美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H648

私は一張羅に身を包む。光が体を包んで、その光が波打つように広がっていく。そして体を包み込む白い布はきめ細やかな刺繍が所狭しとされてて、その布は端に行くに連れて信じられないくらいうすくなってる。

 前からは脚が見えてるけど後ろから見えない感じのスカートが大きく広がって、私の華奢な体を覆うようなスカートを作ったよ。歩く度にゆさゆさするフルリもかわいい。足元はそこまで高くないけど、足を綺麗に魅せるヒールを履いて、脚に沿うように紐が軽く巻き付く感じて演出した。自分を引き立てるネックレスやら、髪飾り、そしてティアラとかで飾り立てる。

長い髪は複雑に結ったりするよ。勿論手で一つ一つなんてしない。力で解決である。てか神だからそこら辺髪の長さとか自由自在なんだけどね。いつもの長さだと意識しないんで良いんだよね。長い髪の一部を複雑に編み込んで、それでもある毛量をツインテールしたりして、毛先はまとめて三つにながしておいた。それでも地面につくくらいに私の髪はながい。

 けど、汚れることはないからいいか。私の体はいつだって光り輝く状態になってるよ。

「これで油断させて、最悪アイツラの欠片でも盗んでくればどうにかなるよね」

「穏便に行くんじゃなかったのか?」

「それで済ましてくれたら、穏便に行くよ。私だって無駄に戦いたい訳じゃないし。あの二人がどれだけ過去に拘るかによるよね」

 神としての立場がなくなる……とかなったら全力で抵抗してくるのも頷けるわけだけど……そうではない。二人の立場は揺るぎない。だから軽く流してくれるのが理想だよね。そうでない時は、私の魅力で落とす……それも駄目だったら、最悪ね。最悪戦闘中のドサクサで奴らの細胞やらを得る。

 それで過去のアクトパラスとゼンマイを再現してタイムデスケーションするのだ。それで今の私があの時の星へと降り立てれば、勝ち確なんだけど……流石にそんなのは許されない。流石にそこまではアーミュラの奴だって許してないからね。

 あの頃に戻すのはどうでもいいが、あの頃の世界に神として干渉することは許さない――とハッキリ言われてる。

「さて、ドラクもお留守番だからね」

「ですがそれは……」

「話し合いに行くんだから。それにいざとなったらドラクは呼ぶよ。ズラララバライトは協力してくれないでしょ?」

「我の力が必要か?」

「全然余裕だけど?」

 私は挑発するようなズラララバライトにそう言ってやるよ。必要だって言ったら助けてくれるの? 実際失望されそうな気がしたからね。ズラララバライトは実際なんで居るのかわかんないし、どっち側かも曖昧だ。

 助けてはくれてはいるが、私の戦力……とは考えてない。とりあえず私はゲートを使って、アクトパラスとゼンマイ空間へと飛んでいく。

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