美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H664

私はとりあえず自分のこの好感度をちょっとでも最初から稼ぐ自分の能力とでも言うのか、それとも特性と言うのか、それを知るためにどっかに手近なドラゴンはいないだろうか? と思った。なにせなんだって知ることから色々と予定とかに組み込めるわけじゃん。それにこの力はきっと私が元から持っていた力だ。生まれた瞬間からあったと思う。これまで容姿だけで生きてきた……は言いすぎだけど、勿論運だってあったけど、でもきっとこの力も大きかったと思う。

 

 だからこれから再び過去に送り出す自分の素体にだって必要じゃん。もしかしたらこの力がなにやら運命というものを変える可能性だってないとは言い切れない。そして過去だけじゃなく、未来を変えるすべになるかもしれない。

 でもこういう力を正確に測るのってのは正直難しい。なにせ私でも理解してないからね。私は全く力を使ってるっていう感覚がないのだ。例えるなら生物が呼吸するようにそれを私は自然にしてるんだろう。私という存在が生きる上でやってることだから、多分もうそれは生命活動と同レベルなんだよね。

 そうなってるから、私にはなんの感覚もない。というか、普通は力を使ってるのなら、その分その力と言うものは消費するものだ。特に自分の中に作用するものでないのなら特に……だよ。自分の肉体に作用する……それこそ体内循環で完結できるパッシブスキル的なものなら、力を自分の中で回して永久機関的にやることも可能だとは思う。まあ普通の生物にはそれも難しくは有るが、神には出来る。

 でも今は神か神じゃないか……はそれほど重要じゃない。もっと簡単な、私は他者に作用する力を使ってるのに、エネルギーの減少を一切感じないということだ。これって凄いことだ。てか私が本当に何も力使ってないから、誰しもにこの特性が通ってる可能性はある。

「これって全く未知の力とか? 神や生命が今まで観測してない力だから感じようがないとか……」

『外宇宙の力か……』

「外宇宙?」

 なんか私のつぶやきにズラララバライトがそんな事を言ってきた。外宇宙ってのはその言葉通りだとすると、私たちの宇宙の隣り合った宇宙とかじゃなくて、もっとでかい括りで見た時の更に外の宇宙ってことだよね? 

『外宇宙は我らが観測しうる更に外の宇宙のことだ』

「そんなのが有るの?」

『さあな』

「さあって……」

『仕方がないだろう外宇宙へと行くすべはない。いや、宇宙の中心が爆発すれば、外宇宙へと繋がる道ができるというやつもいるがな』

「でもそれって、それでいうなら内宇宙、つまりは私や今いる神たちが管理してる内側の宇宙は全て消滅するんでしょう?」

『そう言われているな』

「どうやってその穴通るのよ? 宇宙の中心の爆発をやり過ごせる手段でもあるの?」

 そうじゃないと、その道を通ることなんて出来ないじゃん。けどそれに今ある宇宙全てを消し飛ばすほどの超エネルギーを耐えきるだけの術が必要で……事実上、そんなのは不可能じゃん。いくら神でも……いやドラゴンでもそれが出来ないから、無理だとわかってるから古龍たちで宇宙の中心を抑えてるんでしょ。

『今はどうしようもない。だが、研究してるやつはいるだろう。まあ見つけたところで言いまくるわけは無いだろうがな』

「でしょうね」

 そんな親切なやつならもういっそ中心を爆発させよう……そして皆で外宇宙へ! とかなりそうだもんね。いやわかんないけどさ。まあけどその動きはまったくないわけで……凄いことをしたら独り占めにしたくなる気持ちはよく分かる。

 自分の手柄だ!! ってしたくなるのはどんな生命体でも神で一緒だね。

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