命改変プログラム
第三の存在
「??? 一体何が……え? いつ戻って来た?」
頭の中に疑問符が一杯だ。いつもの見慣れた天井がそこにあるのが、今この瞬間にはおかしい。周りをキョロキョロ見回して、そして体の感触を確かめる。
「うん……やっぱりリアルっぽいな」
僕は一言そんな言葉を発して、頭に被ってるLROの入り口をコツコツ叩いてみる。まあ昔のテレビじゃ無いんだし、こんなのでどうにか成るわけでも無いけど。
てか、マジで何が起きたんだろう。僕は目を閉じてLROに入らないやり方で、この『リーフィア』の機能を使うことに。
別に普通に被ってるだけでも脳波を汲み取って、ネットとか最低限の事は出来るのだ。
オレンジ色の海で満たされた電子の海。大量の情報が、大量のスクリーンで展開される。それは流石に目が回る程の量だ。
流石ネット。だけど今は不要な情報はいらない。LRO関連を取捨選択してスクリーンを限定していく。まあそれだけでも、かなり多いけど更に厳選したのを四つ位に絞る。
それを見る限りどうやらこうなったのは僕達だけじゃない様子。いろんなコミュで『落ちた!?』とか『原因不明のサーバー停止!!』とか書かれてる。
LROの公式サイトに目をやると、やっぱり混乱が起きてるようで、サイトのトップにお詫びと冠された謝罪文が出てる。
てかそれを読む限り、マジで原因不明なんですけど……僕の頭には最後に聞こえたあの声が頭で反響する。
『いや……まだ逝きたくないの……』
なんだかゾワゾワと……背中がゾワゾワとする。あれが原因とは流石に言えないだろうけど、原因だったらマジでヤバいんですけど。
まあある意味で思いや意志で出来上がっていそうなLROなら、幽霊が混じってたとしてもそうそう気づかなさそうだけど……だってリアルよりは近しい存在で、そこに存在してそうだもんな。
「うう、時間が無いって言うのに……」
元々僕には五日の猶予しか与えられて無いのに、ここでサーバーの復旧の目処がたたない状況に成ってしまった。公式サイトには『早急な原因究明の後にLROのサービスを再開致します』とだけある。
つまりはいつに成るか分かってないって事だ。今日がダメに成ったら後何日だっけ? 三日? 今日がもう入れないとするならそうなるのかな?
ヤバいじゃん。なんとかクリエは取り返したけど、クリエの秘密も分かったけど……だからこそこれからって時だったのに、ここで一時休憩か。
「痛いな~」
僕はブツブツそう呟く。でもまあ結構入ってたし、キリもある意味良かったから、休憩のタイミングではあったよ。でもそれが一日と成ると話が違う。
数時間でなんとか復旧してくれないかな? 命掛かってるんで……頑張ってほしい所だよ。
「そう言えば……こんな風に成ったときって、LROの中は一体どうなってるんだろう?」
今までは気にしなかったけど、なんかクリエが心配だ。メンテナンスって事は全部停止させるのかな? でもそんな事が出来るのだろうか? LROって今は確か、佐々木さんたちの手に余る代物らしいし……なんか厄介な奴らまで出てきてるし……停止なんてある意味出来ないような。
でもプレイヤー全員を一瞬で外に出すって、それくらいの強制的な事が必要だよな。ある意味、本当にLROが落ちたのは一瞬とか? 今は普通に動いてるのかも。それならそれで……良いのかな?
中にいない間に状況が進んだりしないよね? どうなんだろうか? LROの場合、無くはない事が怖い。もしもそうなら、ノエインを信じるしかないな。
こっちにいたんじゃ、僕達は何も出来ない。文字通り世界が違う。近いようで、こうなったらおもいっきり遠いな。入り口が閉じられてしまうと、接点ってのがわかりにくく成る。
色々とSNSや、二チャンネルを回ったりしたけど、どこも同じ様な事しか書いてないな。
「ん?」
だけどそんな中、おかしな書き込みを僕は見つけた。どこもかしこも無責任な事を言い連ねるばかりの中で、何というか特殊な感じ。
タイトルは『LROシステムでの異常負荷の原因は、死者の魂にある!?』とか書いてある。まあいつもなら見もしないんだけどそんなオカルト。
でも今回はなんだか気になる。あんな事あったからな。しかも時季だけに。僕はその書き込みを開いてみる。
「おおこれは……」
なんというか……炎上って奴か? なんかバカにしたような書き込みが一杯・沢山・大量……いや、膨大だな。なんか真面目に語ってるこの持論の人が叩かれてる様相。
まあバカにしたくなる気持ちも分かる。実際僕だって、あんな体験なかったらバカにしてるし。よく見てみると、このスレを立ち上げた人は、自分で独自にLROを解析しようとしてる人っぽいな。
僕には分からない用語がスレに長々と乗ってるよ。何これ? C言語とか言う奴かな? そして赤くなってる部分が検出したバグとか?
どうにかしてこの人の熱意を伝えてあげたいけど……僕にはいかんせん、チンプンカンプンな内容だ。見てるだけで頭が痛くなるレベルだよこれ。
世界というか、宇宙が違いそうな感じだ。C言語とかプログラミングとか、秋徒の奴がちょっとやってたのを見たことあるけど……あれとはなんか違う。
いやまあ、あんなお遊びと、希代の天才が作り上げたLROのシステムを比べるのは雲泥の差があって当然なんだけど……なんというか、比べる以前に訳が分からないんだけど……同じ基盤の上に成り立つ物と思えないとでも言うのかな?
訳分かってない癖に何言ってんだ? って感じだろうけど、なんだか根本が違うような。てか、これがLROとは思えない。
こんなアルファベットと数字の集まりじゃ、世界なんて僕的には言えないな。超失礼な物言いだけどね。
「でも……これがどう幽霊に繋がるんだろう?」
まあそこが重要だったんだ。話は逸れたけど、今一度スレを眺めていく事に。
「う~~~~~~~~ん」
色々とちゃんとした説明があるみたいだけど……やっぱり良く分からないな。プログラムでの説明部分を省くと大体こんな感じかな?
『プログラム内でおかしな言葉が検出できます。実を言うと、LROでは良くそう言う目撃情報もあって、それが上がる度に見返すと、ちゃんとその印が残ってる。
彼らはここに意志を残しに来てるんだ!』
とかそんな感じだな。かなり電波な内容。痛すぎてご愁傷様だけど、今回検出された言葉はかなりハッキリ分かった様で、スレの最後にアップしてあったよ。
【ikitakunai】
 どこの幽霊さんが言ったか分からないけど……なんだか背筋が寒くなったのは僕だけかな? てか、不遇の死を遂げた人なら誰もが言いそうな台詞ではあるよね。それに僕達が聞いた声と、これが同じとは限らないし……
「ん……これは」
これで終わりかと思ったら、リンクがあるな。僕はそこを意志を伝えて開く。
「うげっ」
そしてまた引いた。どうやらLROでの幽霊の目撃写真とかを集めたスレらしい。ほとんどさっきのスレが炎上してるのに、更に別に立ち上げる物だからこっちも凄い事に成ってるぞ。
まあ面白半分で沢山の人が写真を上げてるみたいだけど、明らかにブレただけのとかある。だけどちゃんと見ていくと……なかなかバカに出来ない物もいっぱいあった。
それに実体件まで織り交ぜてる人もいる。まあどこまで本当かは分からないけど。
「なんかこれって……」
僕はそう呟いて思案する。だってリアルのTVで良くやってる心霊写真とかと、LROで撮られたそれ等は違う。リアルでは存在が薄いから、違和感が恐怖に繋がるけど、LROの写真は霞んじゃいるけど、人がそこに居る。
基本全身なのも特徴だな。これじゃあパット見じゃ気づかないかも知れない。てか、心霊写真か? と疑うのも多い。小細工をしてる訳じゃなく、なんだかとけ込んでるから、幽霊かイマイチ判断がつきにくい。
そしてそんな意見は僕だけじゃないみたいだな。『これ本当に霊なのかよ?』とかの書き込みも多い。すると分かりやすい特徴をこのスレを立ち上げた人が教えてくれてた。
『LROでプレイヤーと霊を見分ける方法は簡単です。一般的に言われてる足がない……それがLROに現れる霊の特徴』
その後のスレには『…………』が続いてる。多分みんな僕と同じように今までの写真を見直して、その心情を「…………」に込めてるんだろう。分かるよ。すっげー分かる。
いや、マジで見直すと上げられてる写真の人達には足がない。体とかは普通にあるから、その一部分欠けてるのが生々しいよ。
ああ~幽霊なんだ……って日本人はこれ見たら思うだろう。てか偶然撮れたってのが殆どで、町中に普通に居るぞ。写真で初めて気付いた感じなのがいっぱい。
勿論それっぽいのもあるけど……殆どが余りにも普通にとけ込んでるのが逆に怖いよ。スレにはこの時期は特に目撃例が多くなると書いてある。
やっぱり幽霊も季節や時季を気にするのかな? するとそんな大量の写真の一枚に僕の視線は止まる。顔は見えない。草原の高いところ、そこに一人の少女らしき足のない子が佇んでる写真だ。
しかも華奢な体の周りには青白い何かが見える。遠くから撮ってるから顔は見えない筈……何だけど、なんか見つめられる様な気がするんだよね。
こっちを向く態勢で、風に靡く髪を片手で防いでる格好だし、この写真を撮った人を見てたのかも知れないけど……でもなんだか……気になる。
それにあの少女はちょっと見覚えがあるような? 遠めすぎて良く分からないけど、でも最近あの位の年の子をどこかで……七・八歳位の体格で、薄手の格好してる。
タンクトップに短パンだ。あれ? これもなんだか言い覚えがあるような? なんだっけ? 髪は黒で肩よりも少し長い感じ。その後ろの髪はどうやら何かで束ねてるっぽいな。
なんか出てきそうで、出てこない。そもそもこの写真だけじゃ、ちょっと無理があるかもだな。僕が写真とにらめっこしてると、メールの受信を知らせるメッセージが響いた。
取りあえず写真から目を離して、僕はメールの確認をする事に。え~と誰からだろう?
「ああ、やっぱりだけどみんなからか」
メールの送り主は、テッケンさんを初めとした、冒険の仲間達だ。いきなりLROがダウンしたから、心配してくれてるみたいだな。
僕は取りあえず大丈夫な事をみんなに報告するために、メールを打ち返す。すると直ぐにテッケンさんからメールがまた返されてきた。
それと同時にチャットルームへのお誘いだ。成るほど、確かにメールで個別にやるよりも良いかもだな。面倒が減ってさ。
僕はテッケンさんが作って付けたのであろう、恥ずかしい名前のちゃっとルームへと入室する。そして真っ先にこう言った。
浅い電子空間内だからキータイピングの必要なんて無い。チャットなら、直接話す感じでいけるんだ。
【ちょっとテッケンさん、なんで部屋の前置きが『スオウ救出組』なんですか?
これじゃあまるで僕が助けられてるみたいじゃないですか】
目の前に現れたチャット用のウインドウに僕が喋った言葉が現れる。そしてすぐさまそれに反応する言葉が僕の言葉の上に現れる。
【間違ってなんか無いじゃない。アンタはクリエを助けようとしてるけど、私達はそんなアンタを助けようとしてるのよ。
そもそもその筈だったじゃない。アンタは誰かの為にを優先するバカだから、私達はアンタを優先してやってるの。ありがたく思いなさいよ】
僕はテッケンさんに言った筈だけど、言葉を返して来た奴はセラだった。ありがたくって、随分御着せがましい奴だな。
それに最近までどっちもあんまり乗り気じゃ無かったよなセラの奴。すると更にまた別の文字が画面上に現れる。
【そうですよスオウ君。スオウ君は忘れてるかもですけど、貴方だって私達に取ったら救うべき対象ですよ今回は。恩着せがましいのは許してください。
セラちゃんは素直じゃないから、ちょっとした棘で相手を刺激しないと助けたいって言えないんです。死なないでって言えないんです。
いわゆるツンデレなんです】
【ちょっとシルク様! なに言ってるんですか!? 言っとくけどスオウの事なんか全然心配なんてしてないんだから、勘違いなんてしないでよね!!
これがデフォルトなのよ私の!!】
なんだか感情に反応してるのか知らないけど、文字に色が付いて、字事態もボリュームで大きく成るんだなと初めて知った。てかツンデレね……それならウケるんだけど、もうちょっとデレの部分を増やしてほしいよな。
今のだって、きっと直接LROで会話してたら、絶対に殴られてるよ。まあチャットだから安心だけどね。はははと笑ってられる。
【まあ分かってるって。ツンデレなんて別に思ってないから安心しろ。どっちかって言うとツンドラだよな】
僕に対してだけね。でもこの言葉もどっかからの引用に成っちゃうな。まあ最近はちょっとマシに成ってきたけど、まさにツンドラだったんだよ。でもなんだか、フォローで言った筈のその言葉に、セラは【はぁ?】とか明らかに文字から見て取れる怒りを感じるんだけど。
ツンデレもツンドラもダメってどうすればいいんだよな。どんなキャラ付けで売り出してるのか分からない。
【私は普通よ。普通に接してるの、それを感じなさい】
【あれが普通って……明らかに僕だけ扱いが違うじゃないか。お前アギトやテッケンさんに聖典撃たないだろう? でも僕には撃つし。
あれで普通なら、どれだけバイオレンスなんだって事になるぞ】
【うう……それは……】
僕の言葉に詰まるセラ。ようやく自分の非常識差が身に染みたかな? するとその時、言葉に詰まってるセラの代わりに、シルクちゃんの言葉が現れる。
【だからそれはセラちゃんなりの不器用な愛情表現……だったりして?】
【だからシルク様やめてください!! 幾らシルク様でもこれ以上は許しませよ!】
マジでシルクちゃんに切れそうなセラ。なんとも珍しい事だな。するとそこで更に一人、めんどい奴が入って来た。
【そうっす! そうっす!! そんな訳ないっすよ。それにそれなら、自分だってある程度しごかれてるっす! 同じっすよスオウ君と】
そう言って現れたのはノウイ。みんなまだリーフィア被ったままでいるのかな?
【う~ん、でもノウイ君のとはちょっと違うよねセラちゃん】
【ええ――――って! 違わなく無いですから。どっちも役立たず過ぎて見てたら苛つくだけです!】
ズゴ――――――ンだよ。僕とノウイに謝れよ。いやまあ今のは慌てて言い繕ったってのは分かってるけども……一体何をそんなにムキになって否定してるのか、イマイチ分からんな。
別に少しは改善されつつあるから、僕は長い目でセラとは友達に成る予定だよ。だから焦らないでもいいのに――ってな感じだ。なんか違うのかな?
【さて、楽しく盛り上がってるみたいだけど、そろそろいいかな?】
僕たちが話題を関係ないほうへ持っていくものだから、テッケンさんが登場して、方向修正を計る。
【取りあえず、みんな無事で安心だよ。いきなり落ちちゃったからね。こんな事、LROが始まって過去一度も起きてないから、相当騒がしく成ってる。
原因はまあ……ハッキリとしてないけど、みんなに確かめておきたい事がある】
【確かめておきたい事……ですか?】
一体何だろう。なんだか真面目モードに移行したな。お遊びはいつの間にか終了してる。そして画面に現れたテッケンさんの言葉に「ああ」と思った。
【みんなはあの時……社のあの場所で……何か聞かなかったかい? 僕には変な声が聞こえた様な気……がするんだけど】
成るほど、そのことか。確かに気になるよね。自分だけだったら気のせいで済ませられるんだけど……もしもそうじゃなかったらと思うとね。気が気じゃないって感じかな。
てかみんな途端に口を噤んじゃったんだけど……それはある意味、みんな同じ心境だったって事か? 沈黙は有なりとはこの事だよ。
語らずともみんな多分わかってる。でも何も言わない訳にはいかないから、ここは僕が真っ先に声を上げてあげよう。
【ええ、僕も聞きましたよ。確かそう『逝きたくない』でしたっけ?】
すると僕の言葉を皮切りに、みんながカミングアウトしてくれた。
【やっぱり……僕だけじゃなかったんだね】
【みたいですね――で、どう思いますか? あの声は、その……幽霊ですか? 今LROでの幽霊の事を色々調べてるんですけど……結構あるものですね。
LROではリアルよりも存在を表しやすいのかな?】
テッケンさんの言葉に続けて、僕が現状を報告してみる。するとガクガクした文字がチャット画面に現れた。
【ア……アンタバカじゃないの? 幽霊ってそんな……非常識よ。それに何? 幽霊がLROをダウンさせたとでも言いたいの?
たまたまよそんなの。私達全員が同じ声を聞いたのもたまたま……そもそも私はこの方、幽霊なんて見た事なんてないわ。だから霊感なんてゼロなのよ】
まあ確かにたまたま偶然な可能性は高いよ。最近LROには自我を持ち始めたNPCが出てきてるし、そのせいでLRO事態を圧迫してたのも事実だろう。
今までとは違う感じに成りつつあるから、その対応の為にLROが休みを取ったとかさ。でもタイミングがバッチリ過ぎたのも事実。
それに僕にだって霊感なんて物は無いけど……みんながみんな同じ声を聞くって、そうそう無いよ。
【いやさ、このスレを見る限りだとかなりハッキリと見えてる訳だよ。町中に紛れてたとしてもきっと気付かないレベル。
お前だって実は幽霊と接したかも知れないぞ】
【はは……そんなわけ無いでしょう。それにスレに上がる情報なんて、信憑性に欠けるわね。そんなくだらいないスレなら特に。
それに今の加工技術なら素人だって心霊写真作れるわよ】
【まあ、それはそうけど……】
わざわざこれだけの数をねつ造するかな? それにやっぱり、テレビとかと見るのとは違う、変な存在感を感じる。この妙な生々しさも加工の賜なのか?
【おお、僕もそのスレ見つけたよ。成るほど、確かにこれはなかなか……このスレを立ち上げた人の思考はスゴいね。幽霊一体につき三百四十キロバイトの不可をサーバーに与え続ける事に成るためのLRO全体の停止、だとさ。幽霊がどれだけいるかわからないけど、一体が三百四十程度ならLROで受け止めきらない訳もなさそう……流石にこれには納得しかねるけど、この写真全部がねつ造とも思えない。LROでの幽霊の目撃例は前からずっとあったしね】
なんだ、やっぱりそうなんだ。テッケンさんが言うと説得力が違うね。するとそこで、耐え切らなく成ったのか
セラが話題を変えようとする。
【もう幽霊の話はいいじゃない。そうだったとしても何が出来る訳でもない。私達はこれからどうするかを話し合うべき。
復旧の目処は立ってないし、スオウあんた死ぬわよ】
【ハッキリ言うな! どうするって言ったって、こっちじゃ何も出来ないだろ。でも死ぬ気はサラサラないから、僕は鋭気を養う事にするさ】
セラの奴が軽々しく死ぬとか言うから、ちょっと不安になるな。まあ不安は元から奥にはあるけど……それにしても、本当にこれだけしか出来ない。何にも出来ない。
【そうだね。僕達はリアルじゃ無力なただの人。復旧の目処がたったらお互いに連絡を取り合い、再集合って事でいいかな?】
【【【了解】】】
テッケンさんの言葉で僕達はまだ深い夜に眠る。
コメント