命改変プログラム

ファーストなサイコロ

本当の闇

「セツリ!!」
「セッちゃん!!」


 僕とシクラの声が重なった。どうやらシクラの奴等も本気っぽい。あれは演技とかそう言う類の物じゃない様だ。つまりは首輪が切れたって事か。


「ちょっ!? 何やってるのよこのバカ! アンタなんかがセッちゃんに触れるなんて、え〜と、う〜んとなんかバッチイよ!」


 爆発した筈のヒマワリの奴がピョコッと起き上がってその口を開いて無警戒に近づいていく。柊が止めようとしたけど間に合わずズカズカと寄ってくヒマワリ。そして黒い奴に触れようとした其の瞬間、奴が不気味に笑ったのが見えた。


「離れろヒマワリ!」
「そんな事出来るかぁ!! セッちゃんにこんな事––––え?」


 それこそ本当にガブっと言う音が聞こえた気がした。本当は余りの衝撃に世界が止まったかの様な静寂だったけど、きっと脳が補完したんだろう。ヒマワリの首筋に噛み付いた奴は肉を引きちぎり、それをクチャクチャと音を立てながら食べ始める。


「あっ……あああああああああああああああああああああああああああ!!」


 ヒマワリの断末魔の叫びが響く。それと同時に後方からも同じくらいの叫びが聞こえた気がした。視線を少し向けると、いきなりの叫びを上げたその人に周囲のプレイヤーはビックリしてるようだ。


(天道さんには刺激が強すぎたか)


 彼女は慣れてないだろうからな。モンスターとの戦闘経験だってないし、いきなりこの光景はきつかったみたいだ。ここまでで結構な死の現象は見てたと思うけど、ここまでハッキリとは見てなかったのかもしれない。
 まあ血が飛び出すとかの表現はないんだけど、寧ろ天道さんには繰り抜かれた首筋の変な光の方が衝撃だったのかもしれない。そんな天道さんをラオウさんが支えてる。彼女はこの位どうってことなさそうだ。


「上手くもないな。つまらない存在に格下げされてる。だぁがぁ! まだいい味が残ってる所もありそうだ!!」
「こっの––変態!!」


 再び食らい付こうとした黒い奴をヒマワリが殴った。それはまさに綺麗に頬に決まった。顔があり得ない程に曲がって黒い奴は動きを止める。だけど……グググと拳を押し返してくその瞳は狂気に満ちて、それは完全に捕食者の瞳をしてた。
 今のヒマワリじゃアレにダメージは与えられない。


「あっ……うっ……」


 言葉にならない声が漏れてる。もしかしたら今初めてヒマワリは恐怖という物に縛られてるのかもしれない。


「どうした? 貴様の拳はこんなんだったか? こうじゃ無かったか!?」


 鎌で地面を抉る黒い奴。その衝撃で転がったヒマワリ。だけどそのおかげでちょっとは距離が……


「なに……」


 砕けた地面の破片が浮き上がって奴の元へ集ってる。そして奴の黒い力が宿ったのか、それは第三の腕として奴の背中に装着される。


「あっ……ぐっ……」
「もっとだ……もっともっともっともっと食らわせろおおおおおおおおおおお!!」


 新たに生えた第三の腕で掴んだヒマワリを自身の元へ引き寄せる奴。このままじゃヒマワリが食い尽くされる! それは多分不味いことだ! 


「させるかあああああああああ!!」


 飛び出そうとした僕なんかよりもよっぽど速く出てたらしい蘭がその刀を第三の腕に向けて振るった。だけど力を失ったに等しい蘭の武器じゃ叩き切る事は出来ない。そもそもアレは既に天叢雲剣っぽくない。
 けどそんな何の変哲もない武器でも一瞬は動きを鈍らせる事くらいは出来た。その隙にシクラの奴がその髪を繊細に操ってするりとヒマワリを腕から引き抜く。なんだアイツ? 今どうやった!? 何故にヒマワリだけを引き抜けたのか謎だろ。
 けどなんとか妹を救出した二人は更に最大の目的であるセツリを見据える。だけどそれは間違いだった。一度態勢を立て直すべきだった。だって二人は自分達の力の減衰をまだ完全に把握してない。


「げげっ––かはああああああああああああああ!!」


 おかしな叫びが響く。すると第三の腕から更に分割して三人に食いついた。手だったものはヨダレをまき散らす口になってた。別に形は固定されてる訳じゃない様だ。


「ちょっと、調子に乗り過ぎじゃないアンタ……」


 シクラの周りの空気が震える。そしてその眼光に黒い奴の動きが鈍った。どうやら苦手意識というか、前の感覚がまだ残ってるようだ。


「蘭姉、ヒマをお願い」
「シクラ、何する気だ!?」
「当然、犬はもう一回躾けなおす!!」


 シクラは髪を利用して瞬間的に加速して懐に入り込む。速い……ああいう動きはまだ出来るのか。多分基本的な能力は高いままなんだろう。特殊な存在なのは変わってないからな。


「直ぐに助けてあげるからね☆」


 抱えられたセツリの方をチラリと見てそう言ったのが聞こえた。実際、黒い奴だって集めたコードはほぼ初期状態に戻ってるか既に開放されてる筈。どっちにしても他人の蓄積された経験を食って強化されてた存在だから、力は格段に落ちてるはずなんだ。
 シクラ達の力自体が落ちてるのが良い証拠だ。まあこいつらの場合は存在自体を組み込んだってのもあるけど、多分力はリンクしてた筈だ。
 だってコード食って回ってたのはこの黒いのという情報だったからな。それなのにシクラ達も大幅に強化されてた。そして何回もこいつらがコードを求めてたのは見てる。つまりは黒い奴の存在はコード集めでもあったんだろう。
 それだけとも思えないけど、食うだけでコードを奪える様だし、シクラ達がやってた手順よりは簡略化されてる。勿論僕がやってたのよりも。あの黒いの考えなしにやってるっぽいからな。それが一番特徴的な力なんだろう。
 まあだけど奴の力の残り具合は異常だ。プレイヤーの力は初期化された。それなら一番影響をうけるのはこいつの筈だと思ってた。そもそもそれ依存で生まれた存在だろうし。そう思ってると、シクラの奴は自分の腕を黒い奴の胸に突っ込む。


「さっさと全て返しなさいよ。アンタの存在なんてノイズ意外にないんだから」
「あっ……がっ、ぐぎゃがっががががが!」


 シクラの奴は奴の体内から何かを取り出してる? 青い光と共に引き出されるそれは……


「法の書か」


 レシアが作り出した黒い法の書。それが奴の存在に組み込まれてた様だ。なるほど、だからこそアイツは力を残せてた。というか、法の書で無理矢理引き出してた。でもなんでアイツに法の書が……とは思う。奴自身に組み込まれてたって事は、この戦闘が始まった時から奴へ託されてたって事じゃなかろうか?
 それで何か重要な役目を担ってたんじゃ? だからこそ奴は今まで戦闘に現れなかった。だって奴こそが一番の戦闘狂だ。それが存在を見せないなんておかしいからな。シクラに無理矢理何かをさせられてた……と考えるのが自然。 僕はてっきり、法の書はセツリが持ってると思ってたんだけど、これ目の前の光景が真実ならそういうことだろう。
 多分その理由があの黒い奴の存在理由でシクラがアレを作り出した真相……なんだと思う。


「渡すか……もう貴様の指図などうけつけぎゃあああああああああああああ! 俺は!! 自由らあああああああああ!!」


 もう一度大きく地面を叩き割る奴。肉体に加わる破片は更に数本の腕となり、その腕からは炎の剣が現れてる。あれは蘭の力の一部? さっき食った部分で力を得たのか。でもそれなら蘭だけに留まらないんじゃ……そう思ってると、奴の肉体に組み込まれずに黒く成ってる破片に気付いた。そしてそれの一つがシクラの後方から首筋と頭の境目位の所に突進した。


「がっ!?」


 注意を新たな腕と炎の剣に向けてたシクラは無警戒な後方からの攻撃に崩れ落ちる。そしてそれをニヤリと見て奴はその腕の一本を振り下ろす。


「させ––ない!!」


 そう言って天扇を振るう柊。だけど当然今までの様な威力はない。吹き荒れた冷気が僅かに関節部分を凍らせる程度しかできてない。僅かな時間稼ぎ。だけどその僅かな間にもう一人が走ってた。振り下ろされた炎の剣が地面を抉る瞬間、「ああん!」とか言う声と共に百合がシクラ共々、なんとか回避してる。
 そしてタンタンタンとそのカスタネットでリズムを刻む度に、時間が飛んだかのように、次の瞬間には僅かな距離をとってる。時間操作の力は残ってるみたいだな。それでもあの程度じゃ回避にしか使え無さそうだけど、けどないよりはマシだ。おかげでシクラは助かったしな。


「百合姉……」
「なんとかね〜。けど……どうしようかしら〜」


 あんまり緊迫感がない声。けどきっとそれなりに真剣なんだろうな。あれでも。百合はゆっくりとした口調だから抜けてる様に見えるけど、あれでも長女の自覚はあるようだからな。


「あいつから法の書さえ取り出せればまだ……」
「あれは多分〜まだ自分の世界を持ってるんでしょうね〜」


 そんな会話を聞いてると、厳しい視線が何故かこっちに……


「なんだよ」
「アンタが奴も明確に組み込まないからこんな事に成ってるんだからね☆ バカァ」


 カチンと来た。案外余裕あるなこいつ。無駄に可愛い声出すのがムカツク。


「僕自身が明確にやってる訳じゃないし……そもそもアイツはどんな存在なんだよ」
「アレは……世界と人の裏側を集約した存在かな☆ だからそっか、消えないよね」


 何一人で納得してるんだか。お前が造ったんだろ。どうにかするのはお前の役目だ。飼い犬の面倒くらい最後までみろよ。


「どうした? そんな所で見てたらこいつを助けられないぞ」


 そう言う黒い奴は汚い舌を摂理に伸ばして、ベロリ––と舐めた。それは身の毛もよだつ様な光景。引いた僕達プレイヤーだけど、シクラ達からはブチン––と何かが切れる音がした気がした。それぞれの姉妹から黒いオーラが見える……のはイメージだろうか?


「ちょっと〜せつりちゃんに何しちゃってるのかな〜この便所バエは〜」
「本当にな。って! 便所……べん……じょ……などは乙女が使う言葉では……いや、奴は確かに許せぬ事をした。この脱糞野郎!!」


 おいおい、少し前の恥じらいはどこ行った。結局より酷い方向の発言になってるぞ。


「う〜んとえ〜と、取り敢えずベッコベコにしてやる!」
「頭の悪さがにじみ出てるけど、同意だから協力してあげる。アイツはやっちゃいけない事をした」


 ヒマワリに続いて柊も静かに闘志を燃やしてる。あの黒いのは超えちゃいけない一線を超えたらしい。


「皆怒り心頭って感じね。だけど闇雲に行っても今の私達じゃセツリちゃん救うことは出来ないわ」
「でも! 行かなきゃセッちゃんが食べられちゃうよ!!」


 そういって真っ先に駆け出すヒマワリ。一番ダメージ受けてるのにアイツは迷いがないな。普通はシクラの言ったこと踏まえて対抗策を練るものだけど……そもそもアイツ等こっちに頼ってこないな。まだ敵・味方のだから……というかはっきりしてないからな?
 僕達もアイツ等が動いてる分、動き出しづらいってのはある。でもこのままじゃセツリ達は食われるだろう。それはこっちにとっても不味い。どこかで参入するべきなんだろうけど……タイミングが難しいな。セツリを救いたい僕達意外に、この戦いに参加する意義はあまり無いしな。まあ奴を放って置くのは危険だと、ローレもオッサンも勘付いては居るだろうけど、皆力をなくしてるし、動くのは難しい。


「そうだな、今回ばかりはヒマの言うとおりだ。策略を巡らせてる暇はないぞシクラ!!」


 猪突猛進な二人が突っ込んで黒い奴の気を引きに掛かる。奴の攻撃パターンが解ってるからか、不意な攻撃に警戒しつつ、上手く連携を取ってかいくぐってる。数本の腕の猛攻もなんのそのだ。危ない時は外側から柊と百合がフォローしてる様だし、規格外じゃなくなると僕達とあんまり変わらないな。
 姉妹だけに連携もそつがない。声を掛け合わなくても視線だけでやりとりしてるようだ。あれか? 規格外だった時は逆に攻撃が強力すぎてやりづらかったとかだろうか? 上手い……けど、問題は今までの圧倒的な攻撃力が誰にもないことだな。どうやって倒す気だ?
 攻撃力だけで言えば蘭やヒマワリだったんだろうけど、黒い奴の方が既に上だからな。しかも二人共複数の腕の攻撃に晒されてる。避けるだけで精一杯なのは見てれば分かる。


(ここか……)


 僕なら……やれる。こっちにも法の書はあるんだ。僕にはまだ僅かなシステム権限が残ってる。それでセラ・シルフィングを戻せば、奴に止めを刺すくらいの事は出来るだろう。最後にマザーから貰った権限がそれだ。
 だけどそれを今使えば、三種の神器は役目を終える。まあ既に変わった世界に置いて今の三種の神器はそこまで意味を成してないけど……でも問題は逆に完全にその役目を移行してない事にある。


 セラ・シルフィングの顕現は最後の最後の残り火。法の書やバンドローム、それに愚者の祭典といったアイテムは新しくなった世界でも其の役割を変えない。だけど新しい世界には新しい三種の神器が必要で、いわば今は内部データの移行と新しい構築をやってる訳で、それが終わるまでは残り火を燃やし尽くす事は出来ない。
 つまりはまだセラ・シルフィングを顕現は出来ない。ついさっきまでのペースなら、あと数十秒って所だったはずなんだけど……今は移行自体何かに妨害されてる様に進んでないな。これじゃあ……


(間に合わないか?)


 てかどうして急に……心当たりは無くはないけど……多分黒い方の法の書が原因じゃなかろうか。あの黒い奴が無理矢理にその力を引き出してるのだとしたら、移行が進むわけがない。新しい世界にはどっちかが必要って訳じゃない。どっちも必要で、そして組まれる物は更に違う。


「俺が行くか?」


 そういって来たのはテトラだ。確かにこの場で最強はテトラだな。こいつは元が邪神というラスボスポジだ。今でさえその力は圧倒的に残ってる筈。初期化とかされるも何も最初から最強クラスだからな。


「セツリは消し飛ばすなよ」
「古きも新しきも神である俺を舐めるな」


 格好良く決めたテトラの奴は自身の周りに黒い靄を出し始める。そしてそれを収束してく。するといきなりポンと消えてこんなメッセージが。


『深度3を超える攻撃は現在受け入れ体制が整っておりません』
「なんだとクソシステムが!?」


 お前がそれ言っちゃ駄目だろ。多分強力過ぎる攻撃は世界に与える負荷が大きいから制限されてるって事なんだろう。まあまだ側だけ体裁保ってる感じだしな。あんまり派手に暴れられると崩壊するのかもしれない。
 そうなったら流石に僕達もどうなるかわからない。


「どうする?」
「ふん、力を抑えた所で今の奴になら充分だ」


 確かにそうだな。初期状態より多少強い程度なら、テトラが相当力を抑えても問題はない。


「退いてろ雑魚共!」


 そう叫ぶテトラ。雑魚とはヒマワリ達の事だ。力を無くした姉妹なんてテトラにとっては雑魚だな。


「なんかムカツク〜!」
「だが、我等では決定打に欠ける。散れヒマ!!」


 物分かりが良い蘭が膨れてたヒマに声を掛けて一斉に黒いやつから離れる。そして其の瞬間にテトラが攻撃を––––


「何?!」
「どうしたテトラ?」


 ––撃てない? どうして? 


「神? ふざけんなよ。貴様など結局は縛られた存在だろうがああああ!! そんなのは旨くもなんともない。貴様なんて俺からしたら数字と同じだああああああ!」


 そう叫ぶ黒いやつ。アイツ、法の書を使ってるのか? それしか考えられない。でも、不思議だ。こっちの法の書にはもう殆どの機能は残ってない。それなのに、向こうにはまだそれだけの機能が残ってると言うのか?
 いや、考えられない。けど起こってる現象はそうとしか……


(せつ……り?)


 ふと、僕の視界に入った眠り姫を見て思った。世界にとって結局一番の特別……もしかしたら……そう思ってると、黒い奴の体がなんだか大きく成ってるような。上手く避けてるように見えてたけど、蘭もヒマワリもそれなりに食われてたって事か? 
 いや、それだけじゃなく、ヒマの能力使って壊したものを取り込んでるから……か。


「俺こそ……自由。俺が全てを手に入れる。ぎゃっが! ががああああああああああああああああああああああ!!」


 デカくなった体から生えた腕が姉妹達を捕まえる。レシアだけ運良く捕まってないけど、他は全部捕まった。


「存在の糧に成るのは貴様等だああああああ! それとこの女。こいつを食えば、俺は俺はあああああ!!」
「止めろおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 でかい口の上にセツリを摘んで持ってく。シクラの叫びは虚しく響くだけ。僕も動いたけど……いかんせん武器がない! それでも行くだけ行くしかない!! すると空から、懐かしい札が降って来て奴の体に張り付いたと思ったら爆散する。これは……サクヤ? 地面に降りたサクヤは静かにセツリを寝かせた……と思ったら鼻を摘んでついでに口も塞ぐ。
 するとジタバタと直ぐにしだしたセツリ。


「何するのよサクヤ!」
「いつまでもバカな事をしてるからです。もういいじゃないですか。あんな奴に肩入れしてまで死にたいんですか? 逃げて……逃げて……ここまで来た」


 あれ? なんだかサクヤの顔色が悪いような。爆煙で周囲の視界が悪くなってるけど、彼処はまだ危険区域だと……


「そろそろ、前を向きなさい……ね」
「そんなの……サク……ヤ……」


 吹いた風が爆煙を流す。すると見えたのは、背中の半分や頭の半分が無くなってるサクヤの姿。


「そういえば、食べ残してたな。わざわざ食われに来るとはいい食材だよおおおおおお!!」


 猛り狂う腕がサクヤの体を無差別に暴食してく。


「あっ……あああっああああああああああああああああ!!」


 目の前で食いつくされてくサクヤを見てセツリは悲鳴をあげる。だけどサクヤは不思議とそんな自分の事はどうでもいいように最後まで口を動かす。


「切り開きなさい。その……キッカケは用意してある」


 そんな言葉をセツリは聞いてない。てか聞こえないだろう。目が釘付けで、頭もきっとそれでいっぱいだ。そんな中、僕はサクヤと目があう。助けないといけないのに……僕も動けない。


「ごめんなさい。あの鏡の子、助けられなくて」


 それは予想外の言葉。鏡の子ってノウイのやつか? そういえばデカイミラージュコロイドの後も姿を見せないと思ってたけど……それって……


「ノウイの奴はどうして……」
「あの子は……気高く、誇らしくを選んで死んだわ。私が利用して殺した。だからごめんなさい」
「なんだそれ!? そんなんじゃ––」


 明確な事を知りたいと願った。だけど、次の瞬間にはサクヤの姿はそこには無かった。すると空中から白いフクロウが降りてくる。そんなフクロウを僕達が認識した瞬間、映像が頭に流れ込んできた。



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