美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H634

「神になったら何でも出来ると思ってたけど、色々と出来ないことも多い……とわからされた口だけど……」

「それはまだまだラーゼちゃんが未熟だからだよ。私達は神だよ?」

 そういってなにやらちょっと離れてアーミュラはくるくると踊りだした。何やってるの? そう思ってると、アーミュラの周囲に再び光が……私は身構えるよ。だってさっきの鳥や魚が再び召喚されるのかと思ってるもん。あんな小さな存在に良いようにつままれたからね……恐怖でしか無い。

 けどそんなことはなかったむしろもっと凄いことが起こった。

「神にできないことなんて無い」

 そういった瞬間、アーミュラが出した光が広がる。それと同時だった。ここは砂浜で、背景には海と空が広がってた。それなのに、アーミュラを中心に広がる光がソレを書き換えてる。なんかきれいな草花が生い茂り。周りは滝になった。周囲全部滝だ。そして空はさっきまで夕焼けだったのに再び昼間のようになってるし……更に言うと、なんかかわいい小動物がいる。兎やらリスやらだ。そして輝く蝶が舞っている。

「これって……げんかにゅ?」

 自分で頬を引っ張ってみたから「幻覚」が「げんかにゅ」になってしまった。けどどうやら幻覚じゃない? 私は手を出してみた。するとそこに光を放つ蝶が止まる。ツンツンすると飛んでいった。更に花にもふれてみる。紫色したきれいな花だ。ちゃんとした感触が確かにある。鼻を近づけるとその花の香もする。

「幻覚じゃないよ。私がこの星を作り変えてあげたの」

「空間移動したとかじゃなくて?」

「マナを感じてみれば? 私の星に行ったとかならすぐにわかるでしょ」

「確かに……」

 マナが違うとすぐに分かる。この星は私のマナで満たされてるし、もしもここが違う星……それこそアーミュラじゃなくてもアクトパラスやゼンマイの星でもマナは違うからすぐに分かる。それで確かめてみると……確かに私のマナを豊富に感じる。

「てか、作り変えたんだよね? それって誰のマナで?」

「勿論ラーゼちゃんだよ?」

 恐ろしい……と思った。笑顔で言ってるけど。そんな事できるの? 私のマナ……いや他人の力を利用してここまでのことが出来るって……これが自分のマナで強制的にやったとなると、元々アーミュラは私よりも上位の神だしわかる。

 まだね。でも……私のマナを利用して星を作り変える? それって更に更に高度なことじゃない? この頭弱そうな女がそんな事……なんかめっちゃやばいやつに目をつけられてる気がしてきた。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品