美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H620

「全ての宇宙が滅びるって……それ……」

「中心は限界に来てるからな。我ら古龍が力を合わせて中心を押さえているが、それもいつかは限界が来るのは確かだ。そして宇宙の中心は、全ての宇宙を包むほどに大きく、そしてそのエネルギーは観測も出来ないほどだ。だからこそ、中心が解き放たれれば、全ての宇宙を飲み込み、そして最後には消えていくだろう」

 どうやらゼンマイが言ったことは本当のことらしい。宇宙の中心ってそれだけやばい状態なんだ。でも……

「それって今すぐじゃないでしょ?」

「まあな。それがいつになるかはわからない。宇宙はどんどんと広がって、そして星も増え続けてる。それによって、中心に集まるエネルギーも増えているからな」

「古龍は増えないんだよね?」

 宇宙の中心を抑え込んでる古龍が増えれば、宇宙の崩壊だって、それだけ遠ざかるんじゃないだろうか? そもそもが神やドラゴンの時間の概念は狂ってるわけで、こう言ってるが、それは普通の星の中で暮らす生命体の時間間隔で言えばそれそこ数百、数千、数万……そんな単位である。時間間隔狂ってるからね。

 でもそれでも、確定してることがある。それはやっぱりいつかはこの宇宙は全てが無に帰すってことだ。このままだとね。だからこそ、わたし的には古龍を増やしてもらって……とか思うわけだけど……

「それは難しいな。古龍とはそんな簡単になれるものではもない」

「そうなんだ……」

 

 なんか違うのか? と私的には思うけどね。種族的には同じドラゴンだよね? それともなんか違うのか? 私の認識的には、めっちゃ古くからいるドラゴンだから古龍とか言ってるのかと……

「力が強いドラゴンは居るでしょう? そのものたちにも強力をしてもらえば……」

 ゼンマイがそんな妥協案をしめしてくれる。確かにドラゴンも宇宙にはたくさんいるから、その中には上下があるじゃん。それこそ、限りなく古龍に近い力を持ったドラゴンだっていると思う。彼等は古龍では無いかもしれないが、その力なら協力できるって奴は居るでしょう。

 そいつらを出張らせるってのはいいことだと思う。

「それも難しいな。ドラゴンとは誇り高い奴等だからな。古龍は古龍で誇りがあるし、それ以外のドラゴンはこっちに対抗心を燃やしてる。特にそれだけ力を蓄えた奴等ほど、我らの言葉など聞かないだろう」

 なるほどね。ありそうではある。なにせドラゴンがその力で横暴な奴が多いってのは神歴が短い私でもわかる。きっと確執とか色々とあるんだろう。もしも全ての宇宙の全てのドラゴン……そして神が力を合わせれば……この問題だって簡単に解決できるのでは? それが夢物語だとしても、ちょっとだけそう思った。

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