美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H676

「勝負って何するのよ。わかってるでしょ? 本当はどっちが自分かってことくらい」

「ふん! そんなの……」

 それはもうわかってるって態度だよもう一人の私。でもまあこれは私のミスなのは確かだ。私は彼女に私が生み出した存在というのを植え付けてなかった。つまりはズラララバライトが言うような安全弁を与えていなかったのだ。だから自分こそが本物のラーゼだと思ったとしてもおかしくない。てか思ってるだろう。

 でも私は馬鹿な女を自称なんてしてないのだ。私は自分がそこそこ賢いとは思ってるからね。そしてそれは間違ってはないだろう。実際馬鹿な女が神にまで到れるわけはないのだ。

「私とあんたの力を比較したらどっちが本物かなんてすぐに分かるでしょ? まあ私だからこそ、認められないってのもわかるけどね」

 そうなのだ。力をみたらそれは一目瞭然だ。私は彼女に比べて圧倒的な力を有してる。だってそもそもが私かどうかを確かめるためにちょっとだけ自分の魂を切って入れただけの存在だ。そこには別に力なんて考慮してない。もしかしたらある程度の力は必要なのか? とか想って、過去の私と同じくらいの力は与えてるけどね。

 つまりは今は過去の私の力がちゃんとした私の体のやつと、私が作った失敗作……というのは彼女に悪いが、実際そう言うしか無い失敗作の体、2つにそれだけの力を分配してるのだ。

 でもそれでも私は彼女たちよりも圧倒的に強い。勿論、ただの力の強さで勝負は決まらないだろう。格上に策謀で勝ってきた私だし、そのくらいはわかってる。けどそれも私である。そして彼女たちも私である。なら勝てるどおりはない。

 それがわかるから、結局こうやってふてくされるしかないのだ。でもなんかそこで思い至ったようだ。なんか服を脱ぎだした。

「ねえ……宇宙一の美女とやってみるきない?」

「なるほど……確かに私ならそうするね」

 感心した。たしかに私ならそうするよ。戦っても勝てないのなら、私にメロメロにしたら良いからね。なにせ私は宇宙一の美女を自称してる。それならこうするよね。私らしいと言える。実際、私と私がくんずほぐれつするって傍から見たらやばいよね。

 ある意味で宇宙創造の様な神秘性が有ると言ってもいい。その場面を絵やら映像に残してたら、もう興奮どころの騒ぎじゃなく、涙を流す者達が続出するかもしれない。

 何言ってるかわかんない? 私と私がくんずほぐれつだよ? もういやらしいとか、エッチとかそういう次元じゃなくなるってことだよ。そこには神々しさしかなくなる。実際私も自分を抱くってどういうことだろう? って興味が無いわけじゃないしね。

 

「ねえ……」

 涙目で弱々しく、わざわざなんか風を起こして髪の毛ファサファサするという演出まで加えてる私。あざとい……けど……私の可愛さならそのあざとさすらカワイイに出来るんだよね。

(やば、私ってやっぱりめっちゃカワイイ)

 って落ちかけてる。

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