命改変プログラム
なんだってお金で解決!
「どうぞ」
そう言って携帯を渡してくれた爽やかイケメンの人。なんだか周りでぶつぶつ言ってる大多数とはちょっと違う空気を放ってるな。
「ありがとうございます」
僕はお礼と共に、スマホを受け取り画面を確認。結構高く投げた筈だけど、別に壊れてる……なんて様子はない。本体のどこにも傷ないし、地面に落ちたと思えないな。僕がマジマジとスマホを見つめてたからだろうか、その彼が爽やかにニコリと笑ってこう言った。
「傷は無いと思うよ。ちゃんと地面に落ちる前に受け止めたからね」
「ああ、そうですか」
どうりでやけに元のままだと思った。まあ良かったと言えば良かったな。深く考えてなかったけど、ここでスマホを壊すなんて事になったら数時間の努力が無駄になる行いだよな。危ない危ない。
良くぞ無事だったよ。僕のスマホ。僕はスマホをギュッと抱きしめる。するとその時気づいた。メカブがなんかめっちゃこっち睨んでる。
いや、正確にはこの爽やかイケメン君をって事なんだけど……二人は知り合いか何かかな?
「ふざけないでよ。知らないわこんな奴。そう、こんな奴は知らない」
メカブはそう言って不機嫌そうにそっぽを向いて、気絶してるチンピラ共の元へ。そして何かゴソゴソと漁りだした。
おいおい物取りか? いくら酷い目に遭いそうになったからってそれは……
「そんなんじゃない。こいつらが私のスマホを…あったあった」
ゴソゴソと服を漁って出てきたのは確かにメカブが持ってたスマホだね。なるほど、襲われた時に奪われたんだろう。それを取り返したって訳か。
「では、自分はこれで。イベント頑張ってください。ああ、それともっと大切に扱って上げないと、中の可愛い子が可愛そうだよ」
「え……はは、何の事やら?」
僕がメカブを見てると、そう言って軽く手を振って歩き出すイケメン君。てか不味い事言ったよね? シクラの野郎見られたのかよ。
素知らぬ振りしたけど、あれで誤魔化せる分けないよな。まあバレて何が不味いのか良くわかんないけど……とにかくあんまりシクラの事は知られない方がいいのかな? とか勝手に思ってる訳だよね。
まあだけど、あの爽やかイケメン君は勝手に大丈夫――の様な気がする。何が大丈夫かもよくわかってないけど、取り敢えず楽天的に思う。ここはLROじゃないしね。
「ふう、気に入らない奴だったわね」
スマホを回収したメカブが、僕の隣にまで来てそう呟く。僕には何でそんなに毛嫌いしてるのかが理解できないよ。
「そうか? スマホ救ってくれたし、爽やかで好青年って感じだったけど。女子にモテそうな顔してたぞ」
普通ならそれだけで第一印象は良くなるだろうに。やっぱり知り合いだろ? 意味深な風に二度同じ様な事言ってたしな。
僕はメカブをジトーと見つめる。
「な、何よ。私はあんな見てくれに騙されないの。天寿が言ってるわ。あいつは完璧に正確がねじ曲がった邪悪な存在だってね。
無限の蔵も二度と逢わないように気をつけた方がいいわよ」
メカブはイケメン君が消え去った方向を見据えてそう言う。だけど、それはどうやって気をつければいいのかわからんな。
そもそももう一度逢う確率なんて、すっごい低いし。そうそう何度も知らない人と出会える程、この世界は狭く無いだろ。
てか、そんな事よりもちょっと残念な事があるんだけど……
「お前……さっきはスオウって呼んでたのに、何でまた無限の蔵に戻ってたんだよ」
「え? なななによ。そんなのどうだっていいじゃない」
僕が思わず所を指摘したせいか、メカブの奴はちょっと焦ったようにワタワタしてる。そりゃメカブにとっては意外だったかも知れないけど、僕にとっては重要だぞ。
もうこれをきっかけにスオウでいってくれるのかと思ってたのに、何で恥ずかしい方に戻るんだよ。
「無限の蔵は無限の蔵だからね。そもそもアンタがそう言ったんだし、私がどう呼ぼうと勝手でしょ? そもそもそれを言うなら私メカブに納得してないし」
な……なんだって―――――! 今更な事をこいつも言い出しやがった。
「そもそも何がメカブよ。なんのカブよって感じ。すっごく納得できない」
「いや、だってメーカーオブエデンって長すぎだし……」
そもそもメカブってつけたのはシクラだけどな。よくよく考えたら最初から納得はしてなかったけど、僕が普通にメカブメカブ言ってたら不満そうでもなくなってたじゃん。
「それは諦めただけよ。妥協と言っても良いわね。だからアンタも妥協しなさいよ。そうじゃないと不公平だわ」
そう言ってずいっと僕に顔を近づけるメカブ。おいおい近いよ。それに何が不公平だ。こっちはちゃんとした名前を教えて貰えば、そっちで呼んでやるっての。
町中で「メーカーオブエデン~!」なんて呼べるか。いくらここがアキバだからって恥ずかしいだろ。僕達がそんな意味のないやりとりをしてる間に、それなりに集まってた人たちがバラケてく。
見せ物が終わったからもうここには用はないみたいな行動だな。まっ、いつまでも注目されたい訳でも、喝采を浴びたい訳でもないけど、取り合えずこの伸びきった奴らをどうすればいいんだよ。
「ほっときなさいよ。犯罪者に同情なんてする必要ないわ。どうせならこのまま干からびてほしいくらい」
酷い事をされたせいか、メカブがこのチンピラ共を見る目が、道路で潰れた蛙を見るみたいになってる。人として見てないな。まあ無理もないけど。
「それはまあそうだけどさ、この炎天下のアスファルトに横倒しは不味いだろ? 僕も経験したけど、このままじゃ火傷したっておかしくないぞ。
それに自分が倒したせいでこいつらが死んでも目覚め悪いし……」
殺したい程憎んでるって訳じゃないもん。流石に死んじゃうのは気が引ける。だけどそんな事を言う僕に、メカブは呆れた様なため息を漏らす。
「はあ、あれだけ大暴れしといてよく言うわねそんな事。それにそんな屑より、まずは自分の事でしょ?」
「え?」
僕が間抜けな声を出してると、メカブは近くの自販機で水を買って、それでまずはテッシュを濡らす。そして僕の鼻の辺りを拭き拭きする。何事か!? と僕は思わず動揺してしまう。
「ほら、血の後がついてる。みっともないから、ちゃんと拭いときなさい」
ああ、そう言えばちょっと反撃を食らってたんだっけ? その時確かに鼻血が出てた。それ拭いてくれたんだ。まさかメカブがそんな事をする気遣いがあるとは思わなかった。
これもギャップという奴か? ちょっとドキドキしちゃったよ。すると今度はハンカチを濡らして、僕の顔面に無造作に押しつけてきた。
「ちょ! 何だよこれは」
「冷やしとけって事よ。頭突き食らってたでしょ?」
もうちょっとやり方があるだろ――って言いたいけど、これがメカブの精一杯なんだろう。心なしか恥ずかしげに頬を染めてるし、そうそう受けれないと思える気遣いに僕はありがたくハンカチを受け取る事に。
てか、このハンカチ、なかなかラブリーな絵柄だな。体の半分が機械のクマさん模様だ。なんてったっけな? 確か今結構人気のキャラクターだった気がする。
僕はそんなハンカチをズキズキ鈍く痛む所に押しつけて置くことに。
「やっぱり警察でも呼んどくか。それで良いだろ」
「一生出てこれないように出来ないかしら?」
それは流石にちょっと無理だろう。メカブの気持ちも分かるけど、誘拐未遂程度じゃね。今の時代、一人人を殺しても数十年位で出てくるからね。
無期懲役や死刑を望むならそれだけ狂ってないといけない。けどこいつらは狂ってるって言うか、甘えてるだけ。そしてその甘えを求めて、だけど社会では受け入れてくれないから、こんな所まで落ちてるんだろ。
いっちゃうと、スッゴく似合ってるよ。この地面に倒れ伏してる様。まさに底辺って感じでお似合い。哀れでみっともない姿でも撮っておこうかとも考えた。
でも無駄なデータだしやっぱりやめて、電話発信の画面で110番を押す。
「なあ警察になんて言えば良いかな?」
「そんなの喧嘩して延びてるバカがいるんですけど~てな感じで良いんじゃない? あっ、どうせならナイフとか持たせてたら罪が重くなるんじゃない?」
そう言って周りをキョロキョロ見回すメカブ。なんだ? ナイフでも買ってくる気か? 少しでも罪を重くしたいようだなメカブの奴は。だけどわざわざこんな奴らに金を使う事自体が無駄だと思うけど。
僕は呆れつつスマホの通話ボタンに指を伸ばす。だけどその時、通りの先から四・五人の同類どもが走って来るのが見えた。
そして僕達を颯爽と無視すると、延びてるチンピラABCを持ち上げていく。
「ちょっとなにしてるのよアンタ達!」
そうメカブが声を掛ける。すると無言でこちらを睨んで来るチンピラD~その他の奴ら。どうやらバカな仲間を回収しに来たって所なんだろう。
なんかメカブをちらりと見て、直ぐに僕の方に視線を移動させるのは何なの? しかも僕を見る目はどれも、メカブを見るときの数倍の眼力。
どいつもこいつも結果だけで僕を睨むのやめてほしい。悪いのそっちだからな。てか、その程度で済んでる事を僕に感謝しても良いくらいだよ。
それなのに無言で睨んで来やがって……僕だって負けじと睨み返してやる。するとその時、回収班の来た方から聞き覚えのある声が聞こえた。
「何やってるお前等? さっさと回収だ!」
その声を受けて、ようやく僕から視線を外して、チンピラ共は仲間を回収する作業に移った。無言で声のした方へ仲間を担いで戻っていく。
「ねえあれって……」
「ああ、あの頭の光具合は間違いなくハゲだろ」
ここで言うハゲは、世間一般で言うところのハゲじゃないよ。ある特定の人物を指してのハゲね。まあハゲてるからそう呼んでるだけだけど、ようは前に僕が缶ぶつけて、そして宣戦布告された相手のハゲがそこにいた。
「すいませんねお二方。うちの若いもんが勝手な事をしちまった様でして。そっちはこれで済ませたくないかもしれませんが、どうか警察沙汰は勘弁を」
「何言ってるのよ! こっちは誘拐されかかったのよ。犯罪よ犯罪! 頭下げてどうにか出来る話じゃないわね。いくらアンタの部下がバカだからって、分別くらいつけさせなさいよ!」
ここぞとばかりにおもいっきり文句をぶつけるメカブ。まあだけど、その権利がこいつにはあるよな。誘拐はバカだからじゃ済ませられないよ。幾らなんでも。
だけどそんな風に言われてもぶれないのがハゲだった。
「非礼はこの通り。どうか勘弁してくだせぇ!」
そう言ってヤクザ特有の頭の下げ方をするハゲ。足を開いて中腰で頭を僅かに傾けるアレね。Vシネでよく見る奴だ。するとそんなハゲの行動を見て、慌て出すのは金魚の糞みたいにくっついてる二人のチンピラ。
「げ……ゲンさんがそこまでする事ないですよ! コイツ等が勝手に暴走した結果こんな風になったのに、それでゲンさんがそいつ等に頭を下げるなんて……そんなの」
「うるせぇ!! 文句垂れる暇があったらお前達も頭を下げろ!!」
勝手に動いてノされた奴らの事なんて――そう言った側がお叱りみたいな声をハゲから受けた。その声の迫力に、僕達も思わずビクゥゥってなったよ。
「ででも……」
「でもじゃねぇ。んな悲しいこと言うなよ。俺たちはな、酒を交わしたその時から家族なんだよ。俺はテメェ等の兄貴になったつもりでいるんだよ。
だから頭を下げる。兄弟を庇えない様な奴になってくれるなや」
「「あ……兄貴ぃぃぃぃ!!」」
ハゲの言葉に、感動を禁じ得ない様な腰巻きの金髪とモヒカン。なんか同じ様なやりとりを前にも見たような気がするんだけど、こいつらも飽きないよな。
「相変わらず暑苦しいわね」
ポツリとそう呟いたメカブ。その気持ちはよくわかる。まあだけど、やっぱなかなかハゲは良いこと言ったと思う。それでも金髪とモヒカン野郎は過剰反応し過ぎだけどね。
今度は二人も加わって頭を下げだすんだから良い迷惑だよ。
「「ふがいない兄弟を許してもらえませんかぁ!!」」
なかなかに全力な感じが伝わって来る。けどどうなんだろうな。許すかどうか……それは被害者のメカブの判断次第だろ。
「どうすんのこれ?」
僕は指さしてメカブに聞いてみる。するとメカブも「どうって……」って困り果ててる。まあもう引くレベルだよこの全力具合は。
てか、今気づいたけど、既に回収してる所を見ると、警察に突き出させる気ないよな? これはただの形式か。
「むむ、確かに考えてみれば真っ先にあのチンピラ共を回収したのは許しがたいかも。普通は誠意を見せてからでしょ?
ふん! 浅はかな人間め。そんなただ頭を下げる程度の行いで許されると思うなよ!」
ビシッと指を突き立ててそう言いきったメカブ。女の子なのに凄い度胸だね。一応ヤクザだろコイツ等。そこら辺忘れてね?
まあヤクザだからって遠慮するのも違うと思うけどね。そういう意味ではメカブの痛い所も結構好きだよな。こういうところの思いっきりの良さは設定の賜物だろう。だからそんな風に思ったことを素直に口に出してみた。
「はは、お前のそう言う所好きだよ。周りに流されずに、相手に流されずに自分を貫ける所」
「なっ!? ななななな、何言ってるのよ無限の蔵。突然どうしたわけ? そんな事言われたって私は別に……変な電波拾ってるんじゃない?」
お前にだけは言われたくない。折角ちょっと関心したのに、僕のこの思いを返せよこの野郎。
僕達がそんなやりとりをしてると、金髪野郎が頭を下げたまま苛ついた様に、こう言った。
「これ以上何を求めるんだよテメェ等。これだけしてやってんだろ。十分じゃねぇか!」
「十分? それは私達が判断する事よ。そう思って貰えるようにアンタ達加害者側は何度だって頭を下げるものよ。一生頭上がらない様にするものよ。
やっぱりただのチンピラね。礼儀すら押しつけがましいなんて、その一言で本当は悪いなんて思ってないのが分かったわ」
そう言ってメカブは僕にチラチラ視線を送る。何だよ? そう思ったけど、どうやら警察に電話しろって伝えたいらしいな。
「これだけしてんだぞ! ゲンさんが頭まで下げて!」
「黙りやがれ!! バカな事を何度も口に出すんじゃねーよ」
そう言いつつ、ゲンさんは顔を上げた。大きなサングラスをかけたその顔じゃ目は見えないな。だけどこの人の目はアレだから、この迫力を出すにはサングラスの力は必須なんだよね。
てかこのタイミングで顔を上げたって事は開き直るつもりかな? 僕はコイツ等がヤクザでチンピラな暴力上等の奴らだという目で見据える。
もしかしたら苦し紛れにメカブを襲い来るかもしれないからね。交渉が決裂したら、暴力に訴えるのがコイツ等だろ。
「確かに先にあいつ等を回収したのは間違いでした。そう思われても仕方ない。だけど、大切な家族をこんな石焼きの様な地面にほっとく訳にはいかなかった。
そこら辺わかってください」
「そんな気遣い、私には不快でしかないわよ。分かるけど、それは都合の良い言い訳にしか聞こえない。最初から都合の良いようにしてるじゃない。
それで頭を下げれば、後は自分達の事だから普通は関わりたくないとかで、勝手に済ませるとか思ったんだろうけど、私はそんな甘い女じゃないわよ」
おお、随分メカブが強きに攻めるな。なんか格好良いじゃないか。腰に手を当てて不遜にそう宣言するメカブに怯んだ様子は微塵もない。
なんだかアレだな。ちょっと日鞠に重なる部分があるな。あいつは滅多な事で怯まないし。いつだって自信満々だ。まあそれだけの力って物が日鞠にはあるわけだけど、そんな姿が今のメカブにはちょっと見える。
よくよく考えたら、あの痛い部分もちょっと共通してるかもな。
僕がそんな風に感心してると、ハゲが懐に手を伸ばした。ナイフか銃か!? 僕は取り出す前に腕を払おうかとも考えたけど、それは出来なかった。
何故ならメカブの奴が僕の服の裾を握りしめてたからだ。無意識にそうしたのかどうかはわかんないけど、やっぱり怖がってはいるのかも知れないな。
「仕方がねぇな。これは使いたくなかったんだが」
そう言うハゲ……一体何を取り出す気だ? 僕は取りあえず警戒しながらその腕から延びる物を見逃さない様に凝視する。
なんだか思ってたよりも薄っぺらいな。それに紙みたいに重力に負けて下に沿ってるし、見たことあるデザインなのも特徴的。
「これで示談を成立させてください!!」
「喜んで!!」
物凄い即決。目にもとまらなぬ速さでメカブの手は札束を握り締めてた。はやっ! 速過ぎるだろ! 今までのやりとりが嘘の様にメカブの奴はそれに真っ先に飛びついた。さっきまで強がってたけど怯えてる、ちょっと可愛いと思えた女の子はどこへ行った。
「てか、金って……」
「これも一つの手段だからな」
そう言うハゲはさっさと後ろを向いて立ち去ろうとしてる。まあ確かに一つの手段ではあるけど……なんか納得出来ないのは僕だけか?
既にメカブの奴は、ハゲやチンピラの事なんかどうでも良いみたいだし、なんなのこの僕の気苦労は?
「お前はそれでいいのかよメカブ?」
一応そう聞いてみる。だけどメカブの返事は「良いんじゃない?」だった。軽すぎだろ。金で解決して良い問題なのかよ。
まあ既に諭吉を数える目が金になってるメカブには何を言っても無駄だろうな。
「おい」
僕は去りゆこうとしてるハゲ共を無造作なそんな一言で呼び止める。
「ああまだ何かあるのか!? あんま調子にのってんなよ!」
「うるさい。雑魚は黙ってろ。お前なんかに様はない」
金髪を一蹴して僕はハゲを見据える。
「何かな? そんな怖い顔をして?」
「メカブはあれで納得してるようだけど、僕はそうじゃない。アンタ達は最終的にはあんな事をやる事もある……そう思ってた方が良いのか?」
それはもしかして僕達がアイテムを手にした時のリスクの話だ。でもただボコるだけで手に入るって訳でもないけど、こいつらだって追いつめられればやらないと限らないだろ。
「そうだな。そんな事をやる前に、同じように交渉する事を約束しても良い。金は裏切らないからな。今もそうやって交渉した結果、かなりの人員が集まったよ。
テメェ等はかなり調子が良さそうだが、直ぐに追いついて見せよう。俺達にはそもそも脅迫なんてやる必要なんてない。
地の力で勝ってるんだからな」
つまりは金をちらつかせて、更に手足に出来る奴らを増やしてるって訳か。どうせアイテムを手にして渡してくれたら何万とかくれるって訳か? でもそれって既に自分達の力でも何でも無いよな。
「それがどうした? ようはアイテムを手に入れる事が重要なんだ。最終的には俺達の手元にそれが来るのなら、手段は何でも良い。
俺達だって物騒な事はしたくないんだよ。だからその時がもしも来るのなら、考えてみてくれよ」
「勝負は最初から意味ないって事か? 僕達が先にアイテムをとっても、金か暴力で毟り取るつもりだったと?」
僕がそう言うと、ハゲは無い首を横に振る。
「あの時は、お前達がここまでやれるなんて思って無かったさ。そんな必要ないとな。だが一応は警戒してた。それがこうやって功を奏したわけだ。最悪の前に忠告出来ただろ? 考えとけよ。覚悟を持って」
ハゲ共はそう言って通りの向こうに消えていく。奴らにとって敵が増えた……そう思ってたけど、すぐさま買収始めるとは流石資金力が違うな。
更にライバルが増えたらしい今日この頃、僕達も再び動き出す。
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