美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H646

私は自分の宇宙に戻ってきた。タイムデスケーションはあと百年は持つだろう。その間に私はでできることをやる。アクトパラスとゼンマイのやつの力の一部が必要だしね。話して協力してくれればいいが……アイツラにはなんのメリットもないんだよね。

 だからバレずにやるのが1番のような気がする。でもバレると問題では有る。神である二人はタイムデスケーションでも戻ることはない。でもあの時のアイツラが居ないと大きな齟齬になってしまう。そうなるとタイムデスケーションを上手く発動できないってことになるかも。

 本人たちは今更あの星にこだわりなんてないだろう。自分自身に影響がないのなら、勝手にすればいい――とか言うかもしれない。でも私がやろうとしてるのは、あの星の歴史改変である。つまりはアクトパラスとゼンマイの奴の勝利、それを無くそうとしてるわけで、それはそれで嫌がられそうなきがしないでもない。実際の所は神であるアクトパラスとゼンマイの今が無くならないから、二人が勝利してることに変わりはない。けどあの星の人達からしたらその事実はなくなる。それを受け入れてくれるかどうか……

「よしよしどうだったドラク?」

「姉さま、案ずることはありません。奴等の星は拙いと言わざる得ません」

「なるほどなるほど」

 私の前にはいつの間にか私の背を追い越した銀髪の美男子がいる。実はこれがドラクである。いやー聖杯を埋め込んで、その力を飛躍的に高めたドラクは一気に成長というか……なんかした。てか私が神として成長したのも影響有るかもしれない。

 私がアーミュラから理不尽な特訓を受けて、星に閉じ込められて、出てきたらなんかドラクがこんな事になってた。私が神としての力をある程度使えるようになってその経験が流れたのか……ドラクも自身の肥大化する力を利用できるようになってたらしい。

 いやーまさかこんな私好みの美男子になるとは。もしかしてだけど私の好みを把握してこうなったんではないかと思うけどね。しかも更にだけど人形になってIQ上がってる。服装は白いシャツをラフに着てる。ズボンも白い。あんまりオシャレ感はないんだが、身長と雰囲気、そして顔によってなんかおしゃれな感じになってる。やっぱりイケメンはそれだけで得だね。まあ美少女だってそうだけどね。

 私はそもそもかオシャレだけどね。私は今日は黒と赤のガーリー系で決めてるよ。なんか自然とそばに寄って手を取ってくるドラク。ドラクは生まれた時からそうだったけど、よく寄り添ってくる。それが癖になってるのか、この状態になっても近寄ってスリスリしてくるからね。傍から見たらどう考えてもできてるだろうと思われてもおかしくない。

 あっという間に私の背なんて追い越して、男の子の体になり、そんな体でスキンシップを取られると、私の女としての部分がうずいちゃうよね。神になってこれまでは明確に男ってやつ居なかったからそうでもなかったけど……ズラララバライトも人間形態になるとイケメンだけど、あいつは普段ドラゴンの姿だからね。やっぱりそっちの印象が強い。アクトパラスとゼンマイはそもそもがそういう対象ではない。

 寧ろ私的には屈辱を味合わされた相手だし……でもドラクには最初から好意的な感情しかない。だって私が生み出した子だしね。それがこんなイケメンになると……ちょっとした近親相姦的な感じになって興奮するというか……そういうのは出来なかったし、ある意味でね……うんある意味で良いかなって。

 まあちゃんと自制心を保ってるけどね。

「アクトパラスとゼンマイに気づいてる様子はないの?」

「奴等は宇宙に設置した方の聖杯に夢中です。少しでも早く聖杯を満たすために、星を増やしています」

 なんか手をスリスリしてくるドラク。その大きな手でスリスリされるとなんかちょっとどきどきする。ドラクのやつはただのスキンシップだと思ってるようだけど、見た目が変わってることをもっと意識してほしい。

 前みたいな黒いモヤみたいなのがスリスリするのとイケメンにスリスリされるのはぜんぜん違うからね。まあけど、全幅の信頼をおける味方が居るというのはありがたい。なにせズラララバライトもアーミュラも完全に私の味方かというとそうでもないしね。けどドラクは違う。

 ドラクは私の完全なる味方。そしてこき使って良いやつである。そういう手足、大切だと思う。

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