命改変プログラム

ファーストなサイコロ

可愛いはあざとい正義



「えっと……誰? てか何?」


 僕はこの光と水の空間で素っ裸な女の子に向かってそう言うよ。何って言うのは勿論彼女の存在を示してます。だって五種族のどれかなのかな? って感じだもん。
 もしかして耳にモフモフをつけてるだけなのかも……でも水浴びしてるときまで付けるかな? だけどこの子が人じゃなくモブリだとしたら……色々とおかしい。
 だってどうみても彼女、人間で言うところの小学生程度。実際LROではかなり細かく身長とか年齢決めれるし、別に人なら小学生に出来なくも無いし、実際に居るだろう。
 けど問題はこの子が人なのかどうかだよ。もしもモブリなら異常だしな。てかさ……なんかこの構図ってもの凄く変態ぽいよね。特に僕が。
 少女の水浴びを必死に覗いてるみたい。しかも全く視線を逸らそうとしないとか、僕マジ変態。だけど妙に彼女も堂々としてるからさ……ここで目を逸らす方が嫌らしいことでも考えてたんじゃないかって思われそうじゃないか。


 まあ既に変態言われたしな。それなのにタオルを取りに行こうともしない所をみると、実は見せたがりとか。少しだけ膨らみかけた胸とかを実は自慢したかったり……な訳ないか。
 僕は自分が思ってたよりも変態らしかったです。僕が軽い自己嫌悪に陥ってると、彼女は背中を向けて横顔だけをこちらに見せてくれる。
 うん、だけどその背中もなかなかエロいな。濡れてるのもあるのかも。お尻も半分位出てるし。もう少しで割れ目見えちゃうよ。


「アンタ、マジで一切視線を逸らそうとしないわね。どれだけ私の体に興味津々なのよ。てか、この声で分からない? 私が誰か? それならそんな役立たずな耳なんて切り落としなさいよ」


 こわ!? 可愛い顔してなんて怖いこと言う奴。余りに可愛いから血迷って本当に耳を落としてもいいかも知れないとか、一瞬変な意識が湧き出るじゃないか。
 やばいやばい、可愛いってもしかしたら最強の武器かも知れないぜ。だけどこの声は僕の本能を苛つかせるからある意味救いだな。
 イラッとくれば正気に戻れる。この声が僕を確実にイラっとさせてくれるからね。もう不思議な位にムカつくよな。なんだろう、やっぱり誰かを思い出す。そうそうなんか――


「君って僕が知ってる中で一番ムカつくローレみたいだよ。声だけは。声だけはね。後言葉もそうだけど、その口調は直した方がいいね。どう考えても損してるよ。
 折角可愛いんだからもっとブリッ子してた方が簡単に人を使えるぞ。まあだけどその声だけは本当に残念。いや、声事態は良いんだけど、いかんせん同じタイプの声で異様に高飛車で傲慢知己な女を知ってるから常にイライラしちゃうってだけだけどね。
 全体的にはきっとパーフェクトだよ。そのローレとか言うバカを知らなければきっと天使位に見えたかも知れない。それだけにあのローレが憎いね。僕にこの声に対してのマイナスイメージを植え付けたのは許せない」
「へぇ~そのローレって人は随分酷くて屑っぽいんですね」


 僕が饒舌に語ると、案外彼女は乗ってきてくれた。まあ必死にこの子の事は悪く言わない様にしたからね。あくまでも悪いのはローレです。そこ重要。


「本当に全く困った奴だよ。最初はリア・レーゼを統治してるし、シスカ教の御子とか聞いてどんな出来た人物かと思ってたけどさ、会ってみてあそこまで期待外れだった奴は今まで居なかったな。
 まあ心象がって意味だけど。実力はやっぱりあるんだなとは思ったけど、人として出来て無さすぎなんだよね。よくあんな奴がリア・レーゼを任されてるよ。
 どう考えてもLRO最大の人選ミスだ。まあそこまでアイツの事知らないけど……」


 なんかこんな子供に悪口ばっかり聞かせるのかどうかと思ったので最後は濁しておきました。純粋そうな容姿してるし、あんまり黒い事を伝えるのは――ね、教育上よろしくないよな。
 だけどその時、僕に俯き加減の彼女が歯を噛みしめて「ちっ」って舌打ちしたような気がした。だけどきっとそれは気のせいだよ。こんな可愛くて小さな少女が、そんな事する分けない。
 まあちょっと言葉が汚いけど、それもご愛敬の範囲だよまだ。


「そ……それならまだわからないかも知れないわ。案外そんな風に接するしか出来ない人とか、えっとこの街の代表なら威厳の為とも考えられるわよね?」


 さすが子供は純粋だね。知らない人をフォローするなんて言葉遣いの割には良く出来た子だ。僕の中の評価が五くらい上がったよ。
 だけど残念。それはこの子があの高飛車傲慢知己女を知らないから言えることだ。


「保つためなら可愛気があって良いんだけどね。そういうのはアイリには見えたよ。あっ、アイリって言うのはエルフの国の女王様ね。
 立場はそんな変わらないんだけど、彼女は出来た子だった。まあリアルお嬢様だし、そこら辺の教育とか受けてるのかも知れないな。帝王学とか。いや、それにしては親しみ安すぎる気はするかも」


 僕がぶつぶつ言ってると、彼女はいきなり僕に水を掛けてくる。


「何ブツクサ言ってるのよ。言いたいことはハッキリ喋りなさい」


 なんだかお子さまはイライラしていらっしゃる様だ。僕は結構濡れて髪の毛から水が滴ってる。光を反射しすぎな水は水滴一粒でも僕の顔を映す。
 そして床に貯まる水滴はスゴい銀色。ホント鏡だよ。だからこそもう少しこちらを彼女が向いてくれれば下乳が水面に映ったり……って、何を期待してるんだ僕は! 
 いくらそういう事が今まで無かったからって小学生は不味いだろ。せめて同級生程度まで育つのを待った方が……だけどある意味、同級生程度なら日鞠がいるからな。でもよくよく考えたらアイツ人の風呂は盗撮する癖に、ラッキースケベ的なハプニングを起こしてくれない。
 超不公平じゃねーか!? 小学生の裸を見てて思わぬ事に気づいちゃったよ。まあ無駄に迫ってくる事はあってもアイツの場合はもう馴れたしな……僕は新鮮なドキドキが欲しい。
 高校生だしな。けど幼女は不味いから、取り合えず、鼓動のスピードを抑えないと……ええとなんだったっけ? 確かハッキリと喋りなさいと怒られて水を掛けられたんだだったな。
 まだまだお茶目お茶目。


「はは、こりゃしてやられたや。そうだね言いたい事はハッキリ言うことが大事だよな。つまり僕が言いたいのは、アイツは威厳を保つとかじゃなく、自分がそうしたいからやってるって事だ。
 他人を見下して、自分以外は全て道具。しかもそれが当然で、世界はそうあらないといけないと本気で思ってる。だからそれを実現するためにあんな恐ろしい計画を……」


 僕は思いだして体をブルルって震わせる。案外わざとらしくだけどね。だけど彼女は意外と食いつかないな。だけど微妙に小刻みに震えてるし、きっと彼女も我慢の限界なんだろう。
 もう聞いてるだけで最低だもんな。


「計画って……そんなに酷い物なの? ちょっと復唱してみなさいよ」
「おう! えっと、確か……『シスカ教のシスカを私に置き換えてやる。そしたら世界中のシスカ教はローレ教になるから、私を崇め奉る様に成るわ』だったかな? 屑ってるだろ?」


 まあ多少違うかも知れないけど、大体こんな感じだった。それに目的が間違ってなければ途中の言葉が違ってもわかるだろ。だけどよくよく考えたら、子供には難しい話だね。わからないかも知れない。
 だけど案外あっさりと彼女は「そうね……」とつぶやいた。流石、可愛くて賢いなんて最強だな。だけど彼女はその瞳をこちらに向けてくれない。やっぱり体が震えてるな。もしかして寒いのかも知れない。
 そうだよ。だって今が暑い季節だからって実際ここじゃ関係ないし、この水かなり冷たいしで、そんな場所にいつまでも浸かってちゃダメだろ。
 確か良く日鞠が「女の子は下半身を冷やしすぎるとダメなんだよ」って言ってたし、実は辛いけど僕が見てるから上がれないのかも知れないな。
 しまったしまった。僕は急いで彼女にこう言うよ。


「ごめんごめん。そんなに震えて寒いんだよね。大丈夫、後ろ向いてるからその間に上がるといいよ。あとちゃんと服とかも着てくれると助かるな。
 流石に子供だって言っても女の子が裸のままってのは緊張しちゃうしね」
「何を今更……さんざん私の体舐め回す様に見てた癖に」
「なっ――舐め回す様には見てない! ほっほーこの位でも女って感じだな~ってしか思ってしか見てないし」
「……やっぱり警察に通報した方が良さそうね。将来ロリコンで捕まる前に、ここで人生終わりにした方が、リアルの幼女を守れるわ」


 酷い言われ様だな。だから別に僕はロリコンじゃないっての。可愛い子が好きなんであってだな……てか誰だって可愛い子には目を奪われるだろ。
 それが例え小学生位の子だとしても……それはきっと誰でもなんだ。だから寧ろ悪いのはその可愛さだよね。僕たちに罪はないと思う。可愛いは正義であって罪なんだよ。


「キモい犯罪者予備群の言い訳なんかどうでも良いわよ。いいからささっと後ろ向きなさい。出れないじゃない。それとも最初からそう言って後ろ向く気なんか無かったとか? 
 流石ロリコン。変態紳士の鏡ね」


 おかしいな……こんな可愛いのにイラつきの方が勝ってきたぞ。やっぱこの声のせいだな。てかマジでマジかな? どんどんトゲの部分が際だって来ると、その可能性も否定できなく成ってきたぞ。
 ふむ……まあまずは上がらせてやるか。着替えてもらっって答えを聞く方がいい。ロリコンとか侮辱だからね。


「誰が変態紳士だ。ちゃんと後ろ向くっての」


 僕はそう言って背中を向ける。すると「んっ」ってな感じの声とともに、ペチャピチャと水が落ちる音が聞こえた。そしてその後にペタペタと言う足音。なんか音だけでも色々と想像してしまうな。
 今僕の後ろには素っ裸の女の子が居るんだもんね。


(いやいや、なに考えてるんだ僕は。マジでこれじゃロリコン。流石にあの小ささは不味いだろ。心頭滅却だ。火もまた涼し……変な想像を膨らませるな!!)


 僕は必死に煩悩を押さえ込もうと努力する。だけど目を瞑ると余計におかしな想像が瞼の裏に現れ出しやがる。こうなったら般若心経でも唱えるしか――って、そんな詳しくしらねぇ!! 
 南無阿弥陀物~とか頭で繰り返してれば問題ないかな。くっそ、男子高校生はどんな女子の裸にも反応してしまって辛いよ。これはきっとこの時期の男にはどうしようもない事なんだ。
 それにLROでは漏れなく誰もが無駄に美女なのがいけない。小さくても良いかって思えるじゃないか!? まあ中身は二十歳以上かも知れなかったら合法なのか? とか思わず考えちゃうよ。


「全く、酷いことをしてくれるわよね。可愛そうな子」


 何の事を言ってるんだ? 僕は思わず少しだけ振り返ってみようとした。


「えっと……なんの事――」
「見るなロリコン!!」


 速攻で渇入れられた。別にあわよくばその体を拝もうとかは全然思ってなかった……とはまっさらな心では言えないけど、そっちが気になる事を言うから……僕は床に体育座りして小さくなるよ。 
 なんか傷ついた……自分に。


「ちょっと言い過ぎたかしら? 今のはアンタが連れて来て哀れにもこの泉に落とした子を介抱してたのよ。ねっ、酷いことしたでしょ?」
「……まぁ」


 そう言えばそんな奴も居たな。ここまで一緒に来た筈の偽。予想外の情報が視覚からダイレクトに脳に届いたから忘れてた。だって偽だもんな。そんな重要じゃないじゃん。重要だったのはローレの奴が身代わり使ってたって事で、どうしてそうしてたのかって事。偽事態にはあんまり価値ないよね。
 まあだからって確かに落としたのは悪かったかも知れないな。そんな考えを巡らせてると、ペタピチャと水を踏む音がなんだか近づいてくるような。
 何か羽織ったのかな? 僕は思わず振り返りそうになったけど、頭を巡らせてそれを却下。声で確認してみるよ。


「おい、もう良いのか?」
「…………」


 何故だろう。反応が帰ってこないぞ。だけど近づいて来てる感じはするんだよね。音も近づいてる気がするし……僕はもう一度聞くよ。


「おい、なんで無視するんだよ」
「うるさい、何かに付けてこっちを見ようとするな」
「してねーよ!! 自信過剰だろ! 誰が子供の裸で興奮するか!?」


 いや、めっちゃ意識してるけど、ここでそんな事言ったら、開き直った変態です。てか、この子まだ何も着てない訳? 何故だよ。何の為に水から上がらせたと思ってるの?
 そんな不満を思ってると、突然視界にきらきら煌めく綺麗な金色の髪の毛が見えた。それと同時に背中に掛かる僅かな重さ。首に回される細く華奢な透き通る様な白い肌の腕。
 一瞬ヒンヤリとしたけど、だけど直ぐにその体温が僕にまで伝わって来る。


(え? ええええええええええええええええええええええええええええええええええ!? 何これ? どういう状況だ!?)


 僕は突然の事過ぎて微動打に出来ない。てか、なんで抱きついてるの? それにこの子の息が耳元でソヨソヨしてるんだけど……しかもなんかちょっとエロいと言うかなんというか……な、何が狙いなんだ?


「本当に……?」
「え?」


 耳に触れそうな距離……というか故意に唇を耳に触れそうな位の距離まで持ってくその子。


「本当に子供の裸じゃ興奮出来ない? 新鮮よ。誰にも犯されてない純白の体だよ。一番に口を付けられる事って最高じゃない?
 誰よりも先に新鮮な体を摘む事は好きじゃないの? いっとくけど、世の中の大半の女なんて中古よ。一番美味しくて純粋で新品なのはもうこの時代、この位の年の子しか残ってないわよ。ねぇ……食べたい?」


 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 何言ってるんだこの子? どうしたいの? これはその……合法なの? 双方の同意があれば行っちゃっていいのか!? そう言う物なのか? 
 でも最近のニュースじゃ合意があっても教師が女生徒食って逮捕されてた様な。


「これでも……私を女ってみれないの? 子供?」


 そう言ってそのスベスベの肌を僕に押しつけて来る。何という柔らかさ……フニフニしてるよ。それに微かになんだか良い匂いもするような……男を狂わす香り。女の子ってホント、何でこんなに良い匂いが香ってるの?
 香水の様なガンガン来る刺激臭じゃなくて、何気に香る感じのこの香り……脊髄からやられそうだ。それに妙に体をクネらせて体全体を押しつけて来るし……ああ~もう! 色々と危ない部分が当たってる。そんな気がする。
 ドドドドドドドドドドド――と上から下に落ちる浄心水の滝の音。だけどその音とシンクロするくらいに僕の鼓動も高鳴ってる。今にも心臓が破裂しそうです。


「ねぇ?」


 すっごく艶っぽい声を耳元で出す彼女。やばいあざと過ぎる……だけど逆らえない。


「ええっと……その……あの……そりゃあ確かに美味しそうとは思うけど……」


 僕はしどろもどろな言葉を何とか絞り出す。すると首に回してる腕をギュっとして可愛い声を今度は出しやがるんだ。


「え~? なぁに? わかんないよ。ハッキリ言ってくれなきゃ……私だって恥ずかしいんだよ。女の子がここまでしてるんだよ? そ・れ・で・も…………ダメ?」


 ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバアアアアアアアアアアアアアアアアアオオ!!
 こんなの反則だろ!? 理性が……理性が遠いところに行こうとしてる。その時、僕には見えたよ。自分の心の悪魔って奴がさ。そいつは僕の肩を叩いてこう言うんだ。


『良いじゃないか、世間がなんだっていうんだ! 生きたいように生きて何が悪い? 子供を好きで……ロリコンで、それの何が悪いんだ! 自信持てよ、実は一人なら法律でもオーケーだ』


 ――ってさ。天使は出るまでもなく、僕の心は決まりました。ゴクリと喉を鳴らして、僕は絡まってる腕に手を添える。


「だめ……ジャない」


 恥ずかしい事に声が裏返ってしまった。なんてこった。だけどそんな事、気にする暇もなく彼女は天使の声で迫ってくる。誘いは悪魔の誘いなんだけどね。でももうそう言うのはこの時点ではどうでも良いです。


「んん? もっとハッキリ言ってよ。食べたいですって……幼い女の子を食べちゃいたいですって言って」


 なんて危険な台詞だ……そんな事冗談でも言える訳ないけど、今の僕のテンションはおかしいのだ。この子の誘惑に完全に頭クラクラしてるからね。
 だから添えてた手を今度はガッチリと彼女の手を強く掴んで言うよ。自分を……越えて見せるよ!!


「食べたい! 幼い女の子って言うか……君を食べたいんだあああああああああ!!」


 決意を込めた宣言。それはこの場に響きわたる。なんだかおもいっきり声を出したら何かが吹っ切れた気がするぜ。無くしちゃいけない物を捨てた気もするけど……


「ぷっ――」


 ん? なんだか耳元で変な音が聞こえたような。そう思った瞬間、ケラケラと笑い出す彼女。


「――あはははははははははははははははははは、ホントに言うなんてどれだけロリコンなのよ。てか、面白過ぎ。お腹痛い。あははははははは!」


 えっと……まさかこれって……ハメられた? そんな、あんな可愛いかったのに、声以外! 彼女は僕の耳元でジタバタしながら見悶えてるよ。てかバシバシ叩きすぎだろ。
 でも僕は何も出来ない。だって呆然状態なんだ。自分の中の天使が『ほら、いわんこっちゃない』とかヤレヤレな感じで首振ってる。
 予想してたんなら、もっと頑張って出てこいよ。悪魔の野郎速攻で逃げやがったぞ。


「わ、笑いすぎだろ! こっちは精一杯だな……」
「喋るな変態。口を慎め変態。私と同じ空気を吸えるだけでありがたいと思いなさいよ。それだけでご褒美でしょロリコン?」
「誰がロリコ――」
「あら、まだそんな事を言うの?」


 そう言ってウインドウを表示させて映し出すのはさっきの僕の映像だ。


「…………………………何これ?」


 そう言うしか出来ないんですけど。


「ロリコンの証拠映像。まあ別に認めなくても良いけど、これを見た人はどう思うかしらね? ロリコンじゃないって認めてくれるかしら?」


 なっ……なんて恐ろしい事をやりやがるんだこの子!? 天使の様な顔した悪魔じゃないか!! しかもサタン級だよ。こんな事が低級悪魔に出来るとは思えない。


「余りにもアンタが騙しやすくて助かったわ。面白かったしね。だけど一つだけ気に入らない事があるの」


 そう言って再び僕の首に手を回すその子。すると今度は甘えた様な声を出さずに一気に力を込めて首を絞めだした。


「誰が高飛車で傲慢知己な女なのかしら? 好き放題言ってくれたわね!!」
「ぐぐぐぐぐぐ――――かはっ……お前……やっぱり……ローレ……なのか?」


 首を絞めあげられながらも僕は必死に首を回して声を出す。するとその子は更にしっかりとその細腕で首締めを決めてニッコリ笑う。


「ええ、その通り。私がローレ。このリア・レーゼの支配者。頭が高いわよ愚民」


 僕よりもずっと華奢な腕……なんとか解こうとするけど、ここまで決まってると、流石に力の差だけじゃほどけない物がある。しかも首ってのがこいつわかってる。一番の弱点的確に狙ってるもん。
 この性格と底意地の悪さ……そしてこの言動……間違いないこの子ローレなんだ。騙された! てか絶望したい! そんな思いと共に僕の意識は遠くへと誘われる。

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