美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H663

『貴様はいつも宇宙一の美少女――とかいってるだろう? それは冗談だったのか? 自信と言うのは力にも案外反映されるものだぞ。我にはそんなに効かないが、それでもふと貴様を目を追うような事はある。

 それは貴様の力がその心に応えるからだ。貴様よりも強い力の神など沢山いるだろう。だがどこか心惹かれる……そんな風に貴様は無意識下で力を使ってる』

「そうだったんだ」

 初耳だよ。実際、種族とか違って美的感覚が全く違う……それこそ宇宙さえも違う人達にまで好意的に接せられるその要因はきっとこれなんだろう。勿論私が超絶かわいいってのもある。あるが、きっと私の意識が無意識下の深層心理に何らかの働きをしてたと見える。

『だが、そんな強力……いや、強力なのか? なにせどんな者にも効いてるからな。我にもとはなかなかだ。だが、強制性があるような誘引力はない。そうただなんとなくのレベルだ。面白いな。それも貴様の心を反映してるのかもしれないな』

「確かに私は無理矢理可愛いとか美少女とか思われたい訳じゃないけど……」

 ちょっとは強制的に私を好きになっても……とは思わないけど……そこら辺を意識的に切り替えることが出来たら……実際凄い強い力というか、強力な武器になりそう。なにせズラララバライトにも通ってるらしいからね。

 私の魅力。魅力というか、私のその無意識下の力ね。ズラララバライトはほとんど最強のドラゴンと言っていいだろう。その最強さはほとんどの攻撃魔法なんてのはその鱗で弾き返せるし、精神系の魔法だってズラララバライトは何重もの防御でその精神を守ってるらしい。

 そんなズラララバライトに通ってる? 私は自分にびっくりだよ。ズラララバライトに通る力なんてのは多分ほとんどの神やドラゴンは防げない。と、いうことはほとんどの存在に私は魅力的に映るってことだ。

 最高か? 実際、その効果はそんなに高くは無いみたいだけどね。ズラララバライトが言ってたように直接的に好意を持つとか、好きになる……なんていう意識を改変するみたいな強力なものじゃない。

 ただなんとなく……ふと気になるとか、視線でその子を追ってしまう程度のちょっとした関心を引き出す程度のものみたいだ。だからこそズラララバライトも強力なのに強力じゃないみたいな事をいってるんだろう。

 その影響力は強力だが、効力としては無視して良いレベル――みたいな? でもわたし的には取っ掛かりさえあればいいから、このレベルでいいのかもしれない。実は私には1番丁度いい程度の力があったと、そういうことなのかも。

 私は皆に愛されたいと思ってるが、それを強制なんてしないし、力で無理やりってのは望んでない。でも私は私を知ってもらえれば好きになってもらえる自信はあるからね。

「アーミュラにもこの力通ってるってことだよね?」

『そうだろうな。それが決定的な高感度には繋がらないが、うまく使う事は出来るかもしれないぞ』

「アーミュラを落とすか……本当の意味で」

 それが出来るのなら、とっても楽しいと思わない?

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