美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

AA 6

「ふう……はあはあ」

 一週間ぶりにライブをやったからか、私はとても息切れしてる。ライブの最中はテンションで乗り越えたが……ライブが終わってステージから降りると、ガクッと疲労が来たよ。

「ラーゼ様!!」

 そういってプリムローズのリーダーであるミラが私を支えてくれる。ミラもこんな急のライブで大変だったろうにそこはさすがリーダーなのだろう。なんかその体が大きくなったように感じるよ。たった一週間寝てただけなのにね。

 それだけでも皆成長してるのかもしれない。

「ありがとうミラ」

 私はそう言ってミラの好意に甘えるよ。なんの準備もしてなかったし、告知だって、私がやる! といってから出したからライブの三時間前くらいだった。それなのに皆さんたくさん来てくれたし、街中でどうやらサイリウムを振ってくれてたみたいだ。魔法を使える人達はその力をつかって盛り上がってくれていた。皆が私の帰還を喜んでくれてた。これで頑張らないほど、私は薄情な女ではない。いい女を体現してるのが私という存在だ。だからこそ、期待には応えるよ。

 私こそが最高なイイ女ということを誰しもに認めさせたいと思ってるからね。そこら辺に妥協はない。

 楽屋……というか人種の国の城に私たちは戻った。私の個人的に居住してるのはエデンの方の城ではあるが、まあここも私の家みたいなものだ。流石に最近はここに泊まるなんてことはない。なにせここは今やカタヤとキララの愛の巣だからね。

 夫婦の営みを邪魔するほど、私は野暮な女じゃない。今も外の方ではお祭り騒ぎは収まってない。きっと今日は警備の人達は徹夜になるだろう。皆が騒いでる中、真面目に働かないといけないのは、とてもつらいと思うけど実際今は戦争中だからね。

 最後の戦いの只中であるのも事実。一週間前には敵側がエデンやここまで攻めてきたのも皆の記憶には新しい筈。だからこそ、警備とかを怠ることは出来ない。こういう浮かれてるときこそ、気を引き締めてる人達というのが重要だからね。

 今日頑張ってくれてる人達にはそのうちご褒美でも上げればいいでしょう。私が率先して解散を宣言でもしたら皆従ってくれると思うが、私の事を喜んでくれてるわけだからね。それはやり辛い。

 ずっと戦争の中、緊張感を持ってても疲れるだけだ。きっと皆も騒ぎたかったんだろう。だからきっとこれは必要なこと。そんなことを思って出されたドリンクを飲んでると、キララが赤ちゃんをつれてきた。キララとカタヤの子供である。なんかその姿を観て、私は意味もわからず泣きそうになったよ。

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