詰めれるでしょう」
疑問だった事が解決した。この人達は人だ。別にシスカ教はモブリだけの宗教と違うから別におかしくはない。けどサン・ジェルクではモブリばっかりだったんだよ。シスカ教の中枢はモブリって意識が僕にはあったんだ。
でも地方では違うのね。当たり前か。けどそれじゃあ、中枢をモブリが占めてるのに快く思ってないのはいそうだな。何か理由があるんだろうか?
「あんたはトリ頭なの? 女神シスカの寵愛を一番受けたのがモブリだからよ」
ああ、そんなこと言ってたな。なるなる。だからサン・ジェルクが総本山だった気もする。前の戦いのときに言ってたねそんなこと。
「けど、その不満はあるわよ。近いうちに内紛とか起こるかもね」
何故かそういうローレは楽しそうであった。こいつは自分が楽しめれば別に何が起きたっていいんだよな。そういう奴だ。
「さて、行きましょうかサラマンダーを狩りに」
「違うくね? お前会話だけでいいって言ったよね!」
物騒な事を口走るローレに僕はつっこんだ。戦闘とかマジ勘弁なんだけど……頼むぞローレ。世界一信頼おけないような奴の気もするけど、そう祈るしかない。
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