美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H619

「確かにこれをやれば宇宙のエネルギーが飛躍的に上がる。だが、宇宙の拡張が追いつかないぞ。我らの宇宙には足りないものが多い」

「それに使えばいいじゃない。足りないものを一気に作れる」

「だが、これは……一度ではないだろう?」

「そうだね。永遠にも、無限にもエネルギーは拡充されるね」

 それはある意味で夢のようなシステムである。実際、私の発言を聞いて、アクトパラスは「おお」とか唸ってる。でもそれを聞いて、ゼンマイのやつは頭を抱える様な仕草をしてる。眉間……なんて無いが、そこを抑えるようなポーズだ。

 全く心配性だね。

「何を悩む必要がある? 俺たちの目標を忘れたか? 俺たちは神の中でも上に行く。そして宇宙の中心を置き換えるんだ」

 

 宇宙の中心を置き換えるって言うのはよくわかんない。けど神の中でも新人の私たちはまだまだ神の中では下の下だからね。実際の所、神とやりあったことなんて無いからわかんないけどね。だって普通にまずは出張ってくるのってそこの宇宙の担当のドラゴンだからね。そもそもドラゴンはその役目だし……だから神とやり合うってことなかなかないよね。

「だがそれにも順序というものが……」

「それこそ無限にやっていく順序か? そんなのを俺が待てると?」

 その触手をうねうねうさせながらアクトパラスがそういうよ。神には時間の概念なんてない。だからいくらでも時をかけられる。でもそれで……いやだからこそ……だね。到達できるのかなってことだ。無限だから、いつまで経ってもそこに到達しない可能性はある。

 いくらでもやれるからね。ふむ……

「ねえ、ドラゴンには古龍とかが居るんだよね? なら神にはそういう上位の神の通称とかあるの? それとそいつらって入れ替わったりしてるの?」

 私は気になったことをズラララバライトに聞いた。別にもしかしたらアクトパラスとゼンマイも知ってるかもしれないが、新人の二人よりもどう考えてもズラララバライトの方が詳しいだろうからね。

「そうだな。別に上位の神に通称はないな。だがそれぞれで通り名がある「最悪の邪神」やら「万感の女神」やらそういう奴等だな。そこまで行くと消えていくような神はいない。だがそういう通り名持ちは時々増えるぞ」

 あんまりダサい通り名をつけられるのは嫌だな……とか思った。もしかしたら自分でなのってるのかも知れないけどね。そうなると神とはなかなかに痛いな。まあけど減ることは無いが、増えては居るらしい。それならまあ……

「ズラララバライト殿、宇宙の中心はもう限界なんだよな?」

 なんか真剣な感じでそんなことをアクトパラスがズラララバライトに問う。限界? 確かに古龍たちで中心を押さえてるって話は聞いてるけど……限界とは?

「今の宇宙の中心はもう限界にきてる。どこかの神が今の中心を置き換える宇宙を作り、それを飲み込まないと全ての宇宙が再び無に帰す……違うか?」

 なんかアクトパラスがとんでもないことを言い出した。

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