美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

AA 2

わたしの部屋にはこの国、いや私が担当してるエデンだけじゃなく、カタヤとキララが収めてる人種の国の重鎮達までいる。そして窓を見れば、大きな半透明の存在も……メルだね。後は魔王であるミリアとかも居る。なんだろうか、一週間位寝てたとかゼルは言ってるが、それよりも長く眠ってたような気もするし、別に全然そんなわけないような気もする。

 不思議な感覚。長い長い夢を観てたような……そんな気さえする。でもそれはきっとただの夢だよね。今は皆を安心させるのが大切だろう。

「皆、よくわかんないけど心配かけたみたいね。でももう大丈夫よ」

 そう言って皆を安心させた。とりあえず体調にはなんら問題がないってね。そうなってくるとなんで私が一週間も眠ることになったか……だけど、原因は一つしか無いだろう。それはラジエルのヤツの精をなめた途端に私は意識を失って一週間も眠ることになった。つまりはラジエルが悪い。あいつが自身の精に何かを仕掛けてた可能性は高い。

 それかヤツの精には何かがある……か。

「アイツと戦う上でアイツの能力を取り込んどくのが良いと思ったんだけどね」

 私は相手の精を接種することでその特性みたいなのをこの身に宿すことが出来る力がある。魔王であるミリアはそんな精を搾取するような面倒なことをしなくても相手の能力を奪うってことが出来る。でも私は体を合わせて絶頂を感じさせないといけないというね。

 まあなんか私が負けてる感じがあるが、一長一短な部分もあるからね。不満はない。面倒なだけだ。精が必要だから男というか男性体からしか能力を得られないと思うかもしれないが、そんなことはない。

 女性体だって絶頂はあるし、吹き出すものはある。それを得れば女性体だって能力を奪うことはできる。まあ奪うというか、私が得るだけだけどね。私が相手の能力を得たからと言って、その相手がその能力を失うわけじゃない。

 それはメリットもあるがデメリットもあるからね。だってそうだと仲間内から能力を集めるって事ができない。敵にはとても友好な手段になるけど、敵にしか使えないってのも考えものだからね。

「ラーゼ様、あまり得体の知れない物口に入れないでください」

「得体はしれてるよ。なにせ目の前で出させたんだし」

「ラーゼ様は何を口に入れたの?」

 ハゲの言葉に私が反論してると、首をコテンとさせてコランが疑問を口にする。しまった、ここにはコランもいたよ。コランはプリムローズの中で最年少。学年でいうと低学年くらいの年齢である。そんなコランには流石にまだ早い。精がなにか……なんてのはね。勿論性教育は女の子にはとても大切だと思う。

 女の子はできちゃった時の責任がとか体への負担が男性とは違うのだ。出すだけでいい男とは違う。受け止める側はできちゃったら命が宿ってしまうからね。勿論そのうち、その教育はするけど、今はまだ……だね。

「うーん、敵の血みたいなものだよ?」

「そんなダメです! ばっちいです!!」

「そうだね。お腹壊しちゃったよ」

 とか言い訳して誤魔化した。

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