美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H660

私は自身の領域にかえって来た。まあ一瞬なんだけどね。空間移動を覚えた私は宇宙のどこへだって一瞬で移動できる。色々とスパルタだったが、アーミュラの奴の特訓で私は神としてのレベルがかなり上った気がしてるからね。自身の領域の、自身の城へと帰ってきたよ。

「おかえりなさいませラーゼ様。何か食べますか?」

「デザートとお茶をお願いね」

「かしこまりました」

 ドラクのやつが執事服を着て出迎えくれる。最初は会話もできないような不気味なやつだったが、日々その成長が著しいドラクは今や私の執事である。ドラクにもいくつか星を任せてたりもする。聖杯をその身に宿してるドラクは既に私よりもそのエネルギーだけなら多いしね。私はあまり大きな力をいきなりつけると、アクトパラスとゼンマイに怪しまれるからね。だからドラクの方に回してるのだ。

 それにドラクは謎生物。もしも超強くなっても、そういう生命体だったと言うことでいいだろう。まあそもそもあの二人はこっちに関心ないから、ドラクの事もそこまでしらないだろう。彼奴等の中ではドラクはきっと黒いモヤの印象のままだろうしね。

「ふう……全く、緊張しちゃった」

「お疲れ様です」

「んんー!」

 私が腰掛けたテーブルにケーキとお茶を用意するドラク。そしてそのまま小さなフォークを使ってショートケーキを切って、私の口元に寄せてくれたからそれをパクっとする。甘い……まるで生き返るようだったからそんな声が出た。

「とりあえず向こうはゼンマイがそれぞれの素体を作ってくれるらしいわ。こっちは私の素体を作るのに集中することになりそう」

「自分が行ければ良いのですが」

「ドラクの存在は過去には無いからね。流石にそれは無理だよ」

 実際ドラクは神ともドラゴンとも遜色ない力があるからね。たしかにドラクをどうにかして送り込めたら、勝ち確ではある。でも流石にどれだけ小細工をしたとしても、流石にドラクを過去に送り込むことは不可能だ。アーミュラの目をごまかせる……とは思えない。

「ズラララバライトは?」

「大浴星にいらっしゃいますよ」

「気に入ってるね」

「はい、なにせラーゼ様からの贈り物ですから」

 神ともなると贈り物は星単位である。とりあえずズラララバライトの機嫌を取って悪いことはないからね。温泉で満たした星を送ってやったのだ。自分の宇宙で作れそうなものだが……ドラゴンと神はあんまり関わりないのが普通の関係らしいからね。

 そういうのはなかったらしい。だから私が送ってやったその星をズラララバライトは気に入ってる。なにせドラゴン形態のままお風呂に入れるからね。ズラララバライトも幸せ、私もズラララバライトに色々と協力してもらってその豊富な知識を得られて幸せ。つまりはウインウインの関係なのだ。

 私は目の前に映像を出して、ズラララバライトと話すことにした。

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